埼玉県の夏は暑さが厳しく、熱中症の危険度が高くなる。熱中症を予防するためには「暑さ指数」を参考に、激しい運動や炎天下での外出を控えるなどの対策が必要となる。そこで環境科学国際センターと県立大宮工業高等学校では、「インターネットにつながる暑さ指数計」を、県内24地点に設置。9月中旬まで、埼玉県気候変動適応センターのウェブサイト「SAI-PLAT」の暑さ指数情報発信ページでリアルタイムの暑さ指数を見ることができる。

インターネットにつながる暑さ指数計(呼称:IoT 暑さ指数計)

「暑さ指数」とは、人体と外気との熱のやりとり(熱収支)に着目した指標で、人体の熱収支に与える影響の大きい「①湿度、②日射・輻射(ふくしゃ)など周辺の熱環境、③気温」の3つを取り入れた指標のこと。

環境科学国際センターでは、低価格で既製品と同程度の精度を持つ、インターネットにつながる暑さ指数計(IoT 暑さ指数計)を開発。温湿度計と黒球温度計の値から暑さ指数を自動で計算し、インターネットを経由してリアルタイムで情報を提供する。

県立大宮工業高等学校によるIoT 暑さ指数計の改良

国の「マイスター・ハイスクール(次世代地域産業人材育成刷新事業)」に指定されている同校では、環境科学国際センターの研究員が講師となり、「地球温暖化の問題の解決に向けた課題研究授業」を行い、IoT 暑さ指数計の製作及びそのデータの解析をした。

今年度は、昨年度のデータ解析授業で明らかになった、強風時の黒球温度計の観測精度の課題を解決するために、同校が所有する金属3Dプリンターを利用し、黒球温度計の部品をピンポン球から金属球に改良、従来より精度の高いIoT 暑さ指数計を製作できたという。

観測網及び提供する情報として、県立高等学校等県内24地点に設置したIoT 暑さ指数計の測定結果を集約し、埼玉県気候変動適応センターのウェブサイトでリアルタイムの暑さ指数を見ることができる。

暑さ指数が28以上の場合は、日常生活におけるすべての生活活動において熱中症の危険性が高まり、冷房の利用や外出を控えるなどの予防対策が必要となる。熱中症予防のために活用してほしいという。

▼埼玉県気候変動適応センターのウェブサイト「SAI-PLAT」の暑さ指数情報発信ページ