「Xperia 1 V」はソニーのフラッグシップスマートフォンです。これまでのモデルもカメラ性能には定評がありましたが、Xperia 1Vでは新型のカメラセンサーを搭載し、特に夜間など暗いシーンでの撮影に強くなっています。

  • 新型のカメラセンサーを搭載したXperia 1 V

カメラ部分はデザインも一新されています。今までは被写体との距離を測定するためのTOFセンサーをカメラ上部に搭載していましたが、それを廃止してAIによる測定へと変更されました。そのためカメラ周りのデザインもすっきりしています。写真撮影をいろいろと試してみましたが特にピントが合いにくいということはありませんでした。

  • カメラは上から超広角、新型センサーの広角、2段階の可変望遠と3つのみを搭載

本体を縦向きにしたときにカメラ系アプリのUIも縦になるようになりました。最近は縦動画を撮る機会が多いですし、縦に長い本体形状のXperia 1 Vは縦向きで写真が撮りやすく、縦UIは片手での撮影も楽になっています。顔ではなくモノにピントを合わせる「商品レビューモード」も縦向きで手軽に撮れるので、SNSにシェアする動画が撮りやすくなりました。

  • カメラのUIは縦向きにも対応。商品レビューモードで縦動画も楽に撮れる

Xperia 1 Vは側面にシャッターボタンがあるので、画面をタップしにくい状態でもシャッターを簡単に切ることができます。画面ロック状態からシャッターボタンを押してカメラを起動できるのも便利で、いちいちロック画面の操作も不要なので突然の撮影チャンスも逃しません。

  • 側面のシャッターボタンも便利。ロック画面からそのままカメラを起動できる

Xperia 1 Vの広角カメラが搭載する新型センサー「Exmor T for mobile」は、従来のカメラセンサーの設計の考えを改め、2層構造にしたトランジスタ画素の積層型CMOSイメージセンサーを搭載しています。前モデルよりセンサーサイズが約1.7倍に拡大されたことで、より多くの光を取り込むことができるのです。これにより夜景撮影性能がさらに高められているわけです。

  • Exmor T for mobileの搭載が夜景撮影性能を高めた

実際に海外渡航時に夜間撮影で使ってみました。いずれもナイトモードをONにしています。クアラルンプールの夜のペトロナスツインタワーの前でポートレート撮影風に撮ってみましたが、照明で照らされたビルと人物、どちらもちょうどいいバランスで写してくれます。背景ビルの下の建物のネオンサインもつぶれることなく文字もしっかり読めます。

  • 照明で照らされたビルの前でポートレート撮影

同じ場所の木陰で撮影もしてみました。前の写真よりもかなり暗い場所ですが。人物が暗くつぶれてしまうこともありません。またこの写真の雰囲気は実際の現場の明るさにかなり近く、中国系スマートフォンのカメラによくみられる、全体を大幅に明るく補正することもありません。たしかに人物はもう少し明るくAI補正されてもいいかもしれませんが、現場の雰囲気をそのまま撮影したい場合はXperia 1 Vの仕上げが最も自然と感じます。東南アジアを旅行しているイメージをうまく捉えられたと思います。

  • さらに暗い場所で撮影してみた。実際の現場の明るさに近いイメージで撮れる

ところでXperia 1 Vは「Xperia Pro-I」などで使える「Vlog Monitor+シューティンググリップ」が使えます。メインカメラで自分で写しているときや、撮影している被写体の人にライブプレビューを見せることができます。今回の夜景撮影の時など、被写体の人がプレビューを見ながら「もっと上半身だけ写るようにして」などとリクエストもしやすいわけです。このキットは若干、値が張るものの、Xperia 1 Vを活用するならぜひ使いたいものです。

  • Vlog MonitorとシューティンググリップをXperia 1 Vに取り付けてみた

こちらは台北での夜景撮影。ナイトモードではシャッターが切れるまで1-2秒かかるため、歩いている人などはブレてしまいますが、レンガの質感や建物の看板などはうまく写してくれています。

  • 歩いている人などはナイトモードではぶれて写ることもある

そして食事の撮影も気になるところですが、AI補正は適度に抑えられており「見たままを写す」Xperiaシリーズの仕上がりと感じます。やや暗い室内の火鍋店での撮影も牛肉の色合いは実物そのもの。明るい店内ではきれいな仕上がりです。

  • 台北で火鍋。食事の写真も悪くない

  • 明るい店内のデザート店での撮影。近寄ることでいい感じにボケる

フロントカメラを使ったセルフィーは美顔モードのON/OFF設定があるだけで、こちらはぜひ今後機能を強化してほしいところ。セルフィーはSNSでは必須ですし、せっかくいいメインのカメラを搭載しているだけに、ある程度の補正設定ができるようになってほしいです。

  • フロントカメラの美顔モードは細かい設定は無い

明るい場所での写真撮影であれば、ハイエンドモデルで大きな差がでることは少ないでしょう。Xperia 1 Vは暗いシーンでの撮影で新型センサーの威力を十二分に発揮してくれます。特に今回訪問した東南アジアでは照明が暗い場所も多く、Xperia 1 Vで日々楽しく写真撮影が行えました。スリムな本体も持ちやすく、Xperia 1 Vのカメラフォンとしての完成度は非常に高いと感じられました。

  • 夜景にも強いカメラはあらゆるシーンに対応できる