「彼は涼しい顔をしていた」「涼しい顔でこなす彼女はさすがだ」など、「涼しい顔」という言葉を雑誌や小説、日常会話などで聞いたことがある人も多いでしょう。しかし、中には正しい意味を知らないという人もいるかもしれません。
本記事では、「涼しい顔」の意味や使い方・例文を紹介します。また、類語・言い換え表現や英語表現についても紹介するので、ぜひ参考にしてください。
「涼しい顔」の意味とは?
「涼しい顔」とは、自分が関係している場面や話題でも、関係がないような顔や様子をみせることを意味する慣用句です。また、冷静である様子を指す場合もあります。
雑誌や小説、ニュースなどでよく使われている印象ですが、日常会話で使うこともあります。一方、ビジネスシーンではあまり使わないでしょう。
「涼しい顔」の使い方・例文
自分が関係しているのに関係していないかのように振る舞う様子を指す「涼しい顔」は、悪い意味で使う言葉という印象が強いですが、良い意味で使うこともあります。ここでは、それぞれの使い方を例文で紹介しましょう。
悪い意味合いの場合
悪い意味での「涼しい顔」は、例えば問題を起こした張本人なのに関係ないふりをしたり、全く気にしてない様子を見せたりしている場合に、その様子を皮肉る意味で使います。直接的ではないものの「恥知らず」「図々しい」といったニュアンスが含まれ、遠まわしに批判する意味で使うことが多いです。
【例文】
・彼女のミスで部下が叱責されているのに、彼女は涼しい顔をしていた
・彼が起こした騒動で周りは慌てていたが、彼は涼しい顔でみていた
・彼は事件の犯人にもかかわらず、涼しい顔で警察の質問に答えていた
・彼女が怒って出て行ってしまったのに、彼は涼しい顔でご飯を食べはじめた
良い意味合いの場合
一方、何かすごいことをしたのに大変な様子や苦労を見せていなかったり、あるいはすごいと思っていないような様子を見せていたりする場合にも「涼しい顔」を使います。よく使われるケースは、スポーツで軽々と好記録を出したり、好記録を出したのに喜んだ様子を見せず冷静だったりする選手の様子などに対してです。
【例文】
・日本新記録を樹立したにもかかわらず、A選手は涼しい顔をしていた
・大会5連覇の偉業を成し遂げたのに、彼女は涼しい顔をしていた
・彼女は激闘を繰り広げた直後とは思えないほど涼しい顔だった
・誰よりもハードスケジュールなのに涼しい顔で仕事をこなす彼には頭が上がらない
「涼しい顔」の類語・言い換え表現
「涼しい顔」と似たような意味を持つ類語や言い換え表現を紹介します。
素知らぬ顔
「素知らぬ顔」は、知っているのにもかかわらず、知らないふりをしている様子を意味する言葉です。
【例文】
・既に正解を知っているのに、彼は素知らぬ顔で尋ねてきた
・事件を起こした後も彼女は素知らぬ顔で仕事をこなしていた
何食わぬ顔
「何食わぬ顔」は、知っているにもかかわらず何も知らない、あるいは自分には関係がないという表情を見せることや、そのような態度をとっている様子を意味する言葉です。
【例文】
・Aは不倫騒動の渦中だったが何食わぬ顔で番組に出演していた
・説明責任を果たさないまま何食わぬ顔で大会に参加し物議をかもした
平気な顔
「平気な顔」は、特に動揺した様子などがなく、落ち着いている表情や様子であることを意味する言葉です。
【例文】
・彼女は、大きなトラブルがあったとは思えないほど平気な顔で仕事を続けている
・彼は平気な顔をしているが、彼女と別れたばかりで内心傷ついているに違いない
「涼しい顔」の英語表現
「涼しい顔」を英語で表現したい場合、以下のようなフレーズが使えるでしょう。
・nonchalantly
「平気で」「しれっと」「何食わぬ顔で」などの意味を持つ言葉で、「涼しい顔」の英語表現として使えます。
【例文】
He went home nonchalantly.(彼は涼しい顔で帰宅した)
・look unconcerned
「平然としている」「あっけらかんとしている」などの意味を持つ表現です。
【例文】
Mike is crying because of Rina, but she looks unconcerned.(マイクはリナのせいで泣いているが、リナは涼しい顔をしている。
「涼しい顔」の意味を知って正しく使おう
「涼しい顔」の意味や使い方・例文、類語・言い換え表現などについて紹介しました。
「涼しい顔」は、自分が関係していることや自分が原因で起きていることであるにもかわらず、自分は関係ないという態度や表情を見せることを意味する慣用句です。悪い意味合いだけでなく、良い意味合いでも使われます。
この機会に言葉の意味を覚えて、正しく使いましょう。