エムアイセブンジャパン(MI7)は、米PreSonusが提供するDAW「Studio One」のバージョン6.2フリー・アップデートを発表した。また、PreSonusソフトウェア・ソリューションの全てを提供するメンバーシップ「PreSonus Sphere」が「Studio One+」と名称を変更してリブランディングされている。
Studio Oneは米PreSonusが提供しているDAW(Digital Audio Workstation)ソフトである。今回のバージョン6.2で追加された主な新機能および機能向上点は以下の通り。
- テイクとレイヤー機能の拡張
テイクとレイヤーのシステムが拡張され、迅速な編集とコントロールが可能になった。トリミング、レイヤー間のコンテンツのコピーや移動を含め、全てのツールを使用してレイヤー上のテイクの個別編集が行える。テイク/レイヤーメニューでは、内容が同じ場合、重複する項目が表示されなくなっている。新しい命名オプションは、代替バージョンをキャプチャし、グループ化された複数のトラック間であっても瞬時の切り替えができる。
- アレンジとエディターでの自動ズーム
自動ズーム機能を新搭載。ユーザーは臨機応変にウィンドウ設定を変更でき、タブレットのような小さな画面での操作性が向上する。自動ズームは、アレンジとエディターのコンテンツをあらゆるサイズの画面に合わせて自動的に表示変更し、ウィンドウ構成を変更したり調整したりしてもその状態を維持してくれる。水平方向にも垂直方向にも使用可能で、キーボードショートカットからのアクセスも可能。
- ARAとイベントFXの操作性を改善
オーディオイベント編集機能が向上し、ARA対応プラグインとの連携使用に最適化されている。ブラウザーの[エフェクト]タブに[イベントエディター]という新しいカスタムフォルダーが追加され、ARA対応の全プラグインをひとつの場所にまとめられるようになった。イベントFXではイベント・エディター・プラグインがハイライト表示され、他のエフェクトから分離されるようになっている。イベント・エディター・プラグインで処理されたイベントには、イベントFXを選択、追加、削除するための専用のイベントFXメニューが追加され、処理チェーンから特定のプラグインを簡単に削除できるようになった。
- ライブ通知の機能拡張
誰かがユーザーの投稿に「いいね!」や返信をした際、スレッドでユーザーが言及された際、共有ファイルにコメントが追加された際に、通知センターにコミュニティ通知が表示されるようになった。
- ミキシングと編集のワークフロー強化
ドラッグ&ドロップによるプラグインのコピーは、これまでもStudio Oneの特徴の一つだったが、バージョン6.2では、このワークフローにもう一つ時短効果が加わっている。エフェクトのインサートとセンドを、関連するオートメーション・データと一緒にコピーまたは移動できるようになり、この機能はプラグインのコピーと移動の両方で機能する。また、より一貫したトラックとチャンネルの動作も含まれており、これまでは、バス・チャンネルにリンクされたフォルダー・トラックを無効にすると、パッキングされているトラックはすべて無効になっていたが、バス・チャンネル自体は無効にならなかった。それが[トラックを無効化]コマンドを使用することで、リンクされているバス・チャンネルとそのインサート・エフェクトも無効化できるようになっている。フォルダー・トラックがバスまたはVCAチャンネルにリンクされている場合、ミュート/ソロ・ボタン+コマンドは、単にリンクされたチャンネルをコントロールする。さらにイベント範囲にクロスフェードを適用できるようになった。範囲ツールを使用して2つのイベントにまたがる範囲選択を作成し、「x」を押すとクロスフェードを適用できる。また、範囲を使用することで、イベント間の大きなギャップを閉じることが可能となった。
- ノート編集機能の強化
ノート・エディターの矢印ツールに[ベーシック]と[拡張]という2つのオプションが追加された[拡張]には、[ベロシティ]や[分割]など、ノート・イベントを編集するためのツールに追加されているスマート・オプションすべてが含まれる。[ベーシック]では矢印ツールが移動とサイズ変更に制限されるが、分割ツール、消しゴムツール、ベロシティには修飾キーで素早くアクセスできるようになっている。ノート・エディター内で音階を扱うときに、音階がハイライトされる機能は大きな時短となるだろう。音階フィルターが選択されアクティブになると、ノート・エディター背景で音階ピッチがハイライト表示され、音階上にノート・イベントを配置しやすくなる。音階を適用すると、ノート・イベントはドラッグ時にその音階に含まれるピッチに自動でスナップされる。そのほか、ノート・エディター内でノート・イベントに色を適用するさまざまな方法を提供。選択した音階以外の音符をハイライト表示する追加された新オプション[スケール]は、編集時に「その場にそぐわない」音符を識別するシンプルで効果的な方法となる。
そのほかの主な追加機能、改善された機能は以下の通り。
- マクロ・オーガナイザーとツールバーの強化
- スコア・ビューにおける歌詞の音符への割り振り
- ノート・イベントのサイズ変更時のオートメーション・ストレッチ
- 特定のテンプレートのカスタマイズ・プリセット
- テープスタイルのタイムストレッチの機能向上
- ハードウェア・コントローラーのMIDIクロック送信オプション
動作環境は以下の通り。
- Mac:macOS 10.14以降(64bit)、Intel Core i3プロセッサー以上(Apple M1/M2対応)、 4GB RAM(8GB以上推奨)
- Windows:Windows 10以降(64bit)、Intel Core i3またはAMD A10プロセッサー以上、 4GB RAM(8GB以上推奨)
- Mac/Windows共通:インターネット接続(インストールとアクティベーションに必要)、40GB以上のディスク空き容量、解像度1,366×768以上のディスプレイ(高DPI推奨)
Windows環境でタッチ操作機能を利用する場合は、マルチタッチ対応モニターも必要となる。