Corsairは7月17日、Dropから「特定の資産を買収することで合意に達した」と発表した。The Vergeによると、対象となる資産は、カスタマイズ可能なメカニカルキーボードやキーボード用パーツを手がける「Drop」ブランド(前Massdrop)、Webサイト「Drop.com」、関連するスタッフと事業、コミュニティなど。

ユーザーの好みや目的に合わせてキースイッチやキーキャップ、機能、デザインを変更できるカスタム・メカニカルキーボードは、PCゲーマーに加えてリモートワーカーの利用も増えており、またBtoC(企業が一般消費者に商品やサービスを直接提供)の成長で様々なメーカーが台頭し始めたことで、市場が順調に成長している。メーカー間の開発競争も活発で、新しい技術や製品が次々に登場している。買収について、CorsairのCEOであるAndy Paul氏は「パーソナライズ・キーボードは、ゲーム周辺機器分野で最も急速に成長しているトレンドの1つです。Dropはこの分野におけるリーダーの1つであることを証明しており、Corsairのグローバルなフットプリントにより、Dropブランドが世界中で大きく成長することを期待しています」としている。

Dropは、サンフランシスコを拠点にメカニカルキーボードやオーディオ製品などを手がけるEコマース企業だ。コミュニティからのデータ、フィードバック、投票やディスカッションなどを徹底利用し、ユーザーのニーズに応える製品を開発・展開する事業モデルで、メカニカルキーボード、独自のキーキャップやスイッチ、ベアボーンパーツなどを提供してきた。メカニカルキーボード・コミュニティーで活動するキーキャップデザイナーとの共同開発製品、ロード・オブ・ザ・リングやMarvelを題材にしたライセンス製品も手がけ、さらに近年はデスクやワークスペース用のデザイナーズ製品、Battlestation(バトルステーション)製品にもポートフォリオを拡大している。

Corsairは2018年に買収したElgato(ゲームキャプチャ製品やコントロールインターフェイス・デバイスを開発・提供)と同様に、Dropも独立したブランドとして存続させる。Corsairの事業ネットワークを通じてDropブランドをよりグローバルに展開する一方で、Dropのコミュニティ主導の製品開発を維持し、カスタマーサポートにもDropのチームが直接対応するとのこと。