国土交通省が都市鉄道の混雑率調査結果(2022年度実績)を公表。各都市圏の路線における最混雑区間の混雑率も公開した。熊本県では、JR九州の各路線(熊本方面)で混雑率が前年度を上回り、中でも豊肥本線は混雑率135%と、全国的に見ても高い数値を示した。
豊肥本線は肥後大津駅から熊本駅までの区間を対象としており、2021年度の混雑率は97%だった。2022年度の混雑率は135%と急増したが、輸送人員は2021年度の1,998人に対し、2022年度は1,836人に減少している。輸送力を見ると、2021年度は2,060人(7時35分から8時35分までの1時間に5本を運転。編成両数3.2両)とされていたが、2022年度は1,360人(7時58分から8時58分までの1時間に4本を運転。編成両数2.8両)で、約3分の2に減少。最混雑時間帯が変化したことに加え、最混雑時間帯の編成両数が減り、本数も少なくなったことで、豊肥本線の混雑が激化したと考えられる。
鹿児島本線も、八代駅から熊本駅まで2022年度の混雑率112%(2021年度は103%)、大牟田駅から熊本駅まで2022年度の混雑率102%(2021年度は95%)で前年度より上がったが、2022年度の輸送人員は八代駅から熊本駅まで826人(2021年度は1,405人)、大牟田駅から熊本駅まで1,099人(2021年度は1,162人)となり、両区間ともに減少している。
輸送力を見ると、八代駅から熊本駅まで2021年度の1,360人(7時39分から8時39分までの1時間で列車4本を運転。編成両数2.8両)に対し、2022年度は740人(8時6分から9時6分までの1時間で列車3本を運転。編成両数2両)で、半分近くにまで減少。大牟田駅から熊本駅までの区間も、2021年度の1,220人(7時10分から8時10分までの1時間で列車3本を運転。編成両数3両)に対し、2022年度は1,080人(7時25分から8時25分までの1時間で列車3本を運転。編成両数2.7両)で、1割強の減少となっている。豊肥本線と同様、鹿児島本線も最混雑時間帯が変化し、最混雑時間帯の編成両数と列車の本数が少なくなったことで混雑が増したと予想される。
一方、熊本市電は2021年度の混雑率116%、2022年度の混雑率86%に。輸送人員は2021年度1,615人、2022年度1,402人で減少したが、輸送力は2021年度の1,394人(7時30分から8時30分までの1時間で19本運転。編成両数1.2両)に対し、2022年度は1,636人(7時30分から8時30分までの1時間で23本運転。編成両数1.2両)となり、本数が増えたことも混雑緩和の一因となった。熊本電気鉄道は前年度と同じ輸送力で、輸送人員が増えたため、2022年度の混雑率は76%(2021年度は75%)となった。