帝国データバンクは、「価格改定動向について」の調査結果を6月30日に発表した。調査は6月30日9時時点、食品メーカー主要195社を対象に実施したもの。

  • 2023年の食品値上げ

2023年の食品値上げについてみると、家庭用を中心とした飲食料品の年内値上げ品目数は累計2万9106品目に上り、前年を超える結果に。また、調査対象195社のうち9割超の企業が前年から1回以上の値上げを行ったほか、23年だけでも約8割・159社で値上げを既に実施・予定しているという。

  • 2023年の値上げ原因別

2023年の値上げ原因、「原材料の値上げ」が98.3%で最多となっている。7月の値上げ品目数は3566品目となり、前年7月(2443品目)から約1000品目・1.5倍増加した。8月以降の推移をみると、8月は乳価改定の影響を受けてパック牛乳やヨーグルトなど乳製品を中心に987品目、9月もチョコレート菓子など1686品目が値上げ予定。

10月は、瓶など包装資材価格の上昇を背景に日本酒やワインなど酒類を中心とした3385品目が値上げ予定で、半年ぶりに5000品目超えの値上げラッシュを迎えると同調査は推察している。

  • 主な食品分野 価格改定の動向

主な食品分野価格改定の動向をみると、7月の値上げは「パン」(1578品目)が全食品分野で最多に。次いで、「加工食品」(836品目)、「調味料」(619品目)、「菓子」(242品目)と続いた。

  • 実施ベースでの値上げ品目数動向

2023年の値上げは、電気代や人件費、物流費の負担が徐々に増しており、値上げペースは引き続き高水準で推移している。また、一部酒類を中心に価格据え置きや値下げも累計1000品目に迫り、値上げの様相は昨年とは異なるという。2023年の食品値上げは昨年に比べて高水準を保ちながらも、10月をピークに一旦は沈静化する見通しで、年間累計は3万5000品目前後に到達する可能性がある。