自分が周りから「仕事ができない人だ」と思われていないか不安な人や、職場にいる仕事ができない人に悩まされている人は多いでしょう。
そもそも仕事ができない人とは、どのような人のことを言うのでしょうか。
本記事では仕事ができない人にありがちな口癖や、彼らに共通する特徴や性格を紹介。上司や同僚として、仕事ができない人にどう対応すればいいのかもまとめました。
仕事ができない人の口癖や話し方11選
仕事ができない人は、否定的、消極的だったり、後ろ向きだったりする発言が多いものです。
また仕事に対する責任感や成長意欲が感じられず、自分自身に対する強い保身が込められた言葉を口にすることが多い傾向にあります。
ここでは、仕事ができない人にありがちな口癖や口調を紹介します。自分が口にしていないか、確認してみましょう。
でも……
「でも……」から話し始めることは、前の話に対する否定を表します。
そのため「でも……」と話し始めると、相手の話を否定し「あなたの意見は間違っている」「聞き入れない」「今から私の話を始めます」という意味になり、相手を不快にさせてしまいます。
相手の意見に対して、何か明確な意見がある場合には「それでは」「それなら」と言い換えて伝えるのがおすすめです。
また「でも……」には「できない理由」を探すようなニュアンスもあります。例えば、上司から新しい仕事を依頼された際の返答に「でも……」と話し出すと、仕事の依頼は無理だと判断されます。
だって……
「だって……」から話し始めることも「でも……」と同様に前の話に対しての否定を意味します。これまでに失敗した経験や自信のなさが原因で、責任を負うことを避けたいというニュアンスも含みます。
また「◯◯さんがやってくれる」などの他人任せな表現、「~したはず」などの言い訳めいた表現も同じように、責任を避けたいというニュアンスが読み取れる言葉です。
ただし「だって……」には原因を追究する、自発的な意味合いもあります。そのようなポジティブな意味で、前の話に対する理由を話す際には「なぜなら」などと言い換えるといいでしょう。
無理です
上司からの指示や依頼に対して、その作業が「できるか」あるいはなぜ「できないか」ではなく、端から「無理です」と返してしまう人は、仕事ができない人だと思われます。
口癖として何度も「無理です」と言うことは、話をよく聞かずに話し掛けられること自体を拒否しているという意味合いに捉えられるためです。
ネガティブな言葉は周囲の人の意欲をそいでしまうだけではなく、自分自身で能力が低い、チャレンジ精神が無いとアピールすることにもなってしまいます。
スキルアップや評価アップのチャンスがあっても逃してしまう可能性があるため、できる状態にある仕事なのであれば、なるべく断らずにチャレンジすることをおすすめします。
忙しい
たとえ本当に忙しくても、「忙しい」と頻繁に口にすることはあまり好ましくはありません。「忙しい」は時間がないことを表す言葉のため、時間管理が下手な人だという印象になるためです。
口癖として頻繁に言うと、仕事ができていない言い訳や、ただの仕事しているアピールだと思われ、信ぴょう性を疑われます。
また「もう少し待って」や「手が離せない」なども、言い過ぎると同じ意味に捉えられやすい傾向にあります。
本当に忙しくて手が離せない際には、「忙しい」と伝えるだけではなく、なぜ忙しいのか、いつになれば手が空きそうかを簡潔に説明しましょう。
後でやります
仕事ができない人の多くは問題を先送りにするという特徴があり、トラブルが起きても「後でやります(対応します)」と、すぐに動きません。
もちろんいくつかのタスクを抱えている際には、優先度の高い順に片付ける必要があるため、後回しにせざるを得ない仕事や依頼はあります。
しかし「後で」が単に口癖になっている人は、今すぐにできることも後回しにする傾向にあります。
「めんどくさい」や「とりあえず様子を見ましょう」なども同じ意味を持つ言葉です。
今やろうと思っていた
仕事ができない人の口癖の中で、「今やろうと思っていた」は、往生際の悪い言い訳だと捉えられやすい言葉です。
「今やろうと思っていた」と口にしがちな人は、実際には受けた依頼や業務ができていないことを指摘されるまで、何もしていないことが多いと言えるでしょう。
「~すれば良かった」なども同様で、実際にはやっていないのであれば、口にしても意味の無い言葉です。
知りませんでした
何かを聞かれた際の返答として「知りませんでした」と返すことは、相手に「仕事への意識が低い」という印象を与えてしまいます。なぜなら「教えてくれない周りが悪い」という責任転嫁の意味合いが強いためです。
仕事に就いて日が浅い内は許されるかもしれませんが、頻繁に言う口癖となると、信頼度が低くなる可能性があります。自分から情報を取りに行く姿勢が大切です。
◯◯さんが言ってました
