文響社は6月23日、100名以上の当事者の声をもとに作られた書籍『マンガでわかる!うつの人が見ている世界』を発売した。
厚生労働省の報告書によると、日本では現在7~8割の人が、一生に一度は何らかの精神疾患を経験すると言われている。しかし、うつの症状や感覚を言葉で説明することは難しく、家族や周りにいる人は、なかなか実感を持って理解することができないという。
同書は、うつの当事者と周囲の人たちの「わかりたいのにわかれない」「わかってほしいのに伝えられない」という心のもやもやを軽減することを目指し制作されたもので、100名以上の当事者とその家族への取材からわかった最も代表的な「うつ症状(一部双極症の躁状態を含む)」を、19のエピソードを通してマンガでわかりやすく解説されている。
うつの代表的な症状は、【岩のような倦怠感】(身体が岩のように重くなり、起き上がることができない)、【おわんの感覚】(頭に大きなおわんをかぶったように、ぼーっとして、現実感がない)、【音と光の矢】(周囲の出す音や光が、矢のように脳に刺さって痛い)など。
同書では、このほか全19の症状を取り上げており、後半では、当事者への取材で分かった、うつの人が周りの人にしてもらって嬉しかった言葉がけや、逆に負担となってしまった事例をマンガで紹介。読めば自然と、うつの人への寄り添い方が分かる一冊となっている。
監修は、NPO法人地域精神保健福祉機構(コンボ)と、認知行動療法研修開発センター理事長兼ストレスマネジメントネットワーク代表を務める精神科医・大野裕氏。A5判192ページで、価格は1,450円(税別)。