山万ユーカリが丘線の2022年安全報告書が公式サイトに公開された。鉄道事業法にもとづき、輸送の安全確保に関する取組みをまとめたもので、2023年のおもな安全施策の計画も示している。計画のひとつに「新車両等の検討」が挙げられた。

  • 山万ユーカリが丘線では、開業時に導入された車両が「こあら号」として現在も活躍している

1982(昭和57)年11月の運行開始以来、山万ユーカリが丘線は40年間にわたって無事故を継続しており、2022年安全報告書でも、昨年の運転事故はゼロだったと紹介。2022年のおもな安全施策として、ユーカリが丘線車両において自動放送装置と行先表示器装置の更新工事を行ったほか、施設・設備の保守に使用する作業車の大規模修繕作業や、その他各種工事など施工し、安全輸送設備等に関する整備を進めたと説明している。

2023年のおもな安全施策として、「車両定期検査整備」「電路設備定期検査整備」「各種検査施工」「各種補修整備」の他に「新車両等の検討」も計画に加えられ、「車両更新の検討」を行うとのこと。駅務機器や信号保安設備についても更新を検討する。

山万ユーカリが丘線は、京成本線と接続するユーカリが丘駅を起終点とし、約250haのユーカリが丘ニュータウン(千葉県佐倉市)の中心部を14分かけてテニスラケット型に周回する路線。独自の新交通システムを採用しており、開業時に導入された車両(1000形)が「こあら号」として現在も活躍中だが、車内に冷房設備がないことから、真夏の時期に少しでも快適に過ごしてもらうための取組みとして、利用者におしぼりとうちわを配布している。今夏も9月30日まで実施される。