仕事ができない人は、自分で考えて行動することが苦手な傾向にあります。そのため、失敗をすると「◯◯さんが言ってました」と、責任を人になすりつけようとします。
また、人に言われたことしかできないため「言われた通りにしただけ」と開き直り、自分の失敗を認められません。
「◯◯さんのせいで」や、逆にやらなければならなかったことをやっていないときなどに「言われてません」と言うのも同じく、他人に責任をなすりつける言葉です。
分かりません
何かを質問、確認されたときに「分かりません」とだけ返答することも、「仕事に対する意識が低い」と思われやすいでしょう。
もちろん知ったかぶりをする必要はありませんが、聞かれたことについて分からない際には、「確認してからお答えします」「◯◯さんが詳しく知っていると思います」など、物事が前進するような発言が望ましいです。
疲れた
「疲れた」という言葉はネガティブな意味合いが強く、その発言を聞いた周囲の人のやる気までもそぐ可能性があります。
もちろん発言するタイミング次第では、ポジティブな要素を含みます。例えばチームで一丸となって手掛けていたヘビーな仕事が終わり、メンバー同士で「疲れたね」と言い合う場合は、場を和ませる効果や、達成感の共有などの効果があるでしょう。
しかし、単に口癖のように声に出すことは控えた方が無難です。本当に疲れていたとしても、頑張っているアピールだと捉えられることもあります。
また「寝てない」「眠い」なども同じ意味の言葉です。
辞めたい、転職したい
現実を受け止められないときや、嫌なことがあったとき、すぐに「辞めたい」という人は、逃げ癖があるという印象を与えてしまいます。
仕事ができる人は、口に出す前に「辞めたい」と感じる状況を改善しようとしますが、仕事ができない人は仕事や問題に向き合わず、愚痴を言っただけで終わる傾向にあります。そのため、周囲の人からは「また始まった」と思われてしまいます。
「転職したい」や「早く帰りたい」なども同じく、仕事に対して逃げ癖があるという印象を与える言葉です。
仕事ができない人の共通点とは? よくある特徴や性格を紹介
仕事ができない人は、時として周囲の足を引っ張ってしまうことがあります。そのため、周囲の人はストレスがたまり、職場の環境が悪くなる原因にもなり得ます。
ここでは、仕事ができない人の共通点や特徴、性格について紹介します。
同じ失敗を繰り返す
仕事ができない人の最も分かりやすい特徴は、同じミスを何度も繰り返すことです。
仕事をする上では、誰でもミスをするものです。しかし、ミスを次に生かせなかったり、同じ失敗を繰り返したりすると「学習しようという姿勢がない」「仕事覚えが悪い」と判断されてしまいます。
失敗をしたときは他責せず、自分の何が悪かったのか、どうすれば良かったのかを分析する癖をつけましょう。仕事を教えてもらってもすぐに忘れてしまう人は、メモを取ることをおすすめします。
スケジュール管理が苦手
スケジュール管理が苦手な人は、仕事ができないと思われます。なぜなら、納期を守れなかったり、アポイントメントに遅刻したりする傾向があるためです。
何でも「後でやろう」と思わずに、タスクの優先順位をつけながら、計画的にスケジュールを立てるようにしましょう。
整理整頓が苦手
デスクの上やパソコンのデスクトップがゴチャゴチャしている人は、仕事のタスク管理や段取りが苦手な人が多いです。デスクの上などが散らかっていると、必要な書類やデータがすぐに見つけられず、仕事の効率が下がったり、忘れやすくなったりするためです。
「大切な資料を渡したら無くされてしまうのではないか」「個人情報にまつわるセキュリティーは大丈夫だろうか」などと思われてしまい、信用を無くしてしまう原因にもなり得ます。
報連相ができない
報連相(ホウレンソウ)とは「報告・連絡・相談」の略語です。
報連相をすることで、情報共有や仕事内容の確認などができるので、業務を円滑に進めるためには欠かせません。上司に対してだけではなく、チームメンバーとの報連相も大切です。
報連相ができないとは具体的には、メールなどのレスが全体的に遅いことや、内容を理解する前に独自の判断で業務を始めること、スケジュールの遅延やミスを相談せずにギリギリまで隠していることなどを言います。
報連相ができない人はチーム全体を困らせることになるので、仕事ができない人だと認識されます。
受け身な姿勢
上司や周囲の人からの指示がなければ仕事ができない、自分からは仕事に関わらないような受け身な姿勢の人は、仕事ができないと認識されがちです。
もちろん、自分に与えられた裁量を越えて勝手なことをするのはよくありませんが、ただ指示を待っているだけだと、時間があるのに何もしていないと捉えられてしまいます。
仕事では積極性が求められることがあり、指示を待っている受け身の状態では、やる気がないと受け取られる可能性もあるでしょう。
