2023年7月発売のG-SHOCK新製品を実機写真とともに紹介する。クリア液晶窓から回路基板が見える40周年記念モデル「G-SHOCK 40th Anniversary Clear Remix(クリアリミックス)」シリーズ」をはじめ、12年ぶりに復活した新生「MUDMAN(マッドマン)の「GW-9500」、世界限定700本のMR-G「FROGMAN(フロッグマン)」限定モデルと、話題作の数々を一気にお届けしよう。
機械式時計で目にするスケルトンモデルをG-SHOCKで! 40th Anniversary「Clear Remix」
新たに発表されたG-SHOCK 40周年限定モデルは「G-SHOCK 40th Anniversary Clear Remix」シリーズ。
ベースモデルには、オリジンのデザインを受け継ぐ「DWE-5600」、そして初代オリジン「DW-5000」、もうひとつの定番デジタル「DW-6900」だ。加えてアナデジコンビモデルでは、「GA-110」「GMA-S110」、「GA-2100」「GMA-S2100」といったように、ペアでも着用できるフルサイズとミッドサイズのモデルを採用した。
デジタルモデル「DWE-5640RX-7JR」と「DW-5040RX-7JR」、そして「DW-6940RX-7JR」は、ダイヤルの液晶窓から回路基板が見える、スケルトンLCDを採用。これにより、機械式時計で目にする「モジュールが見えるスタイル」をデジタル時計で実現した。
上記のデジタルモデルは、ガラス面に特殊な蒸着印刷を施している。正直、時刻視認性が高いとは決して言えず、かなり攻めたモデルだと思う。
が、G-SHOCKのインパクトあふれるキャラクター性と40周年のスペシャルモデルであること、時刻もよく見れば分かることを考えれば、これはこれでアリ! 視認性を重視するならほかのG-SHOCKを選ばばいい。ちなみに、LEDライトを点灯すると見やすくなる。
基板上にはワンポイントのGマークやG-SHOCKロゴ、チップ天面には40周年を示す4つの星が刻印されているなど、スペシャル感が満載だ。
「DWE-5640RX-7JR」のバンドは、12時側の短バンドにスライドスイッチ付きコンポジットバンド、6時側の長バンドにはメタル素材のシルバー駒とゴールドIP駒の組み合わせ。G-SHOCKのバンドの進化を実感できる「マルチマテリアルバンド」仕様となっており、これだけでも物欲を刺激する。バックルも、ヘアライン仕上げにG-SHOCKロゴや「SINCE 1983」のレター入りだ。
アナデジコンビモデルは液晶の視認性も良好……かと思いきや、なんとインデックスが透明! こちらもかなりの攻めっぷりだ。
デジタルモデルと同じように、ベゼル内部の耐衝撃構造が見えたり、サイドボタンがスケルトンボタン(「GA-114RX-7AJR」「GMA-S114RX-7AJR」)だったりと、見どころは多い。バンドには、メタル製の遊環に4つの星と「SINCE 1983」のレターが刻まれている。
さらに「DW-6940RX-7JR」、「GA-114RX-7AJR」、「GMA-S114RX-7AJR」のスケルトンケースには、初採用となる透明グラスファイバーダイアミドを使用。クリア素材もまた、本作でさらなる進化を遂げているのだ。
駆動はすべて電池式で、電波時計やBluetoothによるモバイル連携機能は搭載されない。各モデルとも機能と性能はベースモデル同様。
価格は、デジタルモデルのDWE-5640RX-7JRが33,000円、DW-5040RX-7JRが26,400円、DW-6940RX-7JRが22,550円。
アナデジコンビモデルはGA-114RX-7AJRが26,400円、GA-2140RX-7AJRが21,450円。ミッドサイズのGMA-S114RX-7AJRが26,400円、GMA-S2140RX-7AJRが21,450円。
