バーテンダー日本代表の座をかけた「DIAGEO WORLD CLASS 2023 JAPAN FINAL」が29日、キラナガーデン豊洲にて開催。「ドン・フリオ1942」でカクテルを創作する特別チャレンジには、ゲスト審査員としてファッションモデルの森星さん、ロックミュージシャンのMIYAVIさんが参加し、ステージの盛り上がりに華を添えた。
大会の概要
「DIAGEO WORLD CLASS」は、世界180以上の国々で酒類ブランドを展開する英国大手酒造企業のディアジオ社による世界規模の大会。今年で14年目を迎える「DIAGEO WORLD CLASS 2023」は9月にブラジル・サンパウロで開催される。約60の国と地域から約25,000名を超えるバーテンダーが参加を予定。その頂点に立つバーテンダーには『バーテンダー・オブ・ザ・イヤー』の称号が与えられる。
日本予選「DIAGEO WORLD CLASS 2023 JAPAN FINAL」は6月28日、29日にキラナガーデン豊洲にて開催。運営側は「本大会を通じて、より多くの皆様に『世界に挑戦するバーテンダーの姿や情熱』『カクテルカルチャーの楽しさ』をお届けできれば」と意気込む。
国内屈指のバーテンダー10名がファイナリストとして集った。日々磨き上げたスキルを生かしながら、制限時間内に極上の1杯を作り出すバーテンダーたち。審査員は4つの競技「SUPER MIXER CHALLENGE」「NAME THAT COCKTAIL CHALLENGE」「THE GIN FIZZ CHALLENGE」「HEAD-TO-HEAD SPEED CHALLENGE」を通じて、彼らの「技」「味」「おもてなし」を採点していく。
極上のカクテルが続々登場
優勝争いも佳境に入るなか、スペシャルゲストを審査員に迎えた5つめの特別チャレンジ「Don Julio 1942 SPECIAL GUEST CHALLENGE」が実施された。これはメキシコ産のテキーラの銘柄「ドン・フリオ1942」をフィーチャーしたカクテルを創作して審査員に提供し、カクテルの味×その魅力を伝えるプレゼンによって、ベーススピリッツの素晴らしさを表現するというもの。スペシャルゲストとしてファッションモデルの森星さん、ロックミュージシャンのMIYAVIさんがステージに上がった。
本チャレンジでは、審査員があまりカクテルに詳しくないという前提でプレゼンが行われる。ベーススピリッツは30ml以上を使用。1種類のカクテルを2杯つくり、2人の審査員に提供する。持ち時間はセットアップ1分、カクテル作成・説明3分、質問・採点・片付け1分のトータル5分。味とバランス、エンタメ性、ホスティング力の各50ポイント×3=150ポイントで争われる。バーテンダーそれぞれの個性が発揮された。
東京や大阪のバーに勤めているバーテンダーが多いなか、9人目に登場したのは大阪府のコーヒー店「ISTA COFFEE ELEMENTS」でバリスタとしても働いている野里史昭さん。テーマを”メキシコをめぐる旅”に定めると、手もとで作業をしつつ、ドン・フリオ1942の原材料となるアガベ畑が広がるハリスコ州、糖度25%の珍しい珈琲豆が収穫できるベラクルス州、サボテンの赤い実が収穫できるモレロス州にちなんだ話題で盛り上げる。アガベの葉っぱ、珍しい珈琲豆、サボテンの赤い実、それぞれの匂いを嗅がせてもらった審査員の2人は「うわー」「香りからして美味しい」「あ、こんな甘い香りなんだ」と興奮状態に。最後に「メキシコが誇る、この3大材料を使ってカクテルを作ります」と野里さん。
伝統的なメキシカングラスに注がれたのは、透き通るようなオレンジ色のオリジナルカクテル。審査員の2人は「目が覚めるよう」「美味しい」と笑顔が弾けた。採点の折りも、MIYAVIさんは「野里さんのメキシコ、そしてテキーラに対する敬意と愛情を感じました」、森さんは「お酒のルーツに迫ることで、カクテルの持つ意味合いまで遡れた気がします」と感心しきりだった。
5つの競技を終え、最終的に野里史昭さんが優勝。バーテンダー日本代表として、9月のブラジル・サンパウロにて開催される「DIAGEO WORLD CLASS 2023」に挑戦する。