これから迎える夏本番、エアコンの稼働が増える一方、電気代高騰は頭を悩ます問題のひとつですよね。「使い方の工夫で少しでも節約したいけど、節電ポイントがよくわからない…」という方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、空気のプロ・ダイキン工業にお話をうかがい、節約しながら賢くエアコンを使う方法を教えてもらいました。この夏のエアコンの使い方の参考にしてみてください。

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Q1.節電しながらエアコンを使うための「おすすめの設定」を教えてください

■風向き設定は"水平"がおすすめ

冷房時、エアコンの風向は水平にすることをおすすめしています。また、空気清浄機やサーキュレーター、扇風機などを使って室内の空気を撹拌することもおすすめです。

暖かい空気は上昇する性質があるため、夏場の室内は、天井側と床側の空気の温度差が生じ、「温度ムラ」が起きやすくなっています。

エアコンは一般的に、天井付近に設置された室内機で室温を検知しているため、冷房運転時に「温度ムラ」があると室内がまだ設定温度に達していないと判断します。こうした場合、必要以上に運転してしまうこともあり、消費電力や電気代の増加にもつながります。

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■風量設定は"自動"がおすすめ

風量を弱めに設定するとファンの回転音が静かで節電になるイメージがありますが、室内が設定温度に到達するまでに時間がかかり、その分、無駄な電気代がかかってしまうこともあります。風量は自動にしておくと効率的です。

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■設定温度は1℃上げるごとに、約10%の節電効果が

一般的に設定温度を 1℃上げると、設定変更前より約10%の節電効果があるとされています。環境省が推進するクールビズでは、室温28度を目安とした設定温度を推奨しています。また、体感温度は人によっても異なることから、室内にいる方の体調等を考慮しながら無理のない範囲で冷やし過ぎないことも呼びかけています。

Q2.サーキュレーターと併用することで節電につながりますか?

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■サーキュレーターを併用する際は"置き場所"に工夫を

サーキュレーターや空気清浄機を併用することで節電にも繋がります。エアコン使用時には常に併用していただくことをお勧めします。

「風量」の設定のポイントでもご説明の通り、暖かい空気は上昇する性質があり、特に夏のお部屋は天井付近と床付近の空気の温度に差が出る「温度ムラ」が起こりやすくなります。そのため、サーキュレーターや空気清浄機で気流をコントロールし、「温度ムラ」を抑えることをお勧めします。

ポイントは、"エアコンの風向"と"サーキュレーターや空気清浄機の置き場所"です。エアコンの風向を水平にし、サーキュレーターや空気清浄機はエアコンと向かい合わせに置き、ななめ上・天井方向に風を向けてください。室内の空気を撹拌することで、「温度ムラ」が抑えられ、ムダな電力消費の抑制につながります。

Q3.室外機の環境も節電に関係すると聞きますが、本当ですか?

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■室外機は直射日光を避ける工夫を

室外機は直射日光があたる場所に設置されることも想定して作られていますが、できるだけ日陰に設置するか、室外機から1mほど離れたところに植木を植えたり、よしずをたてかけたりするなどして日陰を作ってあげるのも節電の工夫のひとつです。

また、室外機周辺の風通しを確保するのも大切です。定期的なフィルター掃除とともに、室外機周辺の整理整頓にも取り組んでいただければと思います。

ダイキンが行った実験では、約3年分のホコリが溜まったフィルターのホコリを取り除いてキレイな状態にし、さらに室外機周辺の障害物を片付けて風通しも良くすると、1ヵ月あたりの電気料金1,720円の削減に繋がりました。

Q4.節電につながる「エアコンの選び方」を教えてください

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■本体価格だけではなく、電気代(ランニングコスト)も併せて検討を

新たにエアコンを買い替える際には、機種による電気代の差を計算し、この先10年使うことを考えながらトータルの電気代を考えることもお勧めします。

省エネで快適な機種はエアコン本体の価格が高いことが一般的ですが、10年分の電気代もあわせて考えた場合、省エネ性や快適性が標準的な機種とあまり変わらない出費で買い替えられることもあります。

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■部屋のサイズに合った容量のエアコンを選ぶことも大切

部屋のサイズに合わないエアコンを使っていると、快適になりづらかったり、電気代の増加につながりやすくなったりします。お部屋にあった容量を選ぶことが大切です。

エアコンはスイッチを入れた後、設定温度を目指して室温を大きく変化させ、設定温度に到達すると室温を維持する運転を続けます。室温を大きく変化させている際の電力消費は比較的大きく、室温を維持する際の電力は少なめです。

部屋のサイズと比べて小さいエアコンを使用すると、室内が設定温度に到達するまでに時間がかかり、その分、多くの電力消費につながります。

反対に、部屋のサイズと比べて大きいと、室温がすぐに設定温度よりも低くなることでエアコンが停止することがあります。エアコンが停止した後は室温が上がるため、エアコンはまた運転を開始し、再び設定温度より低い室温にしてしまい停止します。こうした運転が続くことで、エアコンのオンオフを繰り返したような状態となり、消費電力の増加につながります。

エアコンは、表示されている適用畳数をご確認頂き、選んで頂くことをお勧めします。


「節電」と聞くとなんとなく我慢をイメージしてしまいますが、節電=部屋を効率的に冷やすということで、快適さも同時にかなうんですね。できるコツから取り入れて、なるべく電気代を抑えた賢い使い方で夏を過ごしていきましょう!

取材協力:ダイキン工業

ダイキンは、「空調」「化学」「フィルタ」を柱に事業を展開しています。人と空間を健康で快適にするために、国や地域ごとに異なる文化・価値観から生まれるニーズに応え、多彩な製品とサービスをグローバル市場で展開しています。