5月31日、6月1日に行われた第81期名人戦の第5局で、挑戦者の藤井聡太竜王が渡辺明名人に勝ち、名人位を獲得。その後も熱戦が繰り広げられています。そこで今回は、藤井聡太七冠のこれまでの歩みをデータを使って振り返ってみたいと思います。
藤井聡太のタイトル戦 対局場マップ
※以下の冒頭の数字は対局場マップの丸数字と対応しております。
例:1)は地図上の①
※タイトル戦予定地での祝賀会や、一般公式戦、イベント対局は含まれておりません。
※2023年の棋聖戦、王位戦は戦前に対局が確定している分のみ掲載しております。
【2020年】
1)棋聖1 6月8日 東京都渋谷区「将棋会館」 〇
1)棋聖2 6月28日 東京都渋谷区「将棋会館」 〇
2)王位1 7月1日 愛知県豊橋市「ホテルアークリッシュ豊橋」 〇
3)棋聖3 7月9日 東京都千代田区「都市センターホテル」 ●
4)王位2 7月13日 北海道札幌市「ホテルエミシア札幌」 〇
5)棋聖4 7月16日 大阪府大阪市「関西将棋会館」 〇
6)王位3 8月4日 兵庫県神戸市「中の坊瑞苑」 〇
7)王位4 8月19日 福岡県福岡市「大濠公園能楽堂」 〇
【2021年】
8)棋聖1 6月6日 千葉県木更津市「龍宮城スパホテル三日月」 〇
9)棋聖2 6月18日 兵庫県洲本市「ホテルニューアワジ」 〇
10)王位1 6月29日 愛知県名古屋市「名古屋能楽堂」 ●
11)棋聖3 7月3日 静岡県沼津市「沼津御用邸東附属邸第1学問所」 〇
12)王位2 7月13日 北海道旭川市「花月会館」 〇
6)王位3 7月21日 兵庫県神戸市「中の坊瑞苑」 〇
13)叡王1 7月25日 東京都千代田区「江戸総鎮守神田明神」 〇
14)叡王2 8月3日 山梨県甲府市「常磐ホテル」 ●
15)叡王3 8月9日 愛知県名古屋市「か茂免」 〇
5)王位4 8月18日 大阪府大阪市「関西将棋会館」 〇
16)叡王4 8月22日 愛知県名古屋市「名古屋東急ホテル」 ●
17)王位5 8月24日 徳島県徳島市「渭水苑」 〇
1)叡王5 9月13日 東京都渋谷区「将棋会館」 〇
18)竜王1 10月8日 東京都渋谷区「セルリアンタワー能楽堂」 〇
19)竜王2 10月22日 京都府京都市「総本山 仁和寺」 〇
20)竜王3 10月30日 福島県いわき市「雨情の宿 新つた」 〇
21)竜王4 11月12日 山口県宇部市「ANAクラウンプラザホテル」 〇
【2022年】
22)王将1 1月9日 静岡県掛川市「掛川城 二の丸茶室」 〇
23)王将2 1月22日 大阪府高槻市「摂津峡花の里温泉 山水館」 〇
24)王将3 1月29日 栃木県大田原市「ホテル花月」 〇
25)王将4 2月11日 東京都立川市「SORANO HOTEL」 〇
13)叡王1 4月28日 東京都千代田区「江戸総鎮守 神田明神」 〇
16)叡王2 5月15日 愛知県名古屋市「名古屋東急ホテル」 〇
26)叡王3 5月24日 千葉県柏市「柏の葉カンファレンスセンター」 〇
9)棋聖1 6月3日 兵庫県洲本市「ホテルニューアワジ」 ●
27)棋聖2 6月15日 新潟県新潟市「高志の宿 高島屋」 〇
28)王位1 6月28日 愛知県犬山市「ホテルインディゴ犬山有楽苑」 ●
8)棋聖3 7月4日 千葉県木更津市「龍宮城スパホテル三日月」 〇
29)王位2 7月13日 北海道札幌市「ぬくもりの宿ふる川」 〇
30)棋聖4 7月17日 愛知県名古屋市「亀林寺 万松寺」 〇
