今回は「まんじりともせず」の意味や誤用、使い方・例文、類語などを紹介します。本来の意味ではなく、間違った意味で覚えている人が多いので、ぜひ最後までチェックして正しい使い方をマスターしてくださいね。
「まんじりともせず」とは? 本来の意味と語源・由来
まずは、「まんじりともせず」の本来の意味と語源を解説します。
「まんじりともせず」の本来の意味
「まんじりともせず」の「まんじり」を辞書で調べたときの意味は以下の通りです。
■「まんじり」の意味
意味1: 少し眠る様子
意味2: じっくりと見つめる様子。まじまじ。じっと
意味3: 何も手につかないでいる様子
■「まんじりともせず」の本来の意味
「まんじり」の一つ目の意味である「少し眠る様子」として使う場合は、否定(打ち消し)の表現と一緒に使うのが一般的です。「まんじりともせず」や「まんじりともしない」のような慣用句で使用します。
そのため、「まんじりともせず」の本来の意味は「少しも眠らないで」になります。
二つ目の「じっくりと見つめる様子」や三つ目の「何も手につかないでいる様子」という意味で使う場合は、否定(打ち消し)の表現はつかず「まんじり」のまま使用します。
「まんじりともせず」の語源・由来
「まんじり」の意味が記載された辞書には語源・由来は明記されていません。そのため、「まんじりともせず」の語源・由来もはっきりとしていません。
「まんじりともせず」の誤用
平成25年度に実施された「国語に関する世論調査」にて、「まんじりともせず」の意味を「眠らないで」と回答した人の割合は28.7%となりました。「じっと動かないで」と回答した人の割合は51.5%となり、半数以上の人が間違った意味を覚えている結果となりました。
「まんじりともせず」は「その日はまんじりともせず(一睡もせず)、一晩を過ごした」といった使い方をするので、「じっと動かず」という意味でも文脈としてもおかしくないため、そのように勘違いされるようになったといわれています。
「まんじりともせず」の本来の意味は「じっと動かないで」ではないので気をつけましょう。
文化庁「言葉のQ&A」
「まんじりともせず」の使い方・例文
ここでは、「まんじりともせず」の使い方を紹介します。次の例文を参考にしてください。
・まんじりともせず、朝を迎えてしまった
・明日のことが心配で、まんじりともせず時間を過ごした
・昨日はまんじりともせずに、子どもの夏休みの宿題を手伝う羽目になった
・まんじりともせず寝返りを打つ夫のせいで自分も眠れなかった
「まんじりともせず」の類語・言い換え表現
「まんじりともせず」は「一睡もできず」という意味なので、の類語・言い換え表現は以下の通りです。
- 寝つけずに
- 徹夜で
- 一睡もできずに
- 目が冴える
- 寝苦しい
「まんじりともせず」の意味を覚えて正しい使い方をしましょう
「まんじりともせず」の本来の意味は「少しも眠らないで」です。「まんじり」という言葉が持つ「少し眠る様子」に否定(打ち消し)の表現が合わさって「まんじりともせず」という慣用句になりました。
「まんじり」という言葉の語源・由来が定かではないため、「まんじりともせず」の語源・由来もはっきりと判明していません。また「じっと動かないで」という意味は間違いなので気をつけましょう。