今回は、前向きでいい意味の虎のことわざを、日本の言葉・海外の言葉別に紹介します。かっこいい虎が含まれていることわざは、スローガンやスピーチ、座右の銘にも使えるので、ぜひ活用してみてくださいね。
虎のことわざ【日本で有名な言葉】
虎は強さの象徴として古くから昔話やことわざに多く登場している動物です。ここでは、日本で見聞きする虎のことわざを紹介します。
虎穴に入らずんば虎児を得ず
「虎穴に入らずんば虎児を得ず(こけつにいらずんばこじをえず)」は、「危険をおかさなければ望むものを手に入れることはできない」という意味の言葉です。
「虎の穴」は危険な場所の象徴ですが、そこに足を踏み入れなければ「虎の子ども(=手柄や功績など、欲しいもの)」を手に入れることはできない、つまり成功したいならリスクはつきものだという教えを説いています。
この言葉は『後漢書(ごかんじょ)』という中国の古い歴史書から取り上げられたことわざです。
虎は死して皮を留め人は死して名を残す
「虎は死して皮を留め人は死して名を残す(とらはししてかわをとどめひとはししてなをのこす)」は「虎は死ぬとその皮を永く大切にされ、人は立派なことや偉業を成し遂げることで後世にその名を残すものである」という意味の言葉です。
この言葉は『十訓抄(じっきんしょう)』という鎌倉時代の説話集から取られました。「人として、名を残せるような立派な生き方をしよう」という教えが含まれています。
雲は竜に従い風は虎に従う
「雲は竜に従い風は虎に従う(くもはりゅうにしたがいかぜはとらにしたがう)」は「似た性質のものが互いに惹かれあって一緒になる」という意味の言葉です。
この言葉は『易経(えききょう)』という中国における儒教に関する古い書物から取り上げられた言葉で、「優秀な君主の下には自然と優秀な臣下が現れるものだ」という教えにもなっています。
騎虎の勢い
「騎虎の勢い(きこのいきおい)」は「やりかけた物事の勢いがついて、途中でやめることができなくなる、もう後には引けなくなる」という意味の言葉です。
『隋書(ずいしょ)』という中国の古い書物から取り上げられた言葉で、「虎に乗っている者(=騎虎)は、途中で虎からおりるとそのまま虎に食べられてしまうから、おりることができない」というたとえ話がもとになっています。
「もう後には引けない! やるしかない!」というシーンで使うことのできる言葉です。
虎を養いて患いを遺す
「虎を養いて患いを遺す(とらをやしないてうれいをのこす)」は直訳すると、「虎を生かしておいて、自分の将来の不安を残す」という意味です。そこから、「情にひかれて悪いことの種を絶たないでいると、後になってそれが禍根になる(=悪いものは早く処理するべき)」という意味で使用されるようになりました。
これは『史記』という中国の古い書物から取り上げられた言葉で、「虎を養いて自ら患いを残す」や「養虎の患い」と表現されることもあります。
虎のことわざ【海外の言葉】
次は日本ではあまり知られていない、虎に関する海外のことわざを紹介します。
虎は飢えても自らの肉を食らわず白獅子は寒くとも雪山を離れない
「虎は飢えても自らの肉を食らわず白獅子は寒くとも雪山を離れない」はチベットのことわざです。
「虎や白獅子のように誇り高い人物は、どんなに困難な状況でも誇り高く、気高く行動する」という意味で使用されます。
虎は死んでも爪は不滅 狐は死んでも毛皮は不滅
チベットには「虎は死んでも爪は不滅 狐は死んでも毛皮は不滅」ということわざもあります。
虎における爪と狐における毛皮は「そのものの、最も優れたところ」の例になっており、「その人の最も優れた部分やいい部分はずっと残る」という意味の言葉です。
虎の縞模様は表にあり 人の姿は内にある
これもチベットのことわざです。「虎の縞模様は外側からも判断できるが、人の本当の姿や性格は見た目からは判断できない」という意味の言葉で、「人を見かけで判断してはいけない」という教えが含まれています。
虎は爪を隠す
これはインドネシアのことわざです。日本の「能ある鷹は爪を隠す」と同じく、「能力のある者は力をひけらかさない」ということを表しています。
前向きでかっこいい虎のことわざを覚えておこう
虎は脅威の象徴であるとともに、有能さや気高さの象徴ともなる動物です。ことわざでも強さを表す言葉として使用されています。
前向きでかっこいい虎のことわざを座右の銘として心に留めておけば、勝負時に背中を押してくれるかもしれませんよ。