日産自動車が2022年6月に発売した軽自動車の電気自動車(軽EV)「サクラ」の累計受注台数が5万台を突破しました。日本のEVとしては異例の売れ行きを示しているサクラですが、ヒットの要因は? サクラの受注状況に関する日産の説明会を取材しました。
人気のグレード、カラーは?
日産の調べでは、2022年度における電気自動車国内販売台数の約4割がサクラだったそうです。人気の要因について日産は、「軽自動車ならではの小回り性能に加え、圧倒的な静粛性や力強くなめらかな加速、上質で洗練されたデザイン、日常使いに十分な航続距離、充実した先進技術など」が評価されたと分析しています。自宅で手軽に充電できる点も好評で、首都圏のほか軽自動車の多い郊外地域においても多くのユーザーを獲得できたとのことでした。
サクラの購入者は半数以上が軽自動車からの乗り換えです。軽ならではの使いやすさに加え、EVの強みである走行性能、静粛性、自宅充電が人気の理由だそうです。個人ユーザーだけでなく、法人や自治体からの評価も高いのがサクラの特徴なのだとか。環境負荷低減の観点からサクラを選んだ顧客も多いようです。法人利用では事業所でサクラを充電できるという点も評価されているといいます。
サクラの受注状況について説明した日産の担当者によれば、「ユーザーがサクラ購入時に挙げた気に入った点で特に目立つのが、自宅充電の利便性」だそうです。ガソリンスタンドが全国的に減少する中、わざわざ出かけなくても自宅で充電できるEVならでは利点がユーザーに受けているのでしょう。
今回の説明会では、サクラ購入者からの声が紹介されました。
スポーツカーも所有しているサクラのユーザーからは、「坂道での加速、想像以上の走りの滑らかさ、もたつかない走りやハンドリングが最高で、これまでの軽では感じることができない走行になっている」とのコメントが届いたとのこと。また、孫2人の送迎にサクラを使用しているユーザーからは、「静粛性が高く、ハンドルを握ったままでも後席との会話がスムーズです」と喜びの声が届いたといいます。片道30分の距離を日常的に走っている女性ユーザーは、「ガソリンスタンドは行列ができて困っていましたが、自宅で手軽に充電できて助かります」と評価しています。
サクラを購入した顧客の3割以上が充実装備の最上位グレード「G」を選択しています。ボディカラーは「ホワイトパール」が1番人気で、2トーンの「ホワイトパール/チタニウムグレー」が2位につけています。購入者の約3割が自宅に太陽光パネルを設置しており、自然由来の電力との組み合わせによる自宅充電も行われてるそうです。購入者の半数以上はサクラを毎日利用しているとのことでした。