6)王位3 7月20日 兵庫県神戸市「中の坊瑞苑」 〇
17)王位4 8月24日 徳島県徳島市「渭水苑」 〇
31)王位5 9月5日 静岡県牧之原市「平田寺」 〇
18)竜王1 10月7日 東京都渋谷区「セルリアンタワー能楽堂」 ●
19)竜王2 10月21日 京都府京都市「総本山仁和寺」 〇
32)竜王3 10月28日 静岡県富士宮市「割烹旅館 たちばな」 〇
33)竜王4 11月8日 京都府福知山市「福知山城天守閣」 〇
34)竜王5 11月25日 福岡県福津市「宮地嶽神社」 ●
35)竜王6 12月2日 鹿児島県指宿市「指宿白水館」 〇
【2023年】
22)王将1 1月8日 静岡県掛川市「掛川城 二の丸茶室」 〇
23)王将2 1月21日 大阪府高槻市「摂津峡花の里温泉 山水館」 ●
36)王将3 1月28日 石川県金沢市「金沢東急ホテル」 〇
37)棋王1 2月5日 長野県長野市「長野ホテル犀北館」 〇
25)王将4 2月9日 東京都立川市「SORANO HOTEL」 ●
38)棋王2 2月18日 石川県金沢市「北國新聞会館」 〇
39)王将5 2月25日 島根県大田市「さんべ荘」 〇
40)棋王3 3月5日 新潟県新潟市「新潟グランドホテル」 ●
41)王将6 3月11日 佐賀県上峰町「大幸園」 〇
42)棋王4 3月19日 栃木県日光市「日光きぬ川スパホテル三日月」 〇
43)名人1 4月5日 東京都文京区「ホテル椿山荘東京」 〇
13)叡王1 4月11日 東京都千代田区「江戸総鎮守 神田明神」 〇
16)叡王2 4月23日 愛知県名古屋市「名古屋東急ホテル」 ●
44)名人2 4月27日 静岡県静岡市「浮月楼」 〇
15)叡王3 5月6日 愛知県名古屋市「か茂免」 〇
45)名人3 5月13日 大阪府高槻市「高槻城公園芸術文化劇場」 ●
46)名人4 5月22日 福岡県飯塚市「麻生大浦荘」 〇
47)叡王4 5月28日 岩手県宮古市「浄土ヶ浜パークホテル」 〇
48)名人5 5月31日 長野県高山村「緑霞山宿 藤井荘」 〇
49)棋聖1 6月5日 ベトナム・ダナン市「ダナン三日月」 〇
9)棋聖2 6月23日 兵庫県洲本市「ホテルニューアワジ」 ●
11)棋聖3 7月3日 静岡県沼津市「沼津御用邸東附属邸第1学問所」 〇
50)王位1 7月7日 愛知県豊田市「豊田市能楽堂」
6)王位2 7月13日 兵庫県神戸市「中の坊瑞苑」
27)棋聖4 7月18日 新潟県新潟市「高志の宿 高島屋」
51)王位3 7月25日 北海道小樽市「料亭湯宿 銀鱗荘」
52)王位4 8月15日 佐賀県嬉野市「和多屋別荘」
藤井聡太年表
こちらで拡大してご覧いただけます。
2002年(平成14年)
7月19日
愛知県瀬戸市で生まれる。幼稚園の頃はスイス製のキュボロという木製玩具にはまっていた。
2007年(平成19年)
夏
祖母から「スタディ将棋」を使って将棋を教わる。
12月
ふみもと子供将棋教室に通い、20級認定。1年後には4級に。
2009年(平成21年)
4月
詰将棋解答選手権の初級クラスに初出場。
2010年(平成22年)
2月
教室で初段となり、3月に東海研修会を受験。1勝3敗の成績でF2組に編入。4月、詰将棋解答選手権名古屋会場の一般戦で2位に。
2011年(平成23年)
3月
詰将棋解答選手権チャンピオン戦に初参加。13位の成績。
8月
第10回全国小学生倉敷王将戦・低学年の部で優勝。
10月
