ゴッホやゴーガン、スーラ、セザンヌらといった「ポスト印象派」と呼ばれる芸術家の作品を最新テクノロジーで描き出す没入型体験ミュージアム『Immersive Museum TOKYO 2023 “ポスト印象派” POST-IMPRESSIONISM』が東京・日本橋三井ホールにて開幕した。内覧会には公式アンバサダーを務める日向坂46の影山優佳さんが登場し、「昨年よりもさらにコンテンツが盛りだくさんになっている印象なので、きっと”ハマる”、”沼れる”絵画に出会えるはず」とアピールした。

絵画の世界にダイブする、没入型のアート体験

「Immersive Museum」は、世界的に著名な芸術作品を映像コンテンツ化し、壁面と床面をすべて埋め尽くす没入映像と音響による没入型アートエキシビジョン。昨年はモネらの「印象派」の画家が取り上げられていたが、今年はその印象派の影響を受けながらも個々の個性が光った19世紀後半の「ポスト印象派」の時代を取り上げる。

カーテンの向こう側は、まさに絵画の中の世界。入った時にはゴッホの「ひまわり」が一面に映し出されており、壁と床のすべてに投影されており、芸術に全身を包まれたような感覚に陥った。宵闇に美しく揺れる水面や青々と広がる緑、抜けるような青空などが空間いっぱいに広がり、額縁で隠された絵画の向こう側、まさに絵画の世界に深くダイブしているようだった。

肩を並べて描いていたというピサロとセザンヌ、共同生活を送っていたゴーガンとゴッホ、点描へのこだわりを引き継いだスーラとシニャックといった、共通点を持つ2人の画家の作品を同時に鑑賞できるシーンもある。似ているけれども、微妙なタッチ違いなども感じることができるのが面白い。

場面の切り替わりにおいても、波のように押し寄せる色の粒子、遠近感のある立体映像、迫ってくるような油彩のひと筆ひと筆など、目を見張るものばかり。足元からも広がる映像と音楽に身をゆだねられる心地よい時間を過ごすことができた。いわゆる普通の絵画展とは違った”没入型”の鑑賞スタイルを体験することで、今後のアート鑑賞の視点も変わるのではないだろうか。

また、こちらのイベントは撮影OKとなっている。さらに、より素敵なアート体験をしてほしいとの意図から、館内で4種類の生花販売も行なわれている。販売期間は10月29日まで(ひまわりのみ夏季限定で8月31日まで)で、平日17:30以降に来場すると、ひまわりの生花を一輪のブーケがプレゼントされるとのこと(数量限定、8月31日まで)。購入した花を会場に持ち込んで、よりアーティスティックな写真を目指して撮影してみてはいかがだろうか。

あのゴッホに自画像を描いてもらえる⁉

メインエリアの外では、「AIゴッホ」に自画像を描いてもらえる体験ブースも登場(1回500円)。真っ白なキャンバスの前にあるイスに座ると、しばらくしてキャンバスの隣にいるAIゴッホが筆を取り、鼻歌交じりに筆を進める。描き始めてからはあっという間に絵が出来上がり、完成した自画像は2次元コードを読み取ってスマホなどでダウンロードすることができる。

ちなみに、描き始めるタイミングはAIゴッホの気分次第なのか、合図などはない。イスに座ってゴッホの写真を撮ろうものなら、そのカメラを構えた姿をそのまま自画像にされてしまうので要注意だ。イスに座ったらおとなしく、一番いい顔をキープしておこう。

卒業間近の日向坂46・影山優佳が公式アンバサダーに

内覧会には、今回のImmersive Museumでアンバサダーを務めることになった日向坂46の影山優佳さんが登壇。監修の坂上桂子さんに鑑賞のポイントを学ぶ場面もあった。

  • 日向坂46の影山優佳さん

影山さんは昨年のImmersive Museumにプライベートで訪れており「今回、公式アンバサダーとしてこの場に立てることが嬉しいです」とあいさつした。音声ガイドの声も務めており、「お話を頂く1週間ほど前に、美術館の音声ガイドをやってみたいとたまたま話していたので、聞いたときは本当に驚きました」と念願の仕事だったと話した。

  • 監修の坂上桂子さん

「アートをもっと楽しむにはどうしたらいいでしょうか」という影山さんの質問に対し、坂上さんは「まずは自分の感性を大事にしていただくこと。歴史的な背景ですとか、いろいろな情報はあるんですけれども、最後は自分が感じることを大切にして、リラックスして鑑賞していただきたいです」とアドバイス。影山さんは「アートって鏡みたいな印象ですね。見たものをそのまま、という訳ではなくて、人によって歪んでいたり割れていたり……。現在の私たちや、それぞれの人の心の鏡のようなもので絵画を楽しむことができたら」と、自分の心を大切に鑑賞したいと述べていた。

『Immersive Museum TOKYO 2023 “ポスト印象派” POST-IMPRESSIONISM』は、10月29日まで、東京・日本橋三井ホールにて開催中。