もし手持ち無沙汰になったのであれば上司に対して、何かできることはないかと指示を仰いだり、やってみたいことがあるのだがやってもいいかということを聞いてみたりするといいでしょう。
プライドが高い
プライドが高い人は、自分自身を過大評価している傾向にあります。そのため、周囲の話やアドバイスを素直に聞くことができず、ミスや失敗の責任を人になすりつける特徴があります。
自分自身を過大評価することで、本当に自分ができる業務量を見誤り、締め切りに間に合わなくなることも考えられるでしょう。
多くの場合、仕事というものはチームで作業をするため、協調性のない人がいることは、仕事全体を滞らせる原因になります。
自分に自信が無い
自分自身を過大評価している人とは逆に、自己評価が低く、自分に自信がない人も、仕事ができない傾向にあります。
自分に自信がないため発言や態度がネガティブになりやすく、会社や同僚に対する愚痴や不満、悪口を言うことがあり、周囲の人を不快にします。
また、自信がないことでスキルアップのチャンスがあっても「どうせできない」と諦めてしまい、チャンスを生かせないこともあるでしょう。
仕事ができない人との接し方
職場に仕事ができない人がいると、周囲の人のモチベーションを下げたり、業務進行に影響が出たりします。そのため、仕事ができない部下にどのような接し方をすればいいか悩んでいる上司の方も多いでしょう。同僚の立場として、ストレスを感じている人もいるはずです。
ここでは、仕事ができない人への対応方法について紹介します。
報連相を促す
仕事ができない人にありがちな特徴には、報連相ができないことがあります。
具体的にはレスが遅い、返事を返さない、分からないことがあっても質問をしないなどが挙げられ、業務進行に影響があります。そのため報連相が苦手な人に対して、上司の方はこまめな報連相を促すことが有効な対処法と言えるでしょう。
またスケジュール管理が苦手な人に対しても、報連相を促し会話をすることで、スケジュールの見直しの提案や、不安、疑問の解消ができるでしょう。
特に人見知りのあるタイプや内気なタイプの人には、こちらから積極的にコミュニケーションを取り、困っていることがないかこまめに声を掛けましょう。
仕事内容を見直す
上司の方は、部下が一つの仕事ができなかったからといって、仕事ができない人だとは決めつけず、担当業務の見直しをするのもいいでしょう。今まで任せていた仕事の内容が、その人に合わなかった可能性があるためです。
スキルや経験を再度整理したり、本人や本人の前の上司へのヒアリングを通して能力を分析したりして、その人に合った仕事量や業務を割り当てます。その際、まずは簡単な仕事から任せてみるのがいいでしょう。
これらを実現するためには、普段から部下と積極的にコミュニケーションを取り、相談しやすい職場環境作りが重要です。
指示は的確に出し、感情的にならない
上司から部下へ、報連相を促し、普段からコミュニケーションを取っていても、部下が分からないことや指示を求めてきた際に威圧的に答えてしまっては台無しです。
分からないことや指示、仕事の進め方など、業務に不可欠なことは丁寧に、冷静に教えることが重要です。
威圧的な態度で後回しにされたり、適当に済まされたりすると、部下は次に分からないことがあっても「聞きにくい」「相談しにくい」「怒られる」「聞いても無駄」などと認識する恐れがあります。
部下を「仕事ができない人」にしているのは、上司である、あなたかもしれません。
常に感情的にならずに冷静に、的確に指示を出し、部下が気軽に質問をしやすい環境を整えましょう。
上司に相談する
あなたの部下ではなく、同僚や先輩が仕事ができない人であることもあります。
そのような場合は、一人で抱え込まずに、他者に相談しましょう。特に、上司から適切な指導をしてもらえるように頼むことをおすすめします。上司から指導してもらえば、素直に聞き入れてもらえる可能性があり、いざこざにもなりづらいためです。
上司などに相談する際は、その人のどういった部分が問題なのか、具体例を用意していくと話を理解してもらいやすいでしょう。
なお、もし自分の上司が仕事ができずに困っている場合は、上司の上司、または人事部などに相談してみましょう。
「仕事ができない人の口癖」をポジティブな言葉に置き換えてみよう
仕事ができない人の口癖はネガティブな意味合いが強いため、言った本人も耳にした人も良い気分にはなりません。そのため、ポジティブな言葉に置き換えて言ったり、聞いた側は脳内変換したりすると、ストレス回避につながるでしょう。
また、言い訳や自己防衛のための言葉を頻繁に使っている人に対しても「仕事ができない人」と安易に決めつけず、仕事の割り振りを変えたり指示の仕方に工夫をしたりして、うまく付き合っていきましょう。