俳優の鈴木福が主演を務めるミュージカル『カラフル』のゲネプロが22日、東京・世田谷パブリックシアターで行われた。
世田谷パブリックシアターでは7月22日~8月6日に、直木賞作家・森絵都氏のベストセラー小説『カラフル』を原作として、アミューズと世田谷パブリックシアターの共同制作による新作ミュージカル『カラフル』を上演。人生を再挑戦する主人公“ぼく”役を鈴木福、主人公を地上でガイドする天使・プラプラ役を川平慈英が演じる。
「おめでとうございます! 抽選にあたりました!」 死んだはずの“ぼく”(鈴木福)の魂は、ガイド役の天使・プラプラ(川平慈英)に導かれ、自殺を図った小林真として人生の再挑戦をすることに。プラプラによって真が自殺した理由が説明され、アンラッキーな人生にショックを受ける。
そして、真の母(彩乃かなみ)、父(川久保拓司)、兄・満(百名ヒロキ)と向き合い、初恋の相手・桑原ひろか(菊池和澄)の知らなかった一面を知り、真と同じ美術部に所属する佐野唱子(加藤梨里香)から別人になっていると指摘され、早乙女くん(石橋陽彩)という友達ができるなど、さまざまな人たちと関わっていく中で、モノクロだった世界のイメージが少しずつカラフルな色に変わり始める。そして、“ぼく”の生前の罪が明らかになる。
ミュージカル初主演の鈴木は、歌を交えて“ぼく”の心情を表現。キレのあるダンスも披露した。プラプラ役の川平は陽気なダンスと歌で盛り上げ、“ぼく”を励ましていく役どころを熱演。クスッと笑えるやりとりも楽しめる。
家族4人の歌唱シーンでは美しいハーモニーで魅了。家族も同級生も一緒に歌う曲では、厚みのある歌声で心を揺さぶる。歌と踊りがふんだんに盛り込まれたミュージカルならではの『カラフル』に。もちろん作品に込められたメッセージもしっかりと届く舞台となっている。
ゲネプロ前に行われた取材会で、鈴木は本作の見どころについて「全部と言ったら全部なんですけど、音楽とともに一緒に乗ってくるメッセージ性もそうですし、登場人物たちの心情もそうですし、物語を音楽で届けられている感覚がこの作品は強いなと感じています。セリフでしゃべっているお芝居の部分もありますが、音楽やダンスはすごく見ていて心地のいいものがあると思います」と紹介。
続けて、「ラストにすごく面白い仕掛けがありますので、それを楽しみにしていただけたらと思います。見に来てくださった皆さんが思わず声を出してしまいたくなるんじゃないかなというものなので」とラストに自信をのぞかせた。
川平は、ラストをサッカー風に言うと? とむちゃぶりされ「クー! ゴール!」と表現。「わーお! っていうエンディングが展開される。最後に大きなおみやげが届きますのでぜひ見に来ていたただきたい。あれはもう特許とらないと。特許もんだ!みたいな(笑)」とアピールしていた。