Mizkan Holdingsは7月26日、「水にかかわる生活意識調査」の結果を発表した。調査は5月30日6月5日、東京圏(東京、神奈川、埼玉、千葉)、大阪圏(大阪、兵庫、京都)、中京圏(愛知、三重、岐阜)に居住する20代~60代の男女1,500人を対象にwebで行われた。
「水の災害を不安に感じている」は6割
水の災害が起こることへの不安について聞いたところ、6割超(60.2%)が「いつも感じている」(13.9%)、「時々感じている」(46.3%)と回答。
不安に感じている災害は、前回調査(2021年)と同様、1位「台風」、2位「地震」、3位「ゲリラ豪雨」という結果に。また、昨年12位だった「線状降水帯」が前回から7.1ポイント増え、4位に浮上。以下、5位「断水」、6位「火災」、7位「水不足」、8位「雨による浸水」、9位「津波」、10位「河川の氾濫による浸水」と続いた。
「線状降水帯」とは?
線状降水帯とは、次々と発生する発達した雨雲(積乱雲)が列をなした、組織化した積乱雲群によって、数時間にわたってほぼ同じ場所を通過または停滞することで作り出される、線状に伸びる長さ50~300km程度、幅20~50km程度の強い降水をともなう雨域のこと。毎年のように線状降水帯による顕著な大雨が発生し、数多くの甚大な災害が生じている。
専門家「関心高まって欲しい」
同センターのアドバイザーを務めている東京大学 大学院工学系研究科の沖大幹教授は以下のように解説している。
「線状降水帯(24.4%)が2021年(17.3%、12位)から大幅に順位をあげて4位につけたのは、2022年6月から線状降水帯の発生の可能性を気象庁が半日前に予報するようになり、一般に耳にする機会がさらに増えたおかげだろう。
以前は発生していなかった線状降水帯が気候変動によって生じるようになったというわけではなく、気象レーダーによる観測網が日本全体を覆い、高い時間・空間解像度で降水分布の挙動を目の当たりにできるようになった。 そして、発達した積乱雲が時として地形と相互作用しつつ次の積乱雲を生じさせて同じ場所に激しい雨が数時間降り続くことになるといったメカニズムの理解が進んだため、洪水や土砂災害につながる可能性が高い現象として危機管理のために耳新しい名前で巷間に普及させようとした結果、これまでのところ思惑通りに進んでいる、というところだろうか。
ゲリラ豪雨は専門用語ではないが、いわゆる集中豪雨の中でも予測が困難なものを『ゲリラ』豪雨と呼ぶことが多い。そのため、リスク認知的には恐ろしいと感じ易いゲリラ豪雨であるが、線状降水帯の方がそれなりに広い地域を豪雨が覆い、時間的にも長く続くため、いずれはゲリラ豪雨を上回るくらいにまで線状降水帯への関心が高まって欲しいものである」