「心許ない」は、不安な気持ちを表したいときに使える言葉です。日常会話だけでなくビジネスシーンでも使える表現なので、正しい使い方を覚えておきましょう。
本記事では、「心許ない」の意味や使い方・ビジネスシーンで使える例文を紹介します。また、類語・言い換え表現や対義語についても解説するので、ぜひ参考にしてください。
「心許ない」の意味とは?
「心許ない」とは、頼りなく不安な様子や気がかりな様子を意味する言葉です。何か不安に思っていることや気がかりなことがあると伝えたい場合などに使います。
また、そのほかに「待ち遠しくて苛立つ様子」という意味もありますが、この意味で使われるケースは少ないので、日常会話などで「心許ない」が使われている場合は基本的に、頼りなく不安な様子や気がかりな様子を意味していると捉えていいでしょう。
読み方は「こころもとない」
「心許ない」の読み方は、「こころもとない」です。「許」という漢字は「ゆるす」「きょ」と読むことが多いので、初見では読めない方もいるでしょう。
また、同じ漢字を使っている「心許り」が「こころばかり」と読むので、それと混同してしまう方もいるかもしれません。
少しややこしいですが、一度覚えてしまえばそれほど難しくないのでこの機会にぜひ覚えてみてください。
「心許ない」の使い方・例文
不安や気がかりを言い表す言葉はそのほかにも多くありますが、「心許ない」はプライベートだけでなくビジネスシーンでも使える表現です。ビジネスでは、業務内容や進捗などに不安があることを伝える場面が多くあります。このようなときに、「心許ない」という表現を使って状況を伝えることができるでしょう。そのほか、相手からの誘いを断る際に「心許ない」を使うこともあります。
「心もとない」と表記して使うことも
「心許ない」は、「心もとない」と一部を平仮名表記にして書くケースがよく見受けられます。言葉自体は知っていても読み方を知らないという人が少なくないので、すぐに意味を理解してほしいときは「心もとない」を使う方がいいかもしれません。
ビジネスシーンで使える例文
ここでは、実際にビジネスシーンで使える「心許ない」の例文を紹介します。
【例文】
・現状の人数で足りるか心許ないので、増員をお願いします。
・新人だけでは心許ないため、フォローをお願いします。
・上記内容では心許ないようでしたら、お申し付けください。
・本件の対応につきまして、私だけでは心許ないため、お力添えいただけますと幸いです。
・お誘いは大変うれしいのですが、財布の中が心許ないので今回は遠慮いたします。
「心許ない」の類語・言い換え表現
「心許ない」と似たような意味を持つ類語や言い換え表現を紹介します。
心細い
「心細い」は頼りになるものがなくて不安な様子や、漠然と寂しい気持ちなどを表す言葉です。「夜道を1人で歩くことは心細い」「1人で旅行に行くことは心細い」など、ネガティブな感情を表すときに使います。
【例文】
・私だけでは心細いので、誰か一緒に来てください。
・まだ入社したばかりなので、1人で行くのは心細いようです。
頼りない
「頼りない」は、文字通り頼りにならない様子や当てにならない様子を言い表す言葉です。人・物どちらにも使うことができます。
【例文】
・私たちだと頼りないので、先輩に依頼してみよう。
・ミスの多いAさんは頼りない人だと思われている。
おぼつかない
「おぼつかない」は、「はっきりしない」「ぼんやりとしている」などの意味を持つ言葉です。ふらふらと歩く様子を「足元がおぼつかない」と表現するのをよく見聞きしますが、物事がうまくいくか疑わしいことを言い表したいときなどにも使うことができます。
【例文】
・説明書がなかったので操作がおぼつかない。
「心許ない」の対義語
「心許ない」と反対の意味を持つ対義語を紹介します。
心強い
「心強い」は、頼もしく、安心できる様子を表す言葉です。相手を褒める意味で使うこともできます。
【例文】
・先輩に同行していただけると心強いです。
・プレゼンにはAさんがいてくれると心強い。
盤石
「盤石」は、文字から連想されるように「大きな岩」を意味する言葉で、転じて「大きな岩のようにずっしりと安定感があり、揺るぎない様子」を言い表す言葉としても使えます。
【例文】
・今回の人事異動で組織が盤石になった。
・若手エースが次々と異動してきたことで盤石な体制が整いつつある。
「心許ない」を適切に活用しよう
「心許ない」の意味や使い方・例文、類語・言い換え表現や対義語について紹介しました。
「心許ない」は、頼りなく不安な様子や気がかりな様子を意味します。ビジネスシーンでも使える言葉なので、業務において何か不安や気がかりなことがあったときには、「心許ない」を用いて表現してみましょう。
また本記事で紹介したように、「心許ない」には似た意味を持つ類語がいくつかあるので、ぜひこの機会にあわせて覚えてみてはいかがでしょうか。