JT杯将棋日本シリーズこども大会東海大会・低学年の部で優勝。
2012年(平成24年)
3月
『将棋世界』「詰将棋サロン」初入選。 10歳8月、東海研修会B1で7連勝。奨励会入会試験に合格。
11月
『将棋世界』「詰将棋サロン」2度目の入選、谷川賞受賞。
2013年(平成25年)
3月
詰将棋解答選手権チャンピオン戦5位。
2015年(平成27年)
3月
詰将棋解答選手権チャンピオン戦で優勝。以降、5連覇。
10月
奨励会三段に昇段。
2016年(平成28年)
9月
14歳2ヵ月の史上最年少で四段昇段。
12月
デビュー戦で中学生棋士の大先輩、加藤一二三と対戦し、白星スタート。
2017年(平成29年)
3~4月
AbemaTV将棋チャンネル「藤井聡太四段 炎の七番勝負」が配信(非公式戦)。増田康宏、永瀬拓矢、斎藤慎太郎、中村太地、深浦康市、佐藤康光、羽生善治と戦い、永瀬に敗れたのみで6勝1敗で終了。
4月
第67期王将戦で小林裕士に勝ち、デビューからの連勝記録を11連勝に更新。
6月
第30期竜王戦で増田康宏に勝ち、歴代最多連勝記録を29連勝に更新。
7月
第30期竜王戦で佐々木勇気に敗れ、プロデビュー後の初黒星。連勝も29でストップ。
2018年(平成30年)
2月
第76期順位戦C2・9回戦で勝ち、9連勝でC1昇級、同日付で五段に昇段。続く10回戦にも勝ち、10戦全勝。C2初参加でC1昇級は6人目。
第11回朝日杯将棋オープン戦の準決勝で羽生善治、決勝で広瀬章人を破って優勝、同日付で六段に昇段。一般棋戦優勝・全棋士参加棋戦優勝・六段昇段の最年少記録を更新(15歳6ヵ月)、中学生ではいずれも史上初。
愛知県は愛知県特別表彰を行うことを発表。3月には愛知県瀬戸市が瀬戸市民栄誉賞を贈ることを発表した。瀬戸市民栄誉賞は新設で、藤井は受賞第一号。
4月
第45回将棋大賞では特別賞・新人賞・最多対局賞・最多勝利賞・勝率一位賞・連勝賞・名局賞特別賞を受賞。記録4部門独占は1967年度以降では内藤國雄、羽生に次いで3人目。
5月
第31期竜王戦で4組への昇級を決め、昇段規定により同日付で七段に昇段、七段昇段の最年少記録を更新した(15歳9ヵ月)1年間に3回昇段したのは、現行制度では藤井のみ。
9月
第1回AbemaTVトーナメント(非公式戦)で優勝。以降2連覇。
10月
第49期新人王戦決勝三番勝負で出口若武に勝ち、通算成績を2勝0敗で優勝。
12月
第27期銀河戦で阿部健治郎に勝ち、永世称号獲得者・中学生棋士の中での通算100勝の最年少記録を歴代最速・歴代最高勝率で更新(16歳4ヵ月)。
2019年(平成31年・令和元年)
2月
第12回朝日杯将棋オープン戦の準決勝で行方尚史に、決勝で渡辺明を破り、2連覇を達成、一般棋戦連覇の最年少記録を更新した(16歳6ヵ月)。
3月
第77期順位戦C1の最終戦に勝ち、9勝1敗としたものの順位の差で昇級を逃した。師匠の杉本昌隆との「師匠と弟子の順位戦同組への同時昇級」はならず。
4月
第46回将棋大賞で勝率一位賞・升田幸三賞を受賞。勝率一位賞(0.849)は歴代3位の記録で、2年連続での勝率8割超は中原誠と藤井のみ。
第32期竜王戦で3組への昇級、3期連続昇級を達成。5月の決勝にも勝ち、3期連続ランキング戦優勝を果たした。木村一基と永瀬拓矢に続く3人目。
11月
第69期王将戦挑戦者決定リーグの最終局で広瀬章人と挑戦権を賭けた一局に敗れ、タイトル初挑戦ならず。
2020年(令和2年)
2月
