女優の吉永小百合が主演を務める、映画『こんにちは、母さん』(9月1日公開)の本編映像と場面写真が26日、公開された。

  • (C)2023『こんにちは、母さん』製作委員会

    (C)2023『こんにちは、母さん』製作委員会

同作は山田洋次監督によるオリジナル作。大会社の人事部長として日々神経をすり減らし、家では妻との離婚問題、大学生になった娘(永野芽郁)との関係に頭を悩ませる神崎昭夫(大泉洋)は、久しぶりに母・福江(吉永)が暮らす東京下町の実家を訪れると、割烹着を着ていたはずの母親が艶やかなファッションに身を包み、イキイキと生活していることに驚く。恋愛までしているようで戸惑う昭夫だったが、お節介がすぎるほどに温かい下町の住民や、これまでとは違う“母”と新たに出会い、次第に見失っていたことに気付かされてゆく。

公開された本編映像の冒頭では、福江(吉永)にデリカシーのない態度を取る昭夫(大泉)に対し、「おばあちゃんの前で牧師さんの悪口を言わないで」と真剣な様子で釘を刺す舞(永野)の姿が。「何が言いたいんだよ」ととぼける昭夫に対し、舞は呆れながらも福江が牧師・荻生(寺尾聰)に思いを寄せていることを伝えるが、昭夫は聞く耳を持たない。畳み掛けるように舞が福江の荻生に対する“本気の思い”を告げると、昭夫は目を丸くし思わず言葉を失ってしまう。「もしかして結婚するかもしれない! 素敵!」と無邪気にはしゃぐ舞に対し、思わず顔を歪め「やめてくれよぉもう……」とぼやく昭夫と、対照的なリアクションを見せる父と娘の姿が収められている。

幸せいっぱいの福江に対し、仕事にプライベートに悩みが尽きず余裕のない昭夫が「いい加減にしろ!」と布団に八つ当たりする、どこか情けない姿が映し出されるところで、映像は締めくくられている。

さらに、食卓を囲む神崎家の姿をはじめ、昭夫の同僚・木部(宮藤官九郎)や下町の住民たちがただならぬ剣幕で昭夫を見つめる様子を切り取ったものなど、計7点の場面写真が公開された。可憐な着物に身を包む福江と牧師・荻生が隅田川を散歩する“デートシーン”を捉えたカットや、荻生に優しく微笑む福江の姿もあり、“恋する母”の表情が印象的な一方、そんな幸せいっぱいの母とは対照的に、散らかった部屋で一人カップ麺をすする昭夫の切ない生活ぶりが感じられるカットも収められている。