近くにいるiPhoneユーザへ直接ファイルを送信できる「AirDrop(エアードロップ)」。日本では"エアドロ"と略称で呼ばれることもあるほど、利用する機会の多い機能です。iPhone同士だけでなく、iPadやMacといったApple製デバイスとワイヤレスでやり取りするときにも重宝します。
AirDropで送信するときには、[↑]ボタンをタップすると現れる共有シートで送信相手を指定します。連絡先に登録がある相手は、アイコンが写真付きで表示されますが、登録のない相手はグレー地に白で人の姿が描かれた簡素なアイコンで表示されます。この簡素なアイコンが「その他の人」です。
その他の人は、iOS 16.5.1の現在では原則表示されないはずの送信先候補です。AirDropには自分の存在を公開する範囲を設定する機能があり、以前は範囲を「すべての人」に設定していると、連絡先に登録のない相手からのAirDropも受け入れる仕様でした。初対面の相手と写真や連絡先情報をやり取りするには、便利な設定です。
しかし、知らないiPhoneユーザから一方的に写真が送りつけられる「エアドロ痴漢」と呼ばれる迷惑行為が問題視されたこともあり、iOS 16.2から「すべての人」に時間制限が設けられました。公開範囲に「すべての人」を選んでも永続せず、10分後には自動で「連絡先のみ」に変更されるようになったのです。
2023年7月現在、iOS 16を利用していてもiOS 16.2以降にアップデートしていないユーザは少なからず存在します。電車の中などある程度混雑した場所で、何度試してもAirDropの送信候補に「その他の人」が多数表示される場合は、たまたまアップデートを見送っている人が多いのでしょう。秋頃にiOS 17が公開されると、アップデートに踏み切る人が増えるでしょうから、そうなると「その他の人」が並ぶ光景を見かける機会は減りそうですよ。