MMD研究所は7月27日、6月に実施した「スマホ教室・パソコン教室に関する調査」の結果を公表した。この調査によれば、スマホ教室に参加したことがあるという人の割合が高いのは高齢者よりも若年層で、もっとも参加経験者の比率が高いのは20代の15.1%だったという。
この調査は2023年6月29日~30日に実施したもの。15歳~69歳の男女7,000人を対象として予備調査を行い、予備調査の対象者の中から通信キャリアのスマホ教室に参加した経験があるという200人を対象として本調査を行っている。
予備調査において、スマホ教室に参加した経験があるかどうかを聞いた結果が次のグラフ。スマホ教室に参加した経験があるというのは全体の8.3%と少数派。なおここでの「スマホ教室」は通信キャリアが開催するものだけでなく、自治体・学校などが開催するものを含む点に注意されたい。
スマホ教室の参加経験を年代別に分析したのが次のグラフ。「スマホ教室」というと高齢者向けというイメージがあるが、意外にも参加経験があるという人の割合がもっとも高いのは20代で、次点も10代という結果。通信キャリア各社は企業の社会貢献の一環として学校でのスマホ教室(出前授業/オンライン授業など)を実施しており、そういった形でスマホ教室を受講したことがあるという人が多いのではないかと思われる。
学校でのスマホ教室を含め、スマホ教室は何らかの形で通信キャリアが運営に関わっていることが多い。予備調査でスマホ教室に参加したことがあると答えた578人を対象に、参加したスマホ教室に関わっていたキャリアを聞いた結果が次のグラフ。NTTドコモが他キャリアに大きく差をつけて1位というのは、キャリアとしてトップシェアであること、直近ではキャリアショップの整理を進めているとはいえ2022年まではキャリアショップの店舗数で首位だったことなどを考えれば納得のいく結果だろう。逆に、楽天モバイルがソフトバンク/auとさほど差がないというのは意外だ。
参加したスマホ教室の内容を聞いた結果が次のグラフ。「スマートフォンの基本操作」という回答が最多で、個別でもメール/カメラ/ビデオ通話/電話/LINEなど、基本的なアプリの使い方が解説されているようだ。それより数は少ないながら、マイナンバーカードとの連携やキャッシュレス決済の使い方などについても解説されることがあるようで、このあたりは参加者の属性によっても異なるところだろう。
ちなみにスマホ教室に参加したことがあるという人にそのきっかけを聞いた結果が次のグラフ。「スマートフォンを使えるようになりたいから」「スマートフォンでアプリを使いたいから」「スマートフォンについてもっと知りたいから」といった項目が上位で、前述のスマホ教室の内容と大きな齟齬はなさそうだ。
ただし、スマホ教室への参加意向があるという人に、どういった内容のスマホ教室に参加したいかを複数回答で尋ねた結果を年代別にまとめたところ、結果は次の表のようになった。20代以上では「スマートフォンの基本操作」「他デバイスとの接続の仕方」「カメラの使い方」を挙げる人が多いが、10代ではやや方向性の異なる回答が多かった。このあたり、10代向けのスマホ教室では他年代向けとは違った内容が求められるようだ。
先に示したスマホ教室参加のきっかけには「家族からすすめられたから」「友人からすすめられたから」といった項目があったが、スマホ教室参加者の76.5%にあたる153人がスマホ教室の参加をすすめられた経験があり、78.0%にあたる156人がスマホ教室の参加をすすめたい人がいると答えた。そのすすめられた/すすめたい相手を聞いた結果が次の表。双方で「配偶者(夫、妻)」がトップとなっているのはさもありなんといったところだが、すすめたい人として「親」が22.4%の2位になっているにもかかわらず、参加をすすめてきた人として「子供」が18.3%の5位というのはやや意外。「年配の親に子供が参加を勧める」という行動には、実は微妙な気遣いがいるものなのかもしれない。
調査概要
- 調査名:スマホ教室・パソコン教室に関する調査
- 調査期間:2023年6月29日~6月30日
- 有効回答:【予備調査】7,000人 【本調査】200人
- 調査方法:インターネット調査
- 調査対象:【予備調査】15歳~69歳の男女 ※人口構成比に合わせて回収 【本調査】通信キャリアのスマホ教室参加経験者
- 設問数 :【予備調査】10問 【本調査】10問