そのほかの仕様などは別記事『G-SHOCK、内部パーツを見て楽しめるスケルトン素材の40周年記念モデル』もご覧いただきたい。
二層液晶を搭載して、帰ってきたぞ帰ってきたぞ「MUDMAN」
G-SHOCKのMASTER OF Gシリーズから、防泥構造を持つMUDMAN(マッドマン)がリニューアルして登場。前モデル「GW-9300」(製造終了)から実に12年ぶりに「GW-9500」として新生した。本作最大の特長は「二層液晶」と「トリプルセンサー」の搭載、そして防泥構造の進化だ。個人的には「カッコイイ」も加えたい。
カラーは3色で展開。ブラックの「GW-9500-1JF」、オリーブグリーンの「GW-9500-3JF」、オレンジの「GW-9500-1A4JF」をラインナップする。価格は各55,000円。
二層液晶は、写真のように上層のカラー液晶で十字の方位線を示し、下層の液晶で時刻や計測数値を大きく表示するレイヤー構造となっている。大きく分かりやすい表示は実用性が高い。
かつてカシオのアウトドアウオッチ「PRO TREK(プロトレック)」で人気を博した装備だったが、構造上どうしても時計が厚くなってしまうことから、近年では使われなくなっていた。しかし、進化した高密度集積技術で薄型化を実現、2022年登場のPRO TREK「PRG-340」に再び採用となり、ファンに歓迎された経緯がある。
ちなみに、「GW-9500-1A4JF」と「GW-9500-3JF」に使用されている反転液晶の二層液晶は初の試みだ。
今回のGW-9500も、薄型モジュールやカーボンコアガード構造、端面にカッティングを施した風防ガラスなどによって、薄型・小型化と高い装着性を実現。ケース厚は14.8mmと、前作の(二層液晶ではない)GW-9300の18.2mmから3.4mmもの薄型化に成功した。
ケース径は56.7×52.7mm、重さは108g。ケースとバンドの素材は、再生可能な有機資源のバイオマスプラスチック。ケーズバックは金属製で、方位磁針を持ったモグラが刻印されている。このモグラはMUDMANの伝統的なキャラクターだ。
また、GW-9300のセンサーが方位と温度を計測するツインセンサーだったのに対して、GW-9500は方位、温度、気圧/高度を計測できるトリプルセンサーを搭載。さらに、前作同様にタフソーラー駆動とマルチバンド6対応の電波時計も搭載している。
メインの防泥構造も進化。フロントボタンと3つのダイレクトセンサーボタンは大型で操作しやすく、泥水を排出しやすい形状を採用。ボタンをシリンダー型のステンレスパーツで保護し、シャフト部分にはガスケットを備えて、泥やホコリ、砂などの侵入を防ぐ。そのほか、フェイスを照らすスーパーイルミネーターも搭載した。そのほかの仕様などは別記事『G-SHOCK、二層液晶で方位が見やすい防塵・防泥構造の「MUDMAN」新ウオッチ』をご覧いただきたい。
「イエローフロッグマン」を想起させるMR-G FROGMAN限定モデル
MR-Gとして登場し、G-SHOCKファンを大いに驚かせた、そして大いに沸かせたFROGMAN(フロッグマン)「MRG-BF1000」。早くも、その限定モデルが登場。
限定モデル「MRG-BF1000E-1A9JR」は、FROGMANの誕生30周年とG-SHOCK 40周年のダブルアニバーサリーを記念するもので、世界限定700個の販売となる。初代FROGMAN「DW-6300」で初のカラーモデルとなった「DW-6300-9」がイエローであり、これが大人気だったことにちなんでイエローのフッ素ラバーバンドを組み合わせた。
パッケージには付け替え用のチタン製バンドが付属。バンドは駒ごとに深層硬化処理とDLC(Diamond Like Carbon)という二重の硬化処理が施され、高い耐摩耗性を持つ。バンド交換補助ツールも付属する。
