多くの人に惜しまれつつ、上野のシャンシャンは中国に返還された。和歌山の16頭の父親となった永明、子の桜浜&桃浜も中国へ。寂しいけど、まだまだ東京・上野、和歌山・白浜、兵庫・神戸でパンダに会える!
今こそパンダに会いに行こう
コロナ禍の行動制限が緩和され、パンダファンの多くが「パン活」(パンダを見に行ったり愛でたりする活動)を再開した。
筆者が交流しているToshiro Wadaさん(Instagram @toshi1213_f1)さんも、過去にパンダの名付け親になったこともある熱心なパン活者。「しばらくアドベンチャーワールドに行くのを控えていたのですが、最近また通うようになりました。永明、桜浜、桃浜が中国に旅立ってしまいましたが、今いる4頭がすごくかわいくて、癒やされます。特に結浜が好きで、今では一番お姉さんになって、すくすく育ってくれて嬉しいです」とのこと。
そう、上野もパンダの聖地だが、近畿エリアに目を向ければ、和歌山・神戸とパン活スポットが2か所も!
上野動物園:4頭
上野動物園の正式名称は、東京都恩賜上野動物園。日中国交回復の調印を記念し、1972年10月28日にパンダが初来園した。パンダ不在の時期もあったが、2011年に借り受けたリーリー&シンシンペアの間に、2017年にシャンシャン、2021年にシャオシャオ&レイレイが生まれ、一時期は5頭になった。2023年に香香(シャンシャン)が中国に返還され、現在4頭。
力力(リーリー ※力は漢字の「ちから」)
オス 2005年8月16日・中国生まれ
優しい顔立ちなのに、成熟した大人のオスの風格も漂わせる。パートナーのシンシンが出産・育児で非公開となっても、オスのリーリーは子育てに参加しないため公開されることが多く、並ばずに見られる傾向。ヘソ天(ヘソを天=上に向ける姿勢)でタケを食べる姿が見られたらラッキー!
真真(シンシン)メス
2005年7月3日・中国生まれ
「こんな美しいパンダは珍しい」とほめたたえられるパンダファンは少なくない。確かに、ころんと丸い顔に、目の周りの黒い部分の楕円、ハート型に見える黒い鼻先がバランスよく配置されている。
暁暁(シャオシャオ)
オス 2021年6月23日・上野動物園生まれ
双子の片割れであるレイレイと同居中。個体識別のためシャオシャオには緑の印がつけられている。オスのパンダは頭のてっぺんの毛がアンテナのようにとんがる例が少なくないため、「とんがり系イケメン」になる将来が期待される?
蕾蕾(レイレイ)
メス 2021年6月23日・上野動物園生まれ
双子パンダのメスで、緑の印がついていない方。あどけない雰囲気なのに、顔のパーツ一つひとつが整っていて、上品な印象。まさにお嬢様といった印象だが、活発に遊んでいるところも目撃される。
アドベンチャーワールド:4頭
南紀白浜の定番観光地。パンダのほか、エンペラーペンギンの繁殖などでも注目を集める。アドベンチャーワールドで生まれた17頭のうちの16頭の父親であり、「現在の飼育下で自然交配し、繁殖に成功した世界最高齢パンダ」という記録を持つ永明が、桜浜(おうひん)&桃浜(とうひん)の双子とともに中国に旅立ったが、現在は4頭のパンダが元気に暮らしている。
良浜(らうひん)
メス 2000年9月6日・アドベンチャーワールド生まれ
顔と耳が丸く、鼻が低いところもなんだかかわいい。日本生まれのパンダとしては初めての出産を経験。今いる結浜、彩浜、楓浜ほか全10頭の赤ちゃんを産み育ててきた、ベテランのお母さんだ。
結浜(ゆいひん)
メス 2016年9月18日・アドベンチャーワールド生まれ
幼いころから頭のてっぺんにとんがり毛があり、大人になってもそのキュートなとんがり毛がなくなっていない。パンダの見分けが苦手でも、結浜だけは見分けられるはず。
彩浜(さいひん)
メス 2018年8月14日・アドベンチャーワールド生まれ
出生時、わずか75グラムと、アドベンチャーワールドで最も小さく生まれたパンダの彩浜。その後の成長は順調で、ケガも病気もなく元気に暮らしている。目の周りの黒い部分の内側(目頭のような部分)が、向き合うようにとがっている。
楓浜(ふうひん)
メス 2020年11月22日・アドベンチャーワールド生まれ
いい夫婦(ふうふ)の日に生まれた楓浜。目の周りの黒い部分が外に跳ねているのがチャームポイント。遊び好きで、活発に動き回るところを見せてくれる。
神戸市立王子動物園:1頭
神戸のパンダも見逃せない。神戸市は、1973年に中国の天津市と友好都市提携を結んでいる縁もあり、これまでに3頭のパンダの提供を受けてきた。現在はタンタンという高齢のメスが1頭いる。
旦旦(タンタン)
メス 1995年9月16日・中国生まれ
前あし、後ろあしともに短めで愛らしいフォルムの「神戸のお嬢様」。小柄で幼く、可憐な印象だが、もうけっこうな高齢。中国返還が決まっているが、高齢による体調不良などの理由で日本に残っている。
※タンタンは体調管理のため観覧を中止しています。他のパンダについても最新情報を調べてからのお出かけをお薦めします。
※写真は筆者撮りおろしとフリー素材、施設公式写真などです。ありがとうございました。
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