携帯電話キャリア各社は共同して、夏に増加するスマホの発熱に由来する事故について、一斉に情報発信を行っている。

  • スマホ発熱イメージ

NTTドコモ

NTTドコモでは、同社のWebメディア「dアプリ&レビュー」において、「夏によく発生するスマホの発熱とは」と題された記事を公開している。

記事中では、スマホを屋内の日光下で利用した場合にどれくらい熱くなるか、どんな冷却の仕方が効果的かといった実験の結果も報告されている。スマホの冷却については、扇風機で風を当てることが有効であることを示すとともに、水の中に入れたり保冷剤をあてたりするのは望ましくないとしている。

KDDI

KDDIも同社のWebサイトにて、「夏にスマホで気をつけたいポイント! 実験結果をもとにプロが解説」と題し、同社プロダクト品質管理部のメンバーにインタビューを行っている。インタビュー中では、自動車の車内が日のあたる場所に放置されるとどれほど温度が上昇するかを示し、そういった高温環境が非常に危険であると指摘している。

また高温になったスマホの冷却方法としては、NTTドコモ同様に扇風機や扇子で風をあてることを推奨している。クールタオルの利用は水分があるため非推奨とのこと。

また発熱とは別に、防水仕様のスマートフォンであっても海水やプールの水など、水道水以外の水に浸けたりかけたりすることは避けるべきであるという点についても解説している。

ソフトバンク

ソフトバンクは、同社のWebメディア「ソフトバンクニュース」にて、「炎天下で車内のスマホ放置は危険? 温度が一番高くなる場所と『スマホの熱中症』対策」という記事を公開。

ここでも、炎天下における車内各部の温度がどれくらい上昇するかを示し、車中にスマートフォンを含むリチウムイオン電池使用機器を放置しないよう呼び掛けている。また自動車の車内以外の危険な場所として、「冷房が効いていても日差しが強いところ」「ズボンのポケットなど、体温が伝わりやすいところ」「自転車やバイクの前カゴ」「プールサイド、ビーチの砂の上や船上」などを挙げている。

またKDDIと同じく、水濡れについての注意喚起も行っている。とくに端子部に塩分/糖分が残っていると発熱を起こす危険性があることから、水濡れ時は水分を拭き取り、風で異物を吹き飛ばすことを推奨している。

楽天モバイル

楽天モバイルでも、「夏のスマートフォン取り扱いについて」というページをWebサイトで公開。屋内/車内/屋外にスマートフォンを30分放置した場合の温度変化を示し、直射日光のあたるところにスマホを放置しないよう訴えている。

スマホ発熱時の対応としては、同社が過去に公開している解説記事「スマホが熱いときはどうすれば良い?発熱する原因と対処法」を参照し、いったん電源を切って熱伝導率の高い金属の上にのせ、扇風機などの風に当てるという対策を勧めている。

また安全のために、アクセサリもメーカー純正品や携帯電話会社で販売しているもの、PSEマークのついた充電器やUSB認証マーク付きのUSBケーブルを使用することを推奨している。

まとめ

各社の解説内容をまとめると、以下のようになる。

  • スマートフォンの過熱化を防ぐためには、日中の自動車内などの高温環境に放置しない
  • スマートフォンが発熱したら、いったん電源を切り、扇風機の風をあてるなどして冷却する
  • 保冷剤の使用や極端な冷風をあてるなどの行為は、結露をおこす可能性があるために避ける
  • 防水仕様であっても、水濡れ後は端子部に水分や塩分/糖分が残らないようしっかり拭き取る

なお保冷剤の中には、スマホ等の冷却を想定して、常温ていどまでにしか温度が下がらない製品もある。そういったものであればスマートフォンに使用しても差し支えない。

上記のような点に注意して、安全にスマートフォンを利用するよう心掛けよう。