「東京キャンピングカーショー2023」(会場:東京ビッグサイト)でモスグリーンの塗装とログハウス風の車内がカッコいい軽キャンピングカーに遭遇した。三島ダイハツが展示していた「クオッカ」という車両だ。軽キャンパーにしては高価な1台だが、こだわりは? 話を聞いてきた。
地産地消を目指し富士ヒノキをふんだんに使用
ダイハツ工業の販売店である三島ダイハツ(静岡県駿東郡)が「ハイゼットトラック」をベースに自社で架装を手がけるオリジナル軽キャンパー「クオッカ」は2020年から販売中。車名はニコニコ笑顔で人気のあるオーストラリアの動物「クオッカワラビー」から名付けた。
白のイメージが強い商用車のハイゼットトラックを緑に塗装し、フォグランプベゼルの変更や足回りのフェンダー採用などによりタフな雰囲気に仕上げている。展示車両はホイールをRAYS、シートをレカロに変更するなど、かなり手の込んだ内容。ハイゼットトラックのカスタムカーとしても十分アリな1台だ。
こだわりを強く感じる内装は、木のぬくもりが感じられるログハウスのような作り。内装材に使っているのは三島ダイハツの地元・静岡県で採れる富士ヒノキだ。地元素材で作り上げる「地産地消」のクルマにしたいという思いから素材をチョイスしたそうだ。
車内は4つの「トランスフォーメーションボックス」とテーブルを組み合わせることでレイアウトの変更が可能。これが使い勝手向上のカギとなる「クオッカシステム」だ。
例えば中央のテーブルは足の部分が脱着式になっており、折りたためば大人2人がゆったりとくつろげる1,830mm×1,290mmのフルフラットスタイルに変更可能。テーブルとボックスの組み合わせ次第でワークスペースに変更することもできる。
左右のベンチシートは下が収納スペースになっているので、見た目以上に収納力がある。利便性も高そうだ。
今回の展示車両について担当者は、「外装色やシート、ホイールもそうですが、ここまでできますよというひとつの例として制作しています」と話していた。実際に売る車両については「お客様の要望をお聞かせいただき、できるものについては対応しています」とのことだった。
日常使いやアウトドアはもちろん、テレワークスペースとしても利用できる「クオッカ」。会場では多くの来場者から注目を集めていたが、半導体不足などにより本体車両の入荷状況が変動することから、納期はだいたい7カ月ほどを要しているという。