脚本家の野島伸司氏が16日、東京・浜松町コンベンションホールで行われたABC・テレビ朝日系ドラマ『何曜日に生まれたの』(8月6日スタート 毎週日曜22:00~)の制作発表会見に登壇した。
今作は、『101回目のプロポーズ』『高校教師』『ひとつ屋根の下』など日本を代表する名作を多数生み出してきた脚本家・野島氏のオリジナル作品で、野島氏にとって5年ぶりの地上波連続ドラマ。27歳の黒目すい(飯豊まりえ)は、漫画家の父・丈治(陣内孝則)と二人で暮らす、ほぼ引きこもりの家事手伝いだ。彼女が部屋に閉じこもってから10年が過ぎた頃、丈治の連載の打ち切りが決定した。担当編集者の来栖久美(シシド・カフカ)は、生活のために「なんでもやります」とすがる丈治に、大ベストセラー作家の公文竜炎(溝端淳平)が原作を書き、丈治が作画を担当する、コラボを提案する。ジャンルは鮮烈でピュアなラブストーリー。公文からの条件はただひとつ、すいを主人公のモデルにすることだった。
野島は記者陣を見て、「あまり人に会うことがないので、こんなに人を見たら“人当たり”するんじゃないかなって」と不安げに話しながらも「働き方改革もある中、3連休の真ん中にありがとうございます」と気遣いを見せる。主演の飯豊については「高校生くらいのときにご一緒しましたが、『アルジャーノンに花束を』のときのビンゴ大会で景品が当たったんですよ』という話を今回して、縁がある人なのかなって」とコメント。溝端へは「昔舞台で一緒になったときはまだかわいらしい少年野球の男の子という感じでしたが、スキルを持って順調にお芝居を構築していて、いい状態にある。この役は難しい役なんですけど、フラットにかわいらしくときにかっこよくやってくれれば」とエールを送った。
また、今作について野島は「僕はどちらかというと今アニメの原作や漫画の原作、二次元のほうにいこうとしている部分があって、久しぶりに実写をやるのでまだ二次元が残っているんですけど」と、昨今二次元の仕事が増えていることから、自身でも作風にも変化を感じていると明かす。そして「コロナ禍では小さな子どもたちもマスクをして、体育の授業などの行動も規制されて、一番エネルギッシュな時期を潰されたと思います。子供たちは相対的な考えをしないので、こういうものかなって馴染んだりするんですけど。でも大学生はキャンパスに通えなくて何年間もリモート授業になって、想像していた華やかな大学生活を送れなかったことでそのまま退学してしまったりとか、引きこもりになってしまったとか」とコロナ禍で行動を制限された子どもたちや大学生の青春に思いを馳せ、「この数年間のキラキラした青春を送れなかった子に寄り添おうかなっていうのが最初の考えです」と作品に込めた思いを語った。