米DuckDuckGoは6月22日(現地時間)、デスクトップブラウザ「DuckDuckGo for Windows」のベータ版の提供を開始した。Windows 10/11 PCを使ってDuckDuckGoのサイトから無料で入手できる。Windows用は、昨年4月のMac用べータ版に続くPC用ブラウザのリリース。

DuckDuckGoブラウザは、デフォルトで厳格にプライバシーを保護できるように設計されている。ChromiumやFirefoxのフォークではなく、OSが備えるレンダリングエンジンを使用しており、Windows版は「WebView2」を通じてBlinkレンダリングエンジンを用いる。クラッシュレポートがMicrosoftに送信されないようにするなど、WebView2の利用にもプライバシー保護を加えている。

多くのブラウザのデフォルトのトラッキング保護は、ブラウザに読み込まれた後のトラッカーに焦点を当てて対策しているのに対し、DuckDuckGoブラウザはサードパーティトラッカーのローディング保護をデフォルトで提供する。他にも、グローバルプライバシーコントロール、リンクトラッキング保護、CNAMEクローキング保護、Google AMP保護など、多くのブラウザではデフォルトではない保護を提供する。DuckDuckGoによると、トラッカーを読み込む前にブロックするDuckDuckGoブラウザのデータ使用はChromeより約60%少なく、プライバシーを保護しながら軽快に動作する。

Webアドレスがhttpで始まる暗号化されていないサイトへのアクセスに対して、暗号化されたサイトがあればhttpsの接続に自動的に切り換える(Smarter Encryption)。DuckDuckGoは暗号化されたサイトのリストを作成・管理しており、「他のブラウザと比較して、訪問するWebサイトやクリックするリンクの多くが暗号化されます」としている。また、Cookieポップアップ管理によって、Cookie同意ポップアップが表示されることなく、利用可能な最もプライベートな設定を自動選択できる。

他にも、最近の閲覧データをワンクリックで消去する「ファイア・ボタン」(ログイン状態を維持したいサイトはファイヤープルーフに指定して消去の対象から外すことが可能)。YouTubeの視聴データの収集や広告表示を防ぐ動画プレイヤー「Duck Player」といった機能を備える。

拡張機能はサポートしていないが(将来追加する計画)、安全にログイン情報を保存・管理してMac版/iOS版/Android版と同期できるパスワード管理機能、広告ブロッカー機能を用意している。