前回、エクスプローラーのフォルダーオプション設定項目に整理のメスが入った旨をお伝えしたが、Microsoftが現地時間2023年6月22日にリリースしたWindows 11 Insider Preview ビルド23486で一転した。公式ブログによると、Microsoftは「ビルド23481のファイルエクスプローラーのフォルダーオプションで一部の古い設定を削除した件についてインサイダーの皆さんから多くのフィードバックをいただいた。感謝したい。我々はこの変更をロールバックする」と述べている。
フォルダーオプションの設定項目はレジストリエントリーでデータを「0」か「1」に書き換えるだけ(一部例外あり)。Microsoftも「機能は取り除かずレジストリで制御可能」と述べていたことから、パワーユーザーなら影響を受けないと思っていたが、そうではなかった。エクスプローラーのモダン化にとっては些事(さじ)ながら、多くのWindowsインサイダーは想像以上に保守的なようである。
振り返ってみると、Windows 10以降のエクスプローラーはナビゲーションウィンドウにOneDrive(OneDrive for Business)を追加し、タブ化に対応。Canaryチャネルの内容が適用されるのであれば、画像ファイルなどを1カ所から閲覧するギャラリーも加わるだろう。現在は応答性に難があるのだが、かつてWindows 7用エクスプローラーのライブラリーを多用していたユーザーには便利になりそうだ。
安定版Windows 11のエクスプローラーも、突然のフリーズやクラッシュはだいぶ減った。一歩ずつ変わっていくエクスプローラーを好ましく思っていたが、いよいよFiles(高機能なファイラー)へと本格的に移行すべきかどうか考えている。Filesはエクスプローラーのように「Win」+「E」キーで起動できないが、タスクバーにピン留めすれば「Win」+数字キーは使用可能だ。
もっとも……、Filesを久しぶりに起動したら何度試してもクラッシュする。アンインストールからの再インストールで事なきを得たが、筆者の環境で常用するのは厳しそうだ。
そう書いている間に安定版Windows 11のエクスプローラーがファイルコピー中に落ちてしまった。筆者としてはシンプルで安定したファイラーがほしいだけなのだが、なかなか望みはかなわない。Devチャネル/Canaryチャネルのエクスプローラーを見る限り、安定というゴールは遠そうだ。