女優の伊藤沙莉が主演を務めるテレビ朝日系ドラマ『シッコウ!! ~犬と私と執行官~』(毎週火曜21:00~※初回拡大)が4日にスタート。9歳でドラマデビューを果たし、女優歴20年を数える伊藤が、今作でゴールデン帯連続ドラマ初主演を飾る。

大森美香氏が脚本を手掛ける今作は、情け容赦なく“差し押さえ”等を行う国家公務員「執行官」を描くリーガルエンターテインメント。ある事情から執行官の世界に飛び込み、犬担当の執行補助者となる吉野ひかりを伊藤が、ひかりを導く執行官の小原樹を織田裕二が、執行官室の頼れる事務員・栗橋祐介を中島健人(Sexy Zone)が演じる。

今回は伊藤にドラマの見どころはもちろん、10代の頃以来の共演となる中島についての印象を聞いた。Sexy Zoneのライブを久しぶりに見た感想、そして中島と似ている犬とは。

  • 女優の伊藤沙莉 撮影:宮田浩史

    女優の伊藤沙莉 撮影:宮田浩史

■織田裕二と中島健人を犬にたとえると

――今作のテーマである執行官という職業について感じた印象を教えてください。

職業自体を知らなかったのですが、“司法最後の砦”と呼ばれている通りこの方々がいるから成り立っていることがたくさんある重要な存在だと知れました。かっこよくて魅力的な職業だと感じています。

――今作で、伊藤さんの新境地といえるポイントがあれば教えてください。

これまでも「明るく元気な後輩」という役どころをいただく機会は多かったのですが、今回はそれにプラスして織田さん演じる小原さんと師弟のような関係を築けました。年齢的にも芸歴的にも大先輩の織田さんとのバディで、絆を“演じた”のではなく、“築けた”ということが新鮮な経験でした。

――今作はたくさんの犬が登場するのも見どころです。織田さんと中島さんを犬にたとえると。

健人くんは分かりやすいんです、イタリアン・グレーハウンド。“イタリア”を感じさせる細い犬ですが、すごくかわいくて、スマートで紳士的で賢くて。見た目を含め健人くんっぽいので「今、私ドンピシャで言い当てたな!」と思いました(笑)。ドラマにもいつか登場するかもしれません。

織田さんは難しいですね。ドーベルマンのようで秋田犬にも思えますし、でもハスキー犬っぽさもある。織田さんは、大人だなと思うときもあれば、興味を持ったことへの探究心がすごくて少年のような顔をしているときもあり、いろんな一面を持っているので……ミックス犬にします!

■中島健人は余裕のある人 Sexy Zoneのライブも見学

――中島さんとはドラマ『スクラップ・ティーチャー〜教師再生〜』(08年、日本テレビ系)、『大切なことはすべて君が教えてくれた』(11年、フジテレビ系)以来のドラマ共演になりますが、印象を教えてください。

あんなにずっと王子様でいられる方が存在するんだと驚きました。私が後ろを歩いていたとしても、部屋に入る前には絶対に「どうぞ」とドアを開けてくれますし、もう一周回ってふざけているのかなと思うくらいジェントルマンです(笑)。すごくフラットに話してくれる健人くんですが、私が13歳、14歳の頃に初めてご一緒してから今回が3度目の共演になるので「なんだかんだ、幼馴染みだね」という会話をしました。

健人くんは昔から余裕のある人でしたが、さらに懐が深くなっていて、視野が広く、今自分がどうすべきかということをすぐに理解できる人なんですよね。私がお芝居で「どうしたらいいんだろう」と悩んでいるときには、直接相談したわけではないのに空気を察知して「大丈夫? 俺もこうしようと思うから、何も考えずにやってね」と楽屋まで言いに来てくれて、ありがたかったです。年齢が近いというのも大きくて、(駒井)蓮ちゃんや笠松(将)くんもそうなのですが、後半にかけて特に一緒のシーンが多かったのは健人くんだったので、かなり支えてもらいました。

――中島さんの活躍は、これまでも目にされていましたか。

もちろんです! バラエティ番組にもよく出られていますし、ミュージックビデオも見ていました。私は二十歳の頃に一度Sexy Zoneさんのライブを見に行ったことがあるのですが、今回の共演にあたり、久しぶりに見に行かせていただいたんです。10年近く経っているとはいえ、大きな成長や変化を感じて「こんな変わるものなんだ」とビックリしました。皆で早着替えをしていたことも印象的でした!

――そんな中島さんのすごいと思うポイントは。

ちゃんとお笑いができるところです。あんなに紳士で執事が似合いそうな人なのに、ちゃんと一緒になってふざけてくれるギャップが素敵だと思います。現場では、織田さんから隠れて目薬のCMのモノマネをして盛り上げてくれたこともありました(笑)。今作の現場での立ち振る舞いを見て、今まで責任ある立場でいろいろな経験をしてきたんだなと感じさせられました。

■堅いイメージ持たずライトに見て

――最後に、今作『シッコウ!! ~犬と私と執行官~』の見どころを教えてください。

私のように執行官という職業を知らなかった方にとっては、具体的にどんなお仕事をされているのかを知ることのできる機会になると思います。毎話毎話とても癒やされる犬たちが出てくるので、目の保養にもなります! 「人生のリスタート」をテーマに人間模様が繊細に描かれているので、リーガルドラマですが堅いイメージを持たず、まずはライトに見ていただいて、感じていただけるものがあればうれしいです。

撮影現場の雰囲気や織田裕二から学んだことについて語るインタビュー後編は4日公開予定。
■伊藤沙莉
1994年5月4日生まれ、千葉県出身。2003年にドラマデビュー。2020年以降、確かな演技力と出演作品の活躍を評価されギャラクシー賞テレビ部門個人賞、エランドール賞新人賞、ブルーリボン賞助演女優賞、山路ふみ子女優賞、文化庁芸術祭放送個人賞、橋田賞新人賞ほか受賞歴多数。近年の出演作は映画『ちょっと思い出しただけ』『すずめの戸締まり』『宇宙人のあいつ』、ドラマ『ミステリと言う勿れ』『拾われた男 LOST MAN FOUND』『ももさんと7人のパパゲーノ』、テレビアニメ『映像研には手を出すな!』(主人公の声)など。今年は6月から舞台「COCOON PRODUCTION 2023『パラサイト』」、主演映画『探偵マリコの生涯で一番悲惨な日』(6月30日公開)、『ミステリと言う勿れ』(9月15日公開)に出演。2024年度前期NHK連続テレビ小説『虎に翼』で主役を務める。