第78期順位戦C1・9回戦で髙野秀行に勝ち、B2への昇級を決める。10回戦も真田圭一に勝ち、全勝を達成する。
4月
第47回将棋大賞では最多勝利賞・勝率1位賞・名局賞特別賞を受賞。勝率(0・815)は史上初の3年連続勝率8割超え。
第33期竜王戦2組昇級を確定。6月の決勝では師匠の杉本昌隆に勝ち、ランキング戦4期連続優勝を達成。
6月
第91期棋聖戦の挑戦者決定戦で永瀬拓矢に勝ち、挑戦権を獲得。タイトル挑戦最年少記録を更新した(17歳10ヵ月20日)。
第61期王位戦の挑戦者決定戦で永瀬拓矢に勝ち、2度目のタイトル挑戦を決めた。
7月
第91期棋聖戦五番勝負第4局で渡辺明に勝って3勝1敗でシリーズを制し、タイトル獲得最年少記録を更新(17歳11ヵ月)。
8月
第61期王位戦七番勝負第4局で木村を4勝0敗で破って王位奪取。最年少二冠、最年少八段の記録を更新(18歳1ヵ月)。
10月
第28期銀河戦決勝で糸谷哲郎を破り、初優勝(放映は12月)。
11月
第70期王将リーグ最終戦で勝ち、公式戦200勝を最年少(18歳4ヵ月)で達成。しかし、序盤の3連敗が響き、リーグからは陥落。
2021年(令和3年)
2月
第79期順位戦B2・10回戦で窪田義行に勝ち、9連勝でB1への昇級を決める。 11回戦の中村太地にも勝ち、全勝を達成する。
第14回朝日杯将棋オープン戦の準決勝で渡辺明、決勝で三浦弘行を破り、2年ぶり3度目の優勝を飾る。
3月
第34期竜王戦ランキング2組・準決勝に勝ち、本戦進出と1組昇級を決める。4月の決勝にも勝ち、ランキング戦5期連続優勝。
4月
第48回将棋大賞では最優秀棋士賞に輝く。他に最多勝利賞、勝率一位賞、升田幸三賞特別賞、名局賞、名局賞特別賞を受賞。
7月
第92期棋聖戦五番勝負第3局で渡辺明に勝ち、3連勝で棋聖を防衛。九段昇段、初防衛の最年少記録を更新する(18歳11ヵ月)。
8月
第62期王位戦七番勝負第5局で豊島に勝ち、4勝1敗で王位防衛。
第34期竜王戦挑戦者決定三番勝負で永瀬に勝ち、竜王挑戦を決める。
9月
第6期叡王戦五番勝負で豊島を3勝2敗で破り、叡王を奪取。史上10人目の三冠王を最年少で達成(19歳1ヵ月)。
11月
第34期竜王戦七番勝負第4局で豊島に勝ち、4連勝で竜王を奪取。史上6人目の四冠王を最年少で達成(19歳3ヵ月)。
第42回将棋日本シリーズ・JTプロ公式戦決勝で豊島に敗れ、初優勝ならず。
第71期王将戦の挑戦者決定リーグ戦を5勝1敗の成績で渡辺明王将への挑戦権を獲得。
2022年(令和5年)
1月
第71期ALSOK杯王将戦七番勝負が開幕した。三冠の渡辺明に四冠の藤井が挑む構図で、合わせて七冠が激突するゴールデンカードが実現した。藤井の新構想が大いに注目された一局で、互いに中段玉から大熱戦に進んだ。139手の激戦を制した藤井が幸先よいスタートを切った。
愛知県名古屋市「名古屋国際会議場」で第15回朝日杯将棋オープン戦本戦トーナメントの名古屋対局に臨んだ。1回戦の船江恒平戦に勝利したものの、準々決勝の永瀬拓矢戦に敗れた。朝日杯2連覇、4度目の優勝はならず。
2月
第71期ALSOK杯王将戦七番勝負第4局で渡辺明に勝ち、4連勝で初の王将を奪取した。同時に、大山康晴、中原誠、羽生に次ぐ、史上4人目の五冠に輝いた。 10代五冠は将棋界初の快挙となる。19歳6ヵ月での五冠達成は、羽生の22歳10ヵ月を上回る最年少記録。
3月
