認定NPO法人グッドネーバーズ・ジャパンは、「グッドごはん」を利用するひとり親を対象に、「子どもの夏休みにおけるひとり親の不安・困りごとに関するアンケート」を行った。調査期間は2023年7月1日から7月10日まで、2,643名(首都圏1,522名、近畿圏1,121名)を対象にオンラインにて実施されたもの。
「グッドごはん」とは、同法人が2017年より日本国内の子どもの貧困対策事業として開始したもの。ひとり親世帯への食品配付を行っている。
アンケートの結果、回答者のうち過半数が、子どもの今年の夏休みの過ごし方に関して、「体験活動(旅行やレジャー、文化的体験など)をする予定がないこと」(54.7%)について悩んでいることがわかった。自由記述欄でも、「周りの友達のように旅行に連れて行ってあげられず、夏休み明けに学校で友達と話す時悲しい思いをさせてしまう」「子におこづかいを渡して友達とお出かけさせてあげることもできない」という声が寄せられた。
子どもが様々な体験に触れることで、主体性や豊かな感性、問題解決力など、あらゆる能力や個性を育むことができる。しかし、登校期間よりも夏休み期間中はさらに、家庭環境を主因とし、子どもが触れる体験機会の質や量に差が生じやすいことが危惧される。
次いで、「一人またはきょうだいだけで家で過ごす時間が多くなること」(44.2%)、「家で冷房を使いたいときに使えないこと」(34.0%)が続いた。「子が家にいる時間が長くなるので光熱費が高くなり払えなくならないか凄く心配。食費も上がりそうなので何か対策をしたいが、これ以上どこを削れば良いか途方に暮れる」といった、物価高騰により栄養不足や熱中症の心配があるという声も。
猛暑日が続く今年の夏休みに家で適切にエアコンを使用できないことや、食費が高騰している中で給食がない夏休み期間に十分な食事をとれないことで、子どもの健康が脅かされるリスクが懸念される。