俳優で歌手の山下智久が、5年ぶりとなるニューアルバム『Sweet Vision』を7月19日にリリース。8月11日より3都市6公演のアリーナツアーを開催する。2020年10月末で前事務所を退所し独立後、海外にも活躍の場を広げ進化を続けているが、今の音楽活動に対する思いとは――。ニューアルバムに込めた思いや、久しぶりのライブへの意気込み、俳優業と歌手活動の両立などについて話を聞いた。

  • 山下智久 撮影:加藤千雅

ニューアルバム『Sweet Vision』は、リード曲「Sweet Vision」、主演映画『SEE HEAR LOVE 見えなくても聞こえなくても愛してる』の主題歌「I See You」に加え、アジア各国で配信ストアチャート1位を記録した「Beautiful World」、Huluオリジナル『THE HEAD Season2』エンディング・テーマ「Dancing in a Dream」など、多くの話題を呼んだ楽曲を収録している。

山下は同アルバムに、明るい未来を描いていく力になってほしいという思いを込めたという。

「自分の人生を振り返ってみても、頭に浮かぶビジョンがすべての現実を作り出していくことにつながっていると思っていて。僕自身5年後、10年後の自分を常に思い浮かべながら行動しているのですが、応援してくださっている方やアルバムを聴いてくださった方が未来の明るいビジョンを描ける手助けになるような音楽を届けられたらという思いで制作しました」

山下が作詞を手掛けたリード曲「Sweet Vision」も、明るい未来を描いていきたいと感じさせる楽曲に。

「僕の理想を込めつつ、リアルも混ぜつつ、なるべく強く希望を抱ける自分でいたいという気持ちがあります。そして、未来が変わると過去が変わると思っているので、常に前に進んでいく力は忘れたくないという思いも込めています」

そして、「自分が心地いいと思う音楽」を作って届けたいという思いが強くなっていると語る。

「今の時代、流行はあってないようなものだなと。海外では昔のシティ・ポップがすごく取り上げられていたり、国によっても反応する曲が違ったり、もちろん世代によっても違うし、より正解がないという感覚があるので、シンプルに今の自分が心地いいと感じるものを意識しています。今の自分がほしいもの、それが僕の中でキーワードになっています」

また、コロナ禍で音楽の力を改めて感じたという。

「コロナ禍で音楽に励まされる瞬間を自分自身も体感できました。僕も含めて孤独な時期を過ごした人が多いと思うので、そういう背中を押してくれる音楽という存在が、前より自分の中では大きくなったような気がします」

そして、「ポジティブなほうが今の自分に合っている。暗い世の中だったので、少しでも光のほうを意識していけたら」と自身の音楽性について言及。音楽の幅を広げていきたいという思いもあり、本作でも新しい挑戦があった。

「バラード系は今まであまりやってこなかったので新しさがあるかなと。『I See You』は今までの自分の楽曲になかった曲だと思います」と言い、「可能性はできるだけ広げていきたい」と今後も自身の魅力を広げていきたいと語る。