俳優の満島真之介が、NHKのドラマ『ふたりのウルトラマン』で第49回放送文化基金賞の演技賞を受賞し、13日、都内のホテルで行われた贈呈式で喜びを語った。
『ウルトラマン』を支えた金城哲夫氏と上原正三氏という沖縄出身の2人の脚本家のヒューマンドラマの同作。金城氏を演じた満島は、オファー受けた際に自身の子ども時代を思い出したという。
「小さい頃、妹が一つ下に生まれまして、僕の独り占めしていた母親が奪われまして、二段ベッドから(妹を)突き落として、妹は鎖骨を折ったんです。そのときに僕が手に握ってたのが、ウルトラセブンのフィギュアだったんですよ。そのときはまさか沖縄出身の金城哲夫さん上原正三さんという方が生み出したヒーローということを全く知らず、そして大人になるまで全く知らず、ウルトラマンの歌をみんな合唱したり、口ずさんでみたりしてたんです」
そこから年月が経ち、「34年ぐらいしか生きてなくて、復帰のタイミングで生まれてもいない。沖縄に生まれてはいるけども、沖縄をあまり知らない世代の僕と佐久本宝くんが、監督と共に復帰50周年というすごく大きな責任と、いろんな思いを沖縄の人への恩返しも込め、やらせていただきました」と、役に臨んだ心境を振り返る。
「僕は、常に誰かのヒーローになりたいなと思って生きてます」という満島。それは「僕のヒーロー」と慕う若松孝二氏、蜷川幸雄氏、大林宣彦氏という恩師たちから「お前はそのままの姿で立ち続けろ」と言われたことが大きいそうだが、「新しいヒーロー像を探し続けたときにこの作品のお話が来たので、もう即決で中江裕司監督と一緒に、沖繩からヒーローを生み出した金城哲夫さんに向き合いたいと思い、少ないスタッフの中で、頑張ってきました」と回想。
そして、「今日、監督とプロデューサーと一緒にここに立てることが何よりもうれしいです。そして僕自身、上原正三さん、金城哲夫さん、僕のヒーローでもある今までたくさん素敵な言葉をかけてきた監督たちに恥じないように、これからさらに前進していきたいと思います。僕は今日ここが新たなスタートラインになると思いますので、僕の活躍をこれからも期待していてください!」と力強く語った。
『ふたりのウルトラマン』は、ドラマ部門の奨励賞も受賞した。