対話型人工知能のChatGPTが話題の昨今ですが、iPhoneで人工知能/AIといえば「Siri」。当初は人語を解する音声アシスタントとして登場しましたが、システムによる各種データの分析とそれに基づく推論など人工知能としての役割が大きくなり、わからないことはSiriに訊く・調べてもらうという場面が増えました。

写真アプリに搭載されている「画像を調べる」も、Siriに含まれる機能です。AI/機械学習の成果を駆使してアルバム内の画像を分析し、調べることができる被写体が含まれる画像には「i」ボタンに星が表示されますが、「設定」→「Siriと検索」画面にある「"調べる"に表示」スイッチをオフにしていると動作しません。

画像の「i」ボタンに星が表示されたからといって、確実に判定されたとはかぎりません。機械学習と呼ばれるだけに"学習"の成果が反映されるため、100%の精度で判定できるわけではないのです。

たとえば、動物。犬や猫といった被写体にされがちな動物はまだしも、ハムスターやウサギなど小動物は「i」ボタンに星が表示されないことがよくあります。ハムスターが猫に、ヤギが犬に誤判定されるなど、動物という大きな括りでは合っていても種の区別は苦手なようです。

有名建築物・観光名所などのシンボル的な建築物(ランドマーク)も、誤判定されがちです。東京タワーのような特徴的な建造物はさておき、五重塔などの仏塔や灯台などよく似た外観の建物は、苦手なジャンルといえそうです。

とはいえ、Siriは学習を続けています。「画像を調べる」機能も、iOS 16では鳥や昆虫を認識できるようになるなど、iOS 15で登場したときに比べ進化しています。ランドマークや動物を見分けるのは苦手かもしれませんが、植物のように判定精度が比較的高いジャンルもあるので、使える機能を使うというスタンスで臨みましょう。

  • 五重塔や灯台など、よく似た外観の建物は判定が苦手です(写真は興福寺の五重塔ではありません)