FacebookやInstagramなどを運営する米Meta(メタ)の新SNSサービス「Threads」が登場しました。1日で3,000万人が利用を始めたというThreads、どんな特徴を持つサービスなのか、早速使ってみました。

  • Instagramの新たなSNS「Threads」が登場。わずか1日で3,000万人が利用を始めたという。トレンドに乗り遅れないよう、使い始める方法やTwitterとの違いなどを頭に入れておこう

「Threads」ってどんなサービス?

ThreadsはMetaのサービスですが、基本的にはInstagramに付随するSNSと考えた方が良さそうです。App StoreやGoogle Playでのアプリ名は「Threads, an Instagram app」となっていますし、開発元も「Instagram」となっています。

  • App StoreのThreadsのページ。「an Instagram app」の文字が見える

すでにInstagramを利用している人であれば、そのままアカウントを連携する形ですぐにサービスが始められます。現時点では、Instagramアカウントがなければログインできないようです。

Instagramアカウントでログインすれば、そのままアカウントが作成されます。Instagramの表示名や自己紹介文をそのまま維持するかという選択肢もあり、フォロワーを継承するかどうかも選択できます。

  • 起動すると、Instagramでのログインが求められます

  • Instagramでログインすると、プロフィールのカスタマイズが可能。Instagramからの読み込みもできます。プライバシー設定で公開するか非公開にするかを選べるほか、既存のInstagramのフォロワーをすべてフォローするか、一部フォローするか、フォローしないかを選べます

Instagram側にもアカウントのメニューに「Threads」が現れ、ここからThreadsアプリのダウンロードも可能です。

  • Threadsの説明を読み、利用規約を読んだうえで参加します。右はInstagramのアカウントメニューで、「Threads」が表示されています

  • 表示されるのは、単なるチケットとダウンロードリンク。前日までは「午後11時」だった開始時間が、「午前8時」にいきなり変わっていました(左)。Instagram側からは、Threadsへの参加順が表示されます。2時間ほど遅れて作成したため、先に200万人ほどが参加していたようです(右)

すでにInstagramのユーザーであれば、アカウント作成に手間はありません。単にInstagramのデータで“ガワ”(見た目)を変えているだけだからです。InstagramのフォロワーがThreadsを始めていない場合は「待機」という形になり、Threadsを始めると自動的にフォローされます。

  • Instagramのフォロワーを継承すると、まだThreadsを始めていない人は待機中になります。「すべてキャンセル」を選ぶと、参加しても自動フォローはしなくなります

基本的には、ThreadsはInstagramの派生アプリという位置づけといえます。関係性を継承しつつ、Instagramではできなかった付き合い方をできるようにする、という形だと思われます。

タイムラインはズラッと投稿が並ぶ、一般的なSNSの体裁です。Instagramらしく時系列にはなっておらず、何らかのアルゴリズムに従って投稿が並んでいます。さらに、フォローしている人だけでなく、フォロー外の投稿も同列で並びます。このあたりはInstagramと同様で、さまざまなユーザーの投稿を楽しみたい人向きのSNSということでしょう。

  • Threadsのタイムラインには個別の投稿がズラッと並びます。フォローしていない人の投稿が並ぶのは賛否ありそう

投稿は「スレッド」という名称です。新規投稿時はテキストや画像、動画を添付可能。文字色やサイズの変更もできず、画像や動画も編集できません。Instagramは投稿時に画像の補正や編集ができましたが、Threadsの場合はあらかじめ別のアプリなどで作業が必要です。

  • スレッドの投稿画面。シンプルで、動画や画像の添付(クリップのマーク)も可能(左)。iOSアプリは、改行を3回押すとスレッドがつながって複数のスレッドを同時に投稿できます(中央)。Androidアプリだと、「スレッドに追加」をタッチすると次のスレッドがつながります(右)

これがInstagramとの違いとして予定通りなのか、機能追加が間に合っていないのか分かりません。ただ、どちらにしろさすがに機能不足なので、後日機能追加や改良が施されるのではないでしょうか。

投稿時は、そのスレッドに返信できる人をすべての人、フォロー中のプロフィール、メンションのみという3種類から設定できます。ちょっと表現が分かりづらいのですが、「プロフィール」は単に「ユーザー」ぐらいの意味のようなので、「投稿者本人がフォローしているユーザー」だけが返信できるパターンと、「投稿者本人がメンション(返事)をしたユーザー」だけが返信できるパターンが選べるようです。

  • スレッドに返信できる人を選べます。このあたり、最初から著名人やコメントが多いユーザーをターゲットにしている印象です

投稿に対するコメントといいねでコミュニケーションするというInstagramとの違いで、双方向のコミュニケーションを想定しているからこその機能でしょう。

投稿されたスレッドに対しては、テキストや動画像を添付した返信ができるほか、いいねや再投稿(Twitterでいうリツイート)、引用が可能。こうしたところはTwitterっぽいコミュニケーションのやり方です。投稿の編集はできませんが削除は可能です。

ユーザーに対しては、ミュートや制限(お知らせが届かなくなる)、ブロックといった操作も可能です。このあたりは一般的なSNSの使い方と変わりません。

Threads内だけでなく、Instagramのストーリーやフィードにスレッドを投稿する機能や、Twitterなどにシェアをすることもできます。Twitterへのシェア機能はスレッドメニューから一発で呼び出せて、iOSアプリだとスレッド内のテキストがツイートとして共有され、さらにスレッドへのリンクが添付された状態になります。

それに対してAndroidアプリだと、Twitterへのシェア機能だとテキストはシェアされず、単にスレッドへのリンクが張り付けられるだけになります。Twitter以外のアプリにはOS標準のシェア機能が利用でき、Androidアプリだとこれでテキストもシェアできます。逆にiOSのシェア機能だと、単にリンクだけがシェアされる、という真逆の動作をします。

  • 個別スレッドの下にあるハートがいいね、吹き出しが返信、矢印が再投稿、最後の三角のマークが共有です(左)。右は共有機能のメニュー。上の2つはInstagramへの投稿。これはAndroid版で、なぜかiOS版はこれが英語になっており「Add to story」「Post to feed」となっています。その下がツイート機能(右)

恐らくバグなのだろうと思うのですが、こうした謎の動作は他にもありそうです。まあ、スタートしたばかりということで、順次解消されていくでしょう。その代わり、一斉にユーザーが拡大し、スタート2時間で200万、4時間で500万、7時間で1,000万の大台に乗ったにもかかわらず、サーバーのダウンや新規ユーザーの制限などの問題は発生していません。

  • Metaのマーク・ザッカーバーグ氏が、開始後4時間で500万ユーザーと投稿したスレッドを引用したところ。このような表示になります

  • Twitterにシェアしたときの表示。画像はリンクになって直接Threadsにアクセスしないと内容が分かりません。PCでもリンクをクリックすれば内容を見ることはできますが、コメントなどはできません

6日23時スタートが予告なく6日8時(日本時間)に前倒しになり、登録ユーザーが多少分散したのかもしれませんが、それにしてもこのあたりは十分に準備されて提供開始になったようです。

現状、機能としてはシンプルで、画像や動画もあくまでテキストメッセージの補助的な位置づけでしょう。その意味では「Twitter互換」サービスともいえますが、Instagramがこうしたサービスを提供する意味を考えると、現状のままでは物足りないところでしょう。

現状、iOSとAndroidアプリからしか利用できず、PCからは自分の投稿を確認することだけしかできません。Twitter互換になるためにはまだまだ足りない機能もありますし、Instagramと連携するにも足りない機能がたくさんあります。

今後、Instagramがどのように成長させていくのか注目したいと思います。