ISO規格200m潜水用防水やBluetoothによるモバイル連携機能など、機能や性能はベースモデル同様。価格は770,000円。さらにMRG-BF1000用のオプションとして、交換用ウレタンバンドも発売される。こちらにも「MRG FROGMAN」の刻印入り交換補助ツールが付属。価格は38,500円。「MRG-BF1000E-1A9JR」のより詳しい情報については、別記事『G-SHOCK唯一のダイバーズウオッチ「FROGMAN」、30周年の限定モデル』(https://news.mynavi.jp/article/20230621-2710078/ )をご覧いただきたい。
近未来のテクノロジーとSFの世界観を表現した「Sci-fi world」シリーズ
「Sci-fi」(サイファイ)とは、Science Fictionの略で、いわゆる「SF」のこと。そんな近未来のテクノロジー科学の世界を表現したモデルが「Sci-fi world」シリーズだ。
ベースモデルは、アナデジコンビモデル「GA-B001」と、定番デジタルの「DW-B5600」、カプセルタフの「G-B001」の3機種。すべてBluetoothによるモバイル連携機能を搭載している。
カラーリングは、時計全体を未来的&科学的なイメージのホワイトで統一。ブルーやパープルをアクセントとした。確かに、このブラック内装とホワイト外装の組み合わせは、個人的にSF映画を連想する。いや、あくまで個人的にではあるが。
すべて電池駆動で、機能や性能は各ベースモデルと同様。価格は「GA-B001SF-7AJF」が20,900円、「DW-B5600SF-7JF」が16,500円、「G-B001SF-7JR」が18,700円。
MTG-B3000の本命か? 堅実さと個性を併せ持つ「MTG-B3000D-1A9JF」
メタル素材と樹脂素材を最適化して使用することで革新的な構造美を追究する「MT-G」。その最新作「MTG-B3000」は、カーボン強化樹脂ケースでモジュールを保護し、外側をメタルパーツで覆った「デュアルコアガード構造」をさらに進化させたモデル。これをべースに、新しいCMF(Color、Material、Finish)の表現を採り入れたのが「MTG-B3000D-1A9JF」だ。
ステンレスのベゼルは、ゴールドIPでコーティングしたのち、ヘアライン加工で仕上げ。その後、天面を再度研磨してステンレスを露出させるという手の込んだ加工を行っている。堅実なシルバーの正面顔と個性的なゴールドの横顔からは「真面目で手堅いけれど、そんなに単純じゃないよ」という主張が読み取れる。
バンドは、ステンレスとファインレジンで軽量化したレイヤーコンポジットバンド。風防は透明度の高いサファイアガラス。ダイヤルにはカシオ山形工場の微細加工技術による繊細な造形と蒸着加工を施し、高い質感に仕上げている。
機能面では、Bluetoothでスマホ用アプリ「CASIO WATCHES」に接続し、 時刻情報の取得や各種の機能操作を行うモバイルリンクに対応。マルチバンド6対応の電波時計、タフソーラー駆動、高輝度LEDライトなども備え、ベースモデルと同様に高い実用性を備えている。価格は143,000円。
「G-SHOCKのレディースモデル」という新しいポジションを築くか「GMD-S5600BA」
G-SHOCKのオリジン「DW-5600」を小型化・薄型化したモデル「GMD-S5600」をベースに、ワントーンの「くすみ系カラー」で仕上げたレディースモデル「GMD-S5600BA」シリーズが登場。ファッショントレンドを押さえた、カジュアルでスタイリングしやすいモデルだ。
グリーンの「GMD-S5600BA-3JF」、ピンクの「GMD-S5600BA-4JF」、パープルの「GMD-S5600BA-6JF」の3色をラインナップする。価格は各13,200円。
なお、G-SHOCKはこれまでミッドサイズモデルをジェンダーレスとして位置付けることが多かったが、近ごろは本作のように「G-SHOCKのレディースモデル」として方向付けることが増えたように思える。これは今後も注目したいポイントだ。