今年も夏本番になり、熱中症対策が気になる季節。日中、外で活動する際に熱中症対策をしている方は多いかもしれませんが、実は夜の就寝時の暑さ対策も重要なことをご存じでしょうか。
環境省が運営する熱中症予防情報サイトの資料「熱中症環境保健マニュアル 2022」 の「III 熱中症を防ぐためには」より、就寝時に暑さ対策を行う必要性を紹介します。
暑さで寝苦しいけれど、冷房をつけると冷えすぎるのではないか、一晩中つけているのも電気代がかかりすぎるのではないか……そう思って夜間の冷房を控えている方は要注意。
実は夏場の睡眠不足は熱中症のリスクが高くなる可能性があるそう。環境省によると「睡眠時間が短い場合(4時間)、普段より1.5時間程度の睡眠時間の短縮でも、翌日に運動をすると体温が高く、汗の量も多くなり、体温調節機能が低下」するとのこと。外出や運動など、普段から慣れているから大丈夫と思っていても、寝不足がきっかけで熱中症になる恐れもあります。
そもそも、なぜ暑いと寝苦しくなるのでしょうか?
人が眠るには、身体の深い部分の温度「深部体温」を下げる必要があります。深部体温を下げるためには身体から熱を逃がせばよいですが(放熱)、高温多湿な状態では、皮膚の温度を上げても汗をかいて蒸発させても放熱ができず、深部体温が下がりません。深部体温が下がらないと体が体温を調節しようとしますが、睡眠しているよりも覚醒しているほうが体温調節機能が高いため、覚醒して目が覚めてしまうと考えられています。
環境省の資料によると「快適に眠れる室温の上限は28度」とありますが、寒い時期と異なり、夏場は寝具だけでの温度調節には無理があるもの。そのため状況に応じて冷房を使用しましょう。なお高温環境が睡眠に及ぼす影響は、高齢者や幼児は成人に比べて大きくなるため、注意が必要です。
ますます暑くなる時期、日中だけでなく夜間の暑さ対策も意識したいものですね。