岡山県といえばなにを思い浮かべるだろうか? きびだんご、マスカット、晴れの国……などもあるが、「桃」と答える人も多いはず。特に「白桃」は岡山県生まれの高級品種で、ほかの品種と比べて倍ほどの価格になるものも。
白桃はいまがまさに旬!
岡山県は「晴れの国おかやま」と呼ばれるほどに、肥沃な土地と瀬戸内海式の温暖な気候に恵まれた場所。そのため果物の生産に適しており、「くだもの王国」と呼ばれることもある。
中でも岡山県産ブランドの「白桃」は今が旬の果物。1つの品種の旬は短いと1週間、長いものでも3週間程度のため、6月中旬~8月のシーズン中は次々と品種を変えながら出荷している。
岡山県農林水産部農業研究所 樋野友之氏によると、都道府県別の桃の生産量では山梨県、福島県などに続いて岡山県は6位。決して生産量は多くないが、それでも「岡山県産の白桃」はブランド力でその名を全国に知らしめてきたという。
現在日本で栽培されている主要な桃は、岡山県で育成された品種の「白桃」から派生したといわれており、ルーツのもととなる存在なのだとか。
そんな白桃の栽培方法だが、実はかなり手間がかかっている。まだ雪が降る頃、つぼみの段階から摘蕾を行い、数を間引く。その後花が咲いたら人口受粉を行い、実が付いたら段階を経てさらに間引いていく。1本の樹に5,000個ほどあった実を最終的には1,000個ほどに間引くというからかなり減らしてしまうのだ。
もったいない気もするが、間引くことで残った実は大きく甘く育つのだという。その後はすべての果実に袋掛けを行う。岡山県は暖かい気候ゆえに虫や病気などが果実についてしまうこともあるため1個ずつの袋掛けは必須だ。しかしその数は何十万個にも及ぶうえに、樹の高いところは脚立にのぼって行うなどかなりの重労働。それでもベテランになると1時間で200枚もの袋掛けを行うことができるというからすごい。
その後はきめ細かな管理方法を経て、1つずつ袋を開き熟し具合を確認しながら丁寧に収穫していく。果実は柔らかく、桃同士が触れ合うと傷んでしまうこともあるため、かなり気を遣う作業だ。
そして最も果肉が柔らかく香りが良い美味しいタイミングに消費者の元に届くように出荷される。
果皮が薄く上品な雰囲気に加え、とろけるように柔らかく強い甘味とあふれる果汁の白桃はこの時期にしか食べることができないもの。中でも人気が高い「清水白桃」や「おかやま夢白桃」は高級果物専門店でも販売されるの存在となっている。
白桃を堪能できるキャンペーンが都内でも
岡山県まで行くのは難しい……という方でも白桃を味わうチャンスがある。東京・新橋駅前にある「とっとり・おかやま新橋館」では7月14日から「岡山白桃フェア」を開催しており、白桃をまるまる1個使用したパフェや、タルト・プリンなどが味わえる。
「白桃タルト」(1,200円)はタルトの中にプリン生地、生クリームをギュッと詰め、白桃が大胆にトッピングされている。生クリームの甘さと白桃の甘さのコントラストが感じられる逸品。
「白桃プリン」(900円)は桃の風味のプリン生地の上に桃のジュレとカットされた白桃をトッピング。桃風味のプリンというのが新しく、プリンとゼリーの中間のような味わいだ。
中でも目を惹くのは「岡山白桃パフェ2023~白桃まるごと贅沢一個使い~」(2,300円)。桃のジャム・ヨーグルトムース・フルグラ・桃のゼリーバニラアイスの上にまるごと1個分の白桃が使用されており、たっぷりと白桃の味を楽しむことができる。
都内では数多くの白桃を味わえるフェアが開催されている。たとえば8月2日〜8日までは新宿伊勢丹地下1階「フレッシュマーケット」では「岡山フェア」を開催。白桃やぶどうはもちろん、千屋牛・朝採れトウモロコシなど岡山県産品の販売が行われる。