インテージは6月27日、「2023年、上半期売れたものランキング」を発表した。調査は、全国約6,000店舗より収集している小売店販売データ、SRI+®(全国小売店パネル調査)をもとに、日用消費財の中で何がより売れたかを、推定販売金額の伸びから算出した。

  • 2023年、上半期売れたものランキング

    2023年、上半期売れたものランキング

新型コロナ4年目「2023年、上半期売れたものランキング」、1位となったのは昨年上半期同様「検査薬」だった。昨年同時期比で245%と大幅に数字を伸ばしたが、その主因はコロナ用の抗原検査キット。昨年後半から一気に売り上げを伸ばし、感染者が増えた今年1月も508%を記録。その後は徐々に落ち着いた数字となっている。

そのほか、6位の「総合感冒薬」(144%)は昨年末から今年初めにかけて外国人の買い占めが話題となり、3月以降も前年に比べて高い状態をキープ。同じく8位「鎮咳去痰剤」(138%)、10位「口腔用薬」(134%)も今年に入ってから前年を大きく上回る状態が続いている。

インバウンド需要の影響が大きかったのは、2位の「強心剤」(172%)と4位の「ビタミンB1剤」(153%)。いずれもコロナ前には訪日外国人に人気でインバウンド需要を引っ張っていたものであり、特に外国人旅行客の利用が多いインバウンド店に限ってみると、強心剤は前年の約10倍、ビタミンB1剤も9倍近くまで上昇。さらに、12位の「整腸剤」(131%)も約3倍に増えるなど、外国人旅行客が一部商品の消費を底上げしている状況が見て取れた。

3位には、「口紅」(158%)がランクイン。2021年にはコロナ前の3分の1ほどまで売り上げが減少していたが、今年上半期は前年比158%まで復活。5月には前年比2倍近くまで増えており、9位の「ほほべに」(134%)も含め、今後外出増やマスクの使用頻度の低下などが重なれば、更なる上昇も期待できそう。

そのほか、11位の「日焼け・日焼け止め」(131%)や、主に乗り物酔い止めが入る13位「鎮暈剤」(130%)など、外出増に起因する商品も上位にランクインした。

  • 今年販売苦戦したランキング                                            

    今年販売苦戦したランキング                                            

一方、今年販売苦戦したランキングでは、1位「体温計」(56%)、2位「殺菌消毒剤」(71%)、4位「マスク」(82%)、5位「うがい薬」(83%)など、コロナの時期に大きく売り上げを伸ばした衛生用品の苦戦が目立つ結果に。

また、3位「麦芽飲料」(77%)と8位「オートミール」(87%)は今年の数字だけを見ると不振だが、2019年に比べると「麦芽飲料」は190%、「オートミール」に関しては1,173%と驚異的な数字に。

また、コロナ禍で話題になったセルフケア、巣ごもり需要関連にも不調な商品が出ている。9位「住居用ワックス」(88%)、11位「家庭用手袋」(90%)、13位「血圧計(92%)、15位「入浴剤」(93%)などは、家で過ごす時間が減るなど生活者の行動が変化する中で前年同時期を下回る数字となった。