第80期順位戦B級1組12回戦で佐々木勇気に勝ち、1位(10勝2敗)でA級に昇級。19歳7ヵ月での昇級は、加藤一二三の記録(18歳1ヵ月)に次いで史上2番目の年少記録。 4月 第49回将棋大賞で2回目の最優秀棋士賞に輝いた。同時に最多対局賞(64局)、最多勝利賞(52勝)、名局賞(第34期竜王戦七番勝負第4局)を受賞した。
4月
山形県天童市で行われた第67回天童桜まつり人間将棋で佐々木大地と対局。130手で藤井が勝利を収めた。同時に、全ての駒を動かすことにも成功した。
第7期叡王戦五番勝負が開幕。挑戦者はタイトル戦初登場の出口若武で、藤井がタイトル戦で後輩棋士を相手にするのは初めて。長考合戦の難戦を制した藤井が先勝。
5月
第70期王座戦挑戦者決定トーナメント1回戦で大橋貴洸に敗れた。
第7期叡王戦五番勝負第3局で出口に勝ち、3連勝で叡王防衛。叡王戦で防衛を決めたのは藤井が初。羽生に並ぶ、タイトル戦での13連勝を記録した(歴代2位)。
6月
第93期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負が開幕した。永瀬との番勝負は初。第1局は2度の千日手の末に永瀬が勝利。
第81期順位戦A級1回戦で佐藤康光と対戦した。名古屋将棋対局場のこけら落としの一局で、同時に自身初のA級の舞台を白星で飾った。
第5回ABEMAトーナメント(非公式戦)では森内俊之、藤井猛を指名。7月に放映された予選Eリーグでチーム渡辺(渡辺明・近藤誠也・渡辺和史)とエントリーチーム(折田翔吾・冨田誠也・黒田尭之)に敗れ、初の予選敗退に。第1回から継続していた5連覇はならず。
7月
10代最後の対局となった第93期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負第4局で永瀬に勝利。シリーズ3勝1敗で棋聖3連覇を決めた。
タイトル通算獲得数を歴代単独9位の9期に伸ばした。
8月
第81期順位戦A級2回戦で菅井竜也に敗れて、A級初黒星を喫した。
9月
お~いお茶杯第63期王位戦期七番勝負第5局で豊島に勝利し、シリーズ4勝1敗で王位3連覇を決めた。史上9人目のタイトル10期獲得を最年少で達成(20歳1ヵ月)。初タイトル獲得から10期獲得まで2年1ヵ月で到達したのは史上最短の記録。
10月
第35期竜王戦七番勝負が開幕。第1局は充実の挑戦者・広瀬章人の会心の指し回しに苦戦に陥り、押しきられる形で敗れた。
第30期銀河戦決勝で髙見泰地に勝ち、2年ぶり2回目の優勝を決めた(放映は12月)。
準公式戦の第1期新銀河戦決勝三番勝負第1、2局で久保利明に2連勝し、優勝を決めた(放映は12月)。
11月
第43回将棋日本シリーズ・JTプロ公式戦決勝で斎藤慎太郎に勝ち、初優勝。史上最年少での優勝を決めた(20歳4ヵ月)。
12月
第35期竜王戦七番勝負第6局で広瀬章人に勝ち、シリーズ4勝2敗で竜王防衛。タイトル戦無敗のまま、タイトル通算獲得数を11期に伸ばした(歴代単独9位)。
第81期順位戦A級5回戦で佐藤天彦に勝ち、公式戦300勝目を挙げた。四段昇段後6年2ヵ月での達成は、羽生の記録(6年4ヵ月)を上回る最短記録。同時に羽生の21 歳7ヵ月を上回る最年少記録を更新した(20歳5ヵ月)。
第48期棋王戦コナミグループ杯挑戦者決定二番勝負第2局で佐藤天彦に勝ち、初の棋王挑戦を決めた。
2023年(令和5年)
1月
第72期ALSOK杯王将戦七番勝負が開幕。前人未踏のタイトル100期が懸かる羽生善治を挑戦者に迎え、世代を超えた天才対決としてファンを大いに沸かせた。後手番・羽生の一手損角換わりから相早繰り銀に進んだ第1局は中盤の競り合いを制した藤井が勝利した。
