• 「耳障り」の意味とは

    「耳障り」という言葉の意味や関連知識についてわかりやすく解説していきます

「耳障りな音がする」「大声でとても耳障りだ」など、「耳障り(みみざわり)」という言葉は日常でもよく使われる言葉です。

今回は、「耳障り」の意味を解説します。「耳障りがいい」という言葉を見聞きすることもありますが、この使い方は間違いなのでしょうか。使い方・例文や言い換えも紹介しているので、正しく使えるようにチェックしてくださいね。

「耳障り」の意味とは

  • 「耳障り」の意味とは

    「耳障り」の意味を理解しましょう

「耳障り(みみざわり)」とは、「聞いて気にさわること・不快に感じること、またそのさま」という意味があります。

たとえば「あの機械は、とても甲高い音がして耳障りだ」のように、音が不快であることを表すときに「耳障り」という表現を使います。

「耳障りがいい」は間違い? 「耳触りがいい」が正しい?

  • 「耳障りがいい」は誤用なのか?

    「耳障りがいい」は誤用なのかについて解説します

「耳障り」は不快な音に対して使われる表現ですが、「みみざわりがいい」という言葉を聞いたことのある人もいるでしょう。「耳障りがいい」という表現が間違いなのか解説していきます。

「耳障りがいい」は誤用

「耳障り」とは、聞いて気にさわることや不快に感じることを表す言葉のため、「耳障りがいい」は誤用です。

「耳障り」は、不快に感じる音や聞いていて不快な内容に対して否定的な意味で使われます。「耳障りがいい」という肯定的な意味で使うのは、本来の意味から考えると誤用です。

「耳触りがいい」は正しい?

「舌触り」「歯触り」といった言葉があるのと同じように、「聞いた感じ」や「耳当たり」という意味で「耳触り」という表現が使われることもあります。「聞いていて心地よい」という意味で「耳触りがいい」という表現を使う人も最近では少なくないですが、本来はこのような使い方はしません。「耳ざわり=耳障り」と捉えるのが一般的です。

世論調査では、「耳ざわりがいい」という表現について「おかしい」と思う人の割合が最近になるほど減ってきています。ただし、それでも半数近くの人は「耳ざわりがいい」という表現はおかしいと答えており、「耳ざわりがいい」は十分に浸透している言葉ではないといえるでしょう。

「耳ざわりがいい」の言い換え表現は?

前述の通り、「聞いていて心地よい」という意味で使用されることのある「耳ざわりがいい」という言葉ですが、違和感を抱く人も少なくないので他の言葉に言い換えた方が無難です。言い換えたい場合は、以下のような表現を使用しましょう。

  • 聞こえのいい
  • 耳当たりのいい

「耳障り」の使い方と例文

  • 「耳障り」の使い方と例文

    「耳障り」のくわしい使い方と例文を紹介します

実際に文章や会話のなかで「耳障り」を使うときの使い方や例文を紹介します。

「耳障り」の使い方

「耳障り」は、聞いて気にさわったり不快に感じたりすることやそのさまをあらわします。そのため、使う際には不快に感じるような否定的な音に対して使用します。

「耳障り」の例文

「耳障り」を使った例文は以下の通りです。

・静かに食事をしていたのに、隣の席に大声で話をする人達が来て、とても耳障りだった

・今日も隣のビルが工事をしていて、耳障りだ

・私の苦手な甲高い音がして、とても耳障りで気になってしまった

「耳障り」の類義語・言い換え表現

  • 「耳障り」の類語表現

    「耳障り」には多くの類語表現があります

ここでは、「耳障り」の類義語・言い換え表現を紹介します。

耳立つ

「耳立つ」とは、その音がとくに耳につくこと、不快に聞こえることという意味です。「みみだつ」と読みます。ほかにも聞いて心にとめる、耳にとまるという意味もあります。

【使い方・例文】

その音が耳立っていたため、仕事に集中できなかった

耳に障る

「耳に障る」は、「耳障り」と同様に聞いて不愉快に感じるという意味です。「耳に障る」は、漢字の印象からも「耳障り」の類語の雰囲気を感じ取れるでしょう。「耳に障る」には、耳にとまるという意味もあります。

【使い方・例文】

さっきからずっと耳に障る音がしている

耳に当たる

「耳に当たる」とは、聞いて不愉快に感じるという意味があり、「耳障り」の類義語として使用できます。「耳に障る」などと同様に、耳にとまるという意味もあります。

【使い方・例文】

昼頃からずっと下の階から耳に当たる音がしていて、なんだか疲れてしまった

「耳に逆らう」

「耳に逆らう」は、聞いて不愉快に感じる、またそういうことをいう、という意味です。聞いて不愉快に感じるという意味があるので、「耳障り」と同様の意味をもつ言葉として使えるでしょう。

【使い方・例文】

「忠言耳に逆らう」とはいうが、忠告はなかなか聞き入れてもらいにくいものだ

(「忠言耳に逆らう(ちゅうげんみみにさからう)」は、いさめる言葉や忠告は素直に聞き入れられにくいという意味)

「耳障り」の意味を正しく理解しよう

「耳障り」とは、聞くことで気にさわることや、不快に感じること、またはそのさまをあらわす言葉です。不快に感じる嫌な音に対して使われる表現であり、「耳障りがいい」は誤用です。

言葉の意味を正しく理解して、使いこなしていきましょう。