大戸屋は、"ごはん処"、"おかず処"に続く"処"事業第三の柱として、新しい業態「蕎麦処 大戸屋」をスタートした。6月には東京都西東京市に「田無店」を、7月13日には神奈川県相模原市に「淵野辺店」をオープンしている。
定食を提供する「大戸屋ごはん処」と同様、素材と調理にこだわり、ひと手間を加えたメニューが揃う「蕎麦処 大戸屋」。注目のメニューを紹介しよう。
大戸屋が蕎麦屋を出した理由は?
定食の「大戸屋ごはん処」、惣菜専門店「大戸屋 おかず処」に続いて第三の柱としてスタートした「蕎麦処 大戸屋」。おいしい蕎麦が主役の定食を提供し、「お蕎麦のおいしさ」「おいしいお蕎麦の食べ方」を発見してほしいという思いでメニューを提供するという。
蕎麦は食物繊維やビタミンB群、ミネラルが豊富に含まれているだけでなく、ポリフェノールの一種である1種ルチンにより、血管の強化や高血圧の予防にも効果が得られる食材だ。また生活習慣病予防にも期待されている低GI食品でもある。
外食市場においても健康ニーズが高まるなか、日本で長く愛されてきた「蕎麦」を扱う事業は外食チェーンとしての将来性、また多様なビジネスチャンスがあると期待を寄せる。
「蕎麦処 大戸屋」注目のメニュー
「蕎麦処 大戸屋」では、蕎麦本来の旨味を味わえるシンプルな「ざる蕎麦」「かけ蕎麦」から、温かいつゆにつけて食べる「つけ蕎麦」や、具材と混ぜて食べる「まぜ蕎麦」をはじめ、様々な蕎麦の楽しみ方のバリエーションが揃う。
大戸屋の鶏つけ蕎麦(鶏あんかけ玉子とじ)
"大戸屋"の名前を冠する「大戸屋の鶏つけ蕎麦(鶏あんかけ玉子とじ)」(980円)は、鶏肉や玉ねぎを卵でとじた温かいあんかけつゆで食べる蕎麦だ。
店内で粉から製麺した蕎麦は、打ち立て茹でたて。ツルっとコシのある食感と、蕎麦の香り高い味わいは、とろとろのあんかけと好相性。
店内の奥には製麺室があり、タイミングによっては蕎麦を打つ様子も見られる。「大戸屋ごはん処」でも蕎麦を提供しているが、「蕎麦処大戸屋」では専門店としてこだわり抜いた「本格蕎麦」を提供する。
「大戸屋の鶏つけ蕎麦」のつゆには、鶏肉、そして大ぶりの長ねぎや玉ねぎがゴロゴロ。甘じょっぱいつけ汁に、冷たく締めた蕎麦をくぐらせて食べよう。つゆと具材を一緒に炊いているため、つゆにも鶏や野菜の旨味がしみている。
「大戸屋ごはん処」は健康的でおいしい定食が食べられるお店、という印象が強いが、「蕎麦処大戸屋」もまた大戸屋の系列らしくほっとする味わいのメニューだ。
他にも「豚肉の旨辛ラー油つけ蕎麦」(1,080円)、「牛モツの旨辛ラー油つけ蕎麦」(1,280円)といったピリ辛のつけ蕎麦や、「豚肉の和風カレーつけ蕎麦」(1,180円)、「ピリ豆乳坦々つけ蕎麦」(1,280円)と、季節を問わず楽しめるつけ蕎麦が揃う。
2種のそばつゆで味わう「ざる蕎麦」
「ざる蕎麦」「とろろそば」といった定番の冷たい蕎麦には、2種類のそばつゆが付いてくるのも「蕎麦処大戸屋」の特徴だ。
「ざる蕎麦」(650円)に添えられたそばつゆは、濃い色が「醤油かえし」を鰹出汁で割ったもの、淡い色が「ゆず塩かえし」を鰹出汁で割ったものだ。醤油のそばつゆは、出汁が香る王道の味わい。蕎麦の香りやおいしさをシンプルに楽しめる定番のつゆだ。
一方「ゆず塩かえし」のそばつゆは、「蕎麦処大戸屋」ならではの味。塩ベースのそばつゆを食べるのは初めてだったが、爽やかな柚子の香りとさっぱりとした塩味、そして出汁の風味をより強く感じられるクセになりそうなつゆだ。蕎麦を食べ終わった後も、そば湯で割って楽しめる。
「ねばねば野菜のばくだんまぜ蕎麦」
「大戸屋ごはん処」の定番メニュー「大戸屋ばくだん丼」のような一品が「ねばねば野菜のばくだんまぜ蕎麦」(980円)。
ラーメンの「まぜ蕎麦」のように、蕎麦と具材を豪快に混ぜて食べる「まぜ蕎麦」メニューのひとつである「ばくだんまぜ蕎麦には、とろろ、めかぶ、納豆、オクラのねばとろ食材がてんこ盛り。ねぎやシソの薬味と醬油ベースのつゆが絡み合って、ツルツルと食が進む、暑い時期にもぴったりな一皿だ。
他にも肉が入ったがっつり系の「四川風ピリ辛麻辣まぜ蕎麦」(1,080円)、梅だれが爽やかな「いろいろ茸と梅とろろのまぜ蕎麦」(980円)、大根おろしでさっぱりとした「たぬきまぜ蕎麦」(880円)も提供する。
ミシュラン一つ星"まつ井"の天ぷらをリーズナブルに
「蕎麦処大戸屋」の注目メニューは、蕎麦だけに限らない。アメリカの大戸屋がニューヨーク・マンハッタンで運営している天ぷら専門店「天麩羅まつ井」のノウハウを使った天丼と天ぷらも提供する。
この「天麩羅まつ井」は7年連続でミシュラン1つ星を獲得し続けている実力店。「蕎麦処大戸屋」では、この「まつ井の天ぷら」を提供するために専用フライヤーをオリジナルで開発するというこだわりようだ。
「まつ井」の天ぷらは天丼や蕎麦とのセットメニューで楽しめる。「"まつ井"天丼」(1,380円)は、海老、いか、鶏もも、茄子、舞茸、かぼちゃ、ししとうと多彩な天ぷらが載せられた一品。
薄い衣をまとった天ぷらは、ザクッ、サクッと音がたつほど。プリっとした海老やトロトロの茄子など、具材ごとにそれぞれ食感や味わいの違いが印象的。甘いタレがかかった天丼のご飯にも、さっぱりとした蕎麦のどちらにも合う天ぷらだ。また"まつ井"の天ぷらは天丼やセットだけでなく「天ぷら盛り」としてサイドメニューでも楽しめる。
「蕎麦処大戸屋」の店舗は、青梅街道沿いの田無店、国道16号沿いの淵野辺店ともにロードサイドに展開している。観光やビジネスドライバー、また近隣住民のファミリー層を想定した店舗やメニューを用意し、今後もロードサイドを中心に開業を進めていくという。