今回は、「お待たせしました」の敬語・言い換え表現を紹介します。使い方・例文や返事の例文、「遅くなりました」との使い分けなども解説するので、接客やビジネスシーンで参考にしてください。

「お待たせしました」の意味とは

  • 「お待たせしました」の意味とは

    「お待たせしました」は「待たせたことをお詫びする」意味があります。

「お待たせしました」は、待たせたことを詫びる意味を含む挨拶のフレーズです。

予定の時間を過ぎてしまったとき、想定よりも時間がかかってしまったときなど、相手に待ってもらったケースで使用します。

会社の式典における使い方を挙げると、式典前に不具合が起きて開始時間が遅れてしまったとき、「大変長らくお待たせしました」の一言があれば、参加者は遅くなってしまったことを咎めたり追及したりしないでしょう。

このように、「お待たせしました」を使うことで、相手を待たせてしまったことに対する謝罪の気持ちを表せます。

「お待たせしました」は敬語表現?

「お待たせしました」は敬語表現のため、目上の人やお客様などへ敬意を表したい場面で使用できます。

「お待たせしました」には「待たせたことを謝る気持ち」が含まれているため、謝りたいシーンで使用できます。より深く謝罪の気持ちを表したいときには、「大変」という言葉を付け加えるケースもあります。

より深刻な場面では、「大変お待たせいたしました、申し訳ございません」とストレートな謝罪の言葉を添えるとなお良いでしょう。

「お待たせしました」の敬語表現・丁寧な言い換え表現

  • 「お待たせしました」の敬語表現・丁寧な表現

    「お待たせしました」の丁寧な表現を紹介します。

「お待たせしました」には、さらに丁寧な表現があります。

「お待たせいたしました」は、「お待たせしました」と比べて、より敬意を表せる表現です。また、「お待たせしてしまい申し訳ございません」とすると、謝罪の気持ちを強く表現できます。

ここでは、これらの表現について詳しく解説します。

お待たせいたしました

相手に敬意を払う気持ちが強くあるときは、「お待たせいたしました」を使うことがおすすめです。これは二重敬語に当たらない正しい敬語表現とされています。

例えば、目上の人が多く集まる場で「お待たせいたしました、こちらが本日の流れです」と言えば、相手に敬意を払っていることが伝わります。このように、「お待たせいたしました」を用いることで、お詫びの気持ちや敬意を表せます。

お待たせしてしまい申し訳ございません

「お待たせしてしまい申し訳ございません」は、待たせていることを相手に謝りたいときに使える表現です。

お客様への対応が遅れてしまったとき、「お待たせしてしまい申し訳ございません」と最初に伝えることで、遅くなってしまったことを謝罪できます。

敬意と謝罪を同時に強く表現したいときには、「大変長らくお待たせいたしまして、誠に申し訳ございません」とすると良いでしょう。

接客でも使える! 「お待たせしました」の使い方・例文

  • 「お待たせしました」の使い方・例文

    「お待たせしました」の使い方を紹介します。

「お待たせしました」の意味について解説しました。

ここからは、「お待たせしました」の使い方について、シーン別の例文とともにご紹介します。

  • お待たせしました、私が担当の鈴木と申します

ビジネスシーンでの例文です。「お待たせしました」は相手に待たせたことを謝罪する挨拶のため、このように取引相手との初顔合わせの際に、第一声として便利に使えます。

  • お待たせいたしました、ご注文いただいたスペシャル定食はこちらです

お客様に接客するシーンでの例文です。「お待たせしました」は相手への敬意を含む表現のため、接客時にも使用できます。飲食店に行くと耳にすることが多い表現といえるでしょう。

  • お待たせいたしました、例の案件をまとめましたのでお使いください

「お待たせしました」は、ビジネスにおいて口頭だけでなくメールでもよく使う表現です。相手への敬意を表しながら、仕事を円滑に進められます。

「お待たせしました」を使うときの注意点

  • 「お待たせしました」を使うときの注意点

    「お待たせしました」が不適切な例の説明です。

「お待たせしました」は便利な表現ですが、使うシーンや相手によっては不快な思いをさせる可能性があります。

提出期限を過ぎてしまった場合、上司への適切な言葉は何でしょうか。「お待たせしました、会議書類を提出いたします」と「遅くなりました、会議書類を提出いたします」では、後者が無難といえます。

前者の場合、相手によっては「待たされた」と不満に思わせてしまうことがあるためです。詳しくは後述します。

「お待たせいたしました」と「遅くなりました」の使い分け

  • 「お待たせいたしました」と「遅くなりました」の使い分け

    「お待たせしました」と「遅くなりました」を使い分けるポイントについて説明します。

ここでは、前述の「お待たせしました」と「遅くなりました」を使い分けるポイントについて具体的に解説します。

「お待たせいたしました」と「遅くなりました」を使い分けるポイントは、「相手が待つことに積極的かどうか」です。

簡潔に説明すると「心待ちにしている」場合は「お待たせしました」、「仕方なく待っている」場合は「遅くなりました」がおすすめです。例えば以下のように使い分けます。

  • お待たせしました、ご注文の品です

  • 遅くなりました、資料を提出いたします

ただし、どちらも相手が待たせられている状況に変わりはありません。敬意やお詫びをしっかりと表すことが大切です。

「お待たせしました」と言われたときの返答・返事の例

  • 「お待たせしました」と言われたときの返答例

    「お待たせしました」の返答例を紹介します。

「お待たせしました」「お待たせしてすみません」と言われたときは、その場に応じて返答するようにしましょう。何も反応がない場合、気分を害したと思われてしまいます。

急いでいないときは、遅れを気にしない旨を、待たされている場合も控えめな返しがスマートです。例えば以下のように使用します。

  • 大丈夫です。ご対応ありがとうございます。

  • 完成を楽しみにしております。

  • 承知しました。よろしくお願いします。

  • よろしければ明日までに返答をいただけますと幸いです。

「お待たせしました」の使い方を覚えておこう

  • 「お待たせしました」の使い方を覚えておこう

    「お待たせしました」の使い方を覚えておこう

「お待たせしました」は、一言で「待たせてしまって申し訳ない」ことを表す敬語表現です。シーンに応じて言い回しを変えることで、よりはっきりとした敬意や謝罪を相手に伝えられます。

目上の人に対して用いても失礼にならないため、ビジネスシーンや日常などさまざまな場面で便利に使えます。

「お待たせしました」の正しい使い方・注意点をおさえて、適切に使えるようにしましょう。