俳優の船越英一郎が主演を務める東海テレビ・フジテレビ系ドラマ『テイオーの長い休日』(毎週土曜23:40~ 全8話)。同作で熱護大五郎(船越)のマネージャー・吉田ゆかり役を演じる戸田菜穂が、24日に放送される第4話の撮影の様子や、“家族”への思いについて語った。
――第4話では、ゆかりの家族をめぐる問題が描かれます。
ゆかりの子供たちは、ちょうど思春期の、気持ちが揺れ動く年齢なんですね。いちばん小さな次男の理輝 (平野絢規)はまだ小学二年生なんですが、長女の陽向(宮下結衣)は中学二年、そして、今回物語の中心となる長男の悟(石原颯也)は中学一年、という設定です。
その年頃になると、どちらのご家庭でもそうだと思うのですが、 子供が自分のはっきりした考えを持ち始めて、親と距離を取り始めるということが起きますよね。同じ家に住んでいて、いつも一緒に暮らしているんだけど、胸の内まではわかっていない、という母としての悩み。子供が何を考えているのかわからない。悩みも打ち明けてくれない。なにか抱えている、ということしかわからない……。そうした状況が、4話で浮き彫りにされて、さらにそれが“事件”にもつながっていく、という内容です。
――『テイオーの長い休日』は、熱護大五郎が毎回、事件の謎解きをしていくサスペンス要素が目玉ですが、 今回は、そこにホームドラマの要素が加わってくる、と?
はい。でも、ちゃんと“謎解き”もあるんです、そこはしっかり手堅く練りこまれているのが、この脚本の素晴らしいところだと思います
――4話の最後での、“感動のシーン”の撮影がかなり重要だったとか。
詳しくは放送でご覧いただきたいのですが、4話の最後で、みんなでメンチカツを食べるシーンがあるので すが、ゆかりたちの家族の未来が示されるような、とても意味のあるシーンになっています。
はじめは普通の夕食だったのが、途中から、そこに居る誰もがぐっときてしまうような流れになっていまして。3人の子供たちも当然、台本を読み込んでいて“ここは途中から気持ちが大きく揺れていく場面だ”とわかって臨んでいるわけですが、みんな、撮る前からその感情が来ちゃっていたんです(笑)。だから、私も、「それは、ちょっと展開を予感させ過ぎるから、最初はもっと明るくやろうね!」と声をかけて、撮影に臨 んでいました。
そのシーンは、監督もほんとうに丁寧に撮影してくれました。 最初はただの食事なのが、熱護の話を受けて、みんなが目に涙を浮かべ始める。そのみんなの顔の表情を、ひとりずつ、しっかり、しっかり、大写しにして撮ってくれていました。子供たちもそのシーンの大切さは、よくわかっていたようで、撮影日は、朝から控室でもとても集中していました。そういうモードに入っているときは、私も、もう、邪魔しないよう に、触らないようにして……。がんばってね、と小さく応援する感じで。そういうのを見ていて、自分が 17歳でデビューした頃……初々しかった頃の自分を思い出してしまいました(笑)。
内容に関して少し触れてしまいましたが、4話最後のそのシーン……、“家族の大切さ”をかみしめるような、そのシーンの深さは、視聴者のみなさまにもきっと感じとっていただけると思います。
――戸田さんご自身もお子さんを持つ母です。
私の子どもは、まだ思春期に至らない年齢ですが、劇中の悟くんも“いつのまにか中学生になっている” という状況なわけですからね。水泳教室に通っているのですが、そのプールの帰り、私がお迎えに行ったときに二人で話をしたりしていまして。そのときにポツポツと自分の話をしてくれたりするので、そういう時間は大事だと思って います。小学生くらいだとためらいもなく、なんでも話をしてくれますが、そのうち、悟のように中学生くらいになると、胸のうちを明かしてくれない時期がやって来るんだろうなぁ……、などと思いながら、「家族の中に流れる時間」というものに思いを馳せたりしました。
――早いご家庭だと、お子さんが小学生のうちでも、そういう時期が来たりもすることも。
はい。そういうことを考えると、まだそういう時期でなくて、「ママ〜」と寄って来てくれる今の時期を 楽しまなきゃ、という感じですね! まさに、今、このときを! って感じ。子供は、あっという間に大きくなっち ゃいますからね。
――今回、“思い出のメンチカツ”が重要なキーアイテムになるが、戸田さん自身の思い出の味は?
広島出身なんですけど、父が日曜日のたびに「お好み焼き」を作ってくれてたんです。普段はそんなに料理しない人なんですけど、お好み焼きとか、すき焼きの時だけ、「わしがやる〜!」といった感じで(笑)。それが、一家だんらんのいい思い出ですね。
――第4話の見どころを教えてください。
一言で言えば、家族の中で、一回問題が起きて、それを乗り越えて、さらに強い「絆」で結ばれる……吉田家の全員が、みんなして“もう一度頑張るぞ!” と結束を固める、というお話です。熱護さんとの絆も深まっていくんですね。熱護さんとは、なにか問題が起きるたびに……そして、熱護さんがそれを解決してくれるたびに、絆が強くなっているという感じです。
それを、“悟が主役となって”物語が進んでいく、という回でもある点が、けっこうポイントですね。普段は無口でも、少年はいろいろなことを心の中で考えているんだ、ということが映し出されている。そこがぐっとくる、感動的な展開だと思います。家族の“思い”や“絆”を確かめるような回です。どうぞお楽しみに!
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