愛知県名古屋市「名古屋国際展示場」で第16回朝日杯将棋オープン戦本戦トーナメントが行われた。1回戦で阿久津主税に勝利した藤井は、2回戦で増田康宏戦に臨んだ。非勢に陥った藤井が手段を尽くして、互いの玉が接近する大激戦に進んだ。一瞬のチャンスを捉えた藤井が169手で勝利して、6回目のベスト4進出を果たした。
2月
第48期棋王戦コナミグループ杯五番勝負が開幕。第1局は、五番勝負初登場の藤井が角換わり腰掛け銀から的確な指し回しを続けて渡辺明に勝利。六冠獲得に向けて好発進した。
第16回朝日杯将棋オープン戦本戦トーナメント準決勝で豊島と対戦。最終盤で自玉に詰みが生じていた藤井が窮地を脱し、大逆転で決勝進出。決勝は渡辺明の後手雁木に、早繰り銀から渡辺陣の急所を突いた藤井がリードを奪い、押しきる形で勝利。4回目の朝日杯優勝を決めた。
3月
静岡県静岡市「浮月楼」で第81期A級順位戦最終局が一斉に行われた。勝利すればプレーオフ以上が確定する藤井は、稲葉陽を相手に駒損をいとわず、鋭い攻めを繰り出して快勝。7勝2敗で広瀬章人とのプレーオフ進出を決めた。
広瀬との第81期A級順位戦プレーオフに臨んだ。難解な終盤戦が繰り広げられたが、自玉に迫る手段がないと見切って勝利。深い読みに裏打ちされた藤井流の踏み込みで、名人戦初挑戦を決めた。
第72期ALSOK王将戦七番勝負第6局で羽生に勝利。シリーズ4勝2敗で王将初防衛を決めた。
第48期棋王戦コナミグループ杯五番勝負第4局で渡辺明に勝利。シリーズ3勝1敗で初の棋王奪取を決めるとともに、自身初となる六冠達成。20歳8ヵ月での六冠達成は、羽生の持つ最年少記録(24歳2ヵ月)を塗り替える史上最年少記録となる。
第72回NHK杯テレビ将棋トーナメント決勝で佐々木勇気に勝利。初の本棋戦優勝とともに、年度内に行われた4つの一般棋戦(将棋日本シリーズ、銀河戦、朝日杯、NHK杯)全てで優勝する将棋界初の快挙を達成した(3月19日放送)。
第50回将棋大賞で3回目の最優秀棋士賞に輝いた。同時に最多勝利賞(53局)、勝率一位賞(53勝11敗 0.828)、名局賞(第72期ALSOK杯王将戦七番勝負第2局)、名局賞特別賞(第16回朝日杯将棋オープン戦本戦 藤井聡太竜王ー増田康宏六段戦(対局当時)戦)を受賞した。
4月
第81期名人戦七番勝負が開幕。渡辺明を相手に、後手番の藤井が軽い仕掛けから手を作り、玉の薄い陣形を巧みにまとめて難戦を制した。藤井は自身初の名人戦の舞台を白星で飾った。
第8期叡王戦五番勝負が開幕。挑戦者は菅井竜也で、藤井がタイトル戦で振り飛車党と対戦するのは初。第1局は長い中盤戦を抜け出した藤井が、菅井の粘りを振り切って勝利した。
5月
第8期叡王戦五番勝負第4局で2度の千日手指し直しの末に、鋭い寄せを見せて菅井に勝利。シリーズ3勝1敗で叡王防衛を決めるとともに、3連覇を果たした。
6月
第81期名人戦七番勝負第5局で渡辺明に勝ち、シリーズ4勝1敗で名人を奪取。20歳10ヵ月での名人獲得は、谷川浩司の持つ最年少記録(21歳2ヵ月)を上回る。同時に史上2人目の七冠を達成し、羽生の七冠最年少記録(25歳5ヵ月)を更新した。
データで振り返る、藤井聡太七冠のこれまでの歩みでした。今年度はタイトル戦がほとんどになるので、全国津々浦々で対局が行われると思われます。対局場マップもさらに華やかなものになるのでないでしょうか。