俳優の松岡茉優と窪田正孝がW主演を務める、映画『愛にイナズマ』(10月27日公開)のポスタービジュアル、本予告が25日に公開された。

映画『愛にイナズマ』

映画『愛にイナズマ』

同作は石井裕也監督の最新オリジナル作で、完全オリジナル脚本で描かれるのは、映画監督デビューを前に無責任なプロデューサーに騙され、夢を全て奪われた花子(松岡茉優)と、空気を読まない正夫(窪田正孝)が運命的な出会いを果たし、“どうしようもない父(佐藤浩市)と兄たち(池松壮亮・若葉竜也)”の力を借りて、嘘と誤魔化しに満ちた社会に反撃を仕掛ける痛快な物語となる。

本予告の冒頭では、主人公である花子(松岡茉優)と正夫(窪田正孝)の運命的な出会いから一転、を奪われた花子が雷の鳴り響く大雨の夜に、正夫と互いに反撃を誓う姿が描かれる。2人が頼ったのは、10年以上音信不通だった花子の“どうしようもない家族たち”。やたらと場を仕切りたがる長男・誠一(池松壮亮)と、根は優しいが陰キャ全開の次男・雄二(若葉竜也)が「ほんとキモい」「うるせえクソ童貞!」と口汚く揉めだしたかと思えば、やさぐれた花子が「クソ!」と絶叫、絶妙に空気を読まずに仲裁に入る正夫と、我が子たちの争いを前に弱りはてる父・治(佐藤浩市)。監督の熱い要望で実現したエレファントカシマシの名曲「ココロのままに」が軽快に鳴り響く中、カオスな空間はエスカレートしていく。

しかし、コミカルな場面から一転。明かされた家族の“ある秘密”に、花子たちの目からは大粒の涙が流れ出す。「はじめて家族というものを知りました」という正夫の言葉とともに、“感動”への期待感を煽る予告編となっている。また本ビジュアルでは、一瞬の雷光に浮かび上がる花子と正夫が見つめ合っている。

松岡は「(観客にとって)この作品が“しょうがない、前を向くか!”と思えるような映画になっていたら嬉しいです」、窪田は「セリフにしろ映像にしろ本質的な意味で“書きなぐられた”作品で、(皆が)普段言えない想いを愛を持って串刺しにしてくる、貫いてくる何かがある作品」と見どころについてコメントしている。

石井裕也監督 主題歌「ココロのままに」に寄せて。

この映画のアイデアが突然ひらめいた時、若き映画監督であり友人の坂西未郁君が目の前にいました。松岡茉優さん演じる主人公の折村花子も若き映画監督という設定なので、彼の存在が発想のきっかけになったんだと思います。なので、花子が劇中で撮影する映像は全て坂西君に任せることに決めました。彼は今作の助監督でありながら、一部のパートでは監督をやったとも言えると思います。ちなみにその映像は、映画のエンドロールでも流れます。
それなら、そこにかかる主題歌はもうエレファントカシマシで決まりだと思いました。他の選択肢はあり得ません。坂西君の父親は坂西伊作という人で、かつて90年代にエレカシのPVをいくつも撮っていた凄腕の監督でした。
『愛にイナズマ』は、今は亡き大切な人に思いを馳せる映画でもあります。亡き父親と同じ道を選んだ坂西君が撮った映像にエレファントカシマシの曲が流れるのは必然だと、誠に勝手ながら思いました。それに加えて個人的な話をしてしまうと、まだ20代の頃、若き映画監督として苦悩し、もがいていた僕を奮い立たせていたのは、いつだってエレカシの熱く真っ直ぐな音楽でした。ヘッドホンをして目を閉じ、己の中にある情熱の炎を確かめ、また頑張ろうと気合を漲らせる。何度も救われました。エレファントカシマシ、『ココロのままに』をどうしても主題歌にしたかった理由は無数にありますが、やはり脇目も振らず一心不乱に頑張るこの映画の主人公にピッタリだと思ったんです。同じように苦しみながら頑張る方々にもこのエネルギーが届けばいいなと思っています。
僕たちの思いをご存じだったかどうかは分かりませんが、エレファントカシマシの皆さん、宮本浩次さんがこのオファーを受けてくれたことに心より感謝申し上げます。

(C)2023「愛にイナズマ」製作委員会