インテージは、全国の15歳から79歳の男女2,513人を対象に6月26日~6月28日に実施した夏休みに関する調査結果を公開した。
今年の夏休み期間(7月16日~9月30日)にかける予算の総額についてたずねた。平均金額は6万146円と昨年から約1万円の増加(前年比120%)となった。
予算が増える理由としては「コロナが5類になり心理的制限がなくなった」「3年間旅行を我慢していたので予算を増やした」などがあがった。一方で、「ガソリン代や色々な物価上昇のため(やむを得ず増やす)」といった回答も散見され、減る理由として数多くあがった「物価高で旅費を圧縮」「節約のため」とともに、予算が増える人・減る人両方の背景に昨今の物価上昇があることが浮き彫りとなった。
次に、夏休みをどう過ごすかについて複数選択で予定を確認したところ、最も多いのは「自宅で過ごす(38%)」、次いで「近場に出かける(24%)」となったがいずれもわずかに減少に転じている。
昨年から大きく増えた項目としては「海外旅行(2%)」。渡航先として多く回答があったのはアジア圏、その他アメリカ合衆国やヨーロッパなど遠方渡航者も。「国内旅行(宿泊あり)(19%)」、「国内旅行(日帰り)(11%)」もやや増加し、新型コロナウイルスの5類移行を受け「今年の夏はアクティブに過ごしたい」という層が一定いることが推察される。
海外旅行に関する意識を全員に聞くと、いずれも「不安がある」「やや不安がある」は合わせて過半数となり、「不安はない」「あまり不安はない」合計数を大きく上回った。先に示した自由回答から見て取れる費用の問題と併せて、海外旅行への抵抗感が依然ぬぐえない側面があることが、海外旅行回復の足取りを重くさせている要因かもしれない。
続いて、国内旅行(宿泊あり)ではどのような動きがありそうか、利用予定の交通機関を確認した。「自家用車(39%)」は昨年から6.2ptと大きく減少。増えたものとしては「新幹線(19%)」「長距離バス(4%)」など。長距離バスは2倍近い増加率となった。
また、飛行機利用に着目すると、「JAL・ANA(15%)」は1.4pt減少、一方「LCC(5%)」は1.5ptアップと、増加に転じました。節約志向の高まりや、お金をかける対象を精査する生活者意識が表れた結果と言えそうだ。
最後に、旅行を予定している人に、新型コロナウイルス再拡大が夏休み期間にあった場合、予定の中止や行き先・日程等の変更を検討するかどうかを確認した。結果、全体の4割近くの人が「中止・何らかの変更を検討」と回答。ポストコロナが進む中でも新型コロナウイルスがいまだ少なくない影響を生活者にもたらしていることがうかがえる。