ビデオリサーチは7月19日、従来のテレビ視聴率に加え、コネクテッドTV(CTV)やPC・モバイル端末でのTVer、Amazon Prime Video、YouTube、Netflixをはじめとする動画配信プラットフォームの自宅内における利用実態の把握に向けた取り組みを開始することを発表した。2024年4月に関東地区にてβ版の提供を開始し、2025年10月から全国32地区で正式サービス化を予定している。

  • 視聴率調査の領域拡張

新たに提供を開始する動画視聴データは、ビデオリサーチがこれまで実施してきたテレビ視聴率調査の対象である世帯/個人の10,700世帯、約25,000サンプルのデータを活用。統計学に基づいた代表性のあるサンプルのため、世の中の動画視聴実態の把握が可能だとしている。

測定方法は、ビデオリサーチのテレビ視聴率調査対象世帯に対し、従来の視聴率測定機に加え、動画測定用のセンサーを新たに設置し、コネクテッドTVやPC・モバイル端末別での動画視聴を測定する。

テレビ視聴率調査による放送視聴状況とコネクテッドTVでの動画視聴状況を、調査対象サンプルごとに取得することで、放送と動画の視聴実態やその使い分けなど、視聴者の視聴行動を明らかにするとともに、個人が所有するPC、スマートフォン、タブレットなどの各種デバイスでの動画配信プラットフォームの利用実態も併せて把握でき、自宅内での動画視聴行動をより深く確認できるとしている。

テレビ視聴率調査は放送エリアに合わせた全国32地区で調査を実施しており、同データも同じ視聴率調査対象サンプルから取得するため、32地区個別での分析のほか、32地区を束ねて全国の視聴状況を算出することも可能だという。

なお、コネクテッドTVの利用実態について、現段階で測定可能な関東地区の692世帯/1,516人での分析・研究データによると、個人全体のコネクテッドTV利用可能割合は64%、1週間における動画視聴割合は25%。若い親子世代が動画視聴の中心となり、男女4〜12才で4割以上、男女とも35〜49才で3割以上が1週間以内にコネクテッドTVで動画視聴している。

  • コネクテッドTV利用可能割合と、コネクテッドTVでの動画視聴割合(1週間/1分以上視聴)

また、関東地区個人全体のテレビデバイス利用のうち、約75%は放送のリアルタイム視聴、コネクテッドTVでの動画視聴は6%であったという。

  • テレビデバイスの利用状況と動画配信プラットフォーム利用シェア