ヘルスケアテクノロジーズはこのほど、医師・看護師解説による「熱中症」における対処方法・予防方法について公開した。医師の加藤卓浩氏と看護師の松尾祐吾氏(同社所属)が、熱中症の予防方法や注意すべき点について解説している。
熱中症の症状
「熱中症」は、重症度や症状によって「軽症(熱失神・熱痙攣)」「中等症(熱疲労)」「重症(熱射病)」に分類され、それぞれに応じての対処方法が必要となる。
「軽症(熱失神・熱痙攣)」では、大量に汗をかくとともにめまい、立ちくらみ、顔色が悪い、こむら返り、筋肉痛などの症状が現れる。この場合の対処方法は、涼しい場所での水分補給となる。
「中等症(熱疲労)」では、全身のだるさ、脱力感、頭痛、吐き気・嘔吐、ごく軽い意識障害を伴い、病院受診が必要となる。
「重症(熱射病)」では、意識障害、反応が鈍い、言動がおかしい、けいれんといった症状をともない、汗はかいておらず、皮膚が乾燥しているのも特徴。この場合には、すぐに救急車を呼ぶ必要があるとのこと。
熱中症の予防方法
熱中症の予防には、「暑くなりにくい装い」「暑い場所や激しい運動を避ける」「冷房設備を適切に使用」「適度な休息と栄養」「体を暑さに慣らしておく」「発汗材料は水分と塩分」といった6項目がポイントとなる。
暑くなりにくい装いには、風通しの良いゆったりした衣服、吸汗・速乾性の素材の衣類、黒色系以外の熱・日光が遮断できる衣服が該当。日傘や帽子の利用も推奨される。
発汗材料である水分と塩分を摂るには、ノンカフェイン・ノンアルコールの飲料にて1日1.2Lを目標に、スポーツ飲料や経口補水液での塩分摂取も欠かせないこと。こまめな水分補給や起床・入浴前後での意識的な水分補給が重要となる。
また、朝食を食べずに寝起きの水分補給が疎かになりがちな人や、熱がこもりやすいベビーカー内の乳幼児にも注意が必要であるほか、熱中症への意識が薄れがちな室内での油断も厳禁となる。
熱中症のチェック項目
なんとなく体調が悪く風邪を疑う場合、実は軽い熱中症だったという事も考えられるほか、風邪に熱中症を合併したり、熱中症後に風邪を発症するというパターンもあり得るという。
チェック項目としては、「鼻水、せき、たん、のどのいわゆる風邪症状があるか?」「水分は取れているか?/尿は出ているか?」「どのような状況にいたか?(暑い環境だったか?周囲に同じような症状の人はいたか?)」といったものがあるとのこと。
同社が提供するヘルスケアアプリ「HELPO」の機能「健康医療相談チャットサービス」は、24時間365日いつでも医師や看護師、薬剤師などの医療の専門家にスマホのチャットサービスを使って、自身や子どもの症状や悩みを相談できるサービス。熱中症に特に注意が必要な現在は、専用の相談窓口も用意している。