オロは6月21日、「残業時間」に関する実態調査の結果を発表した。調査は3月17日~24日、IT・広告・コンサルティング業といった知的サービス業に従事する18歳~29歳のZ世代 906名を対象にインターネットで行われた。
調査によると、就職・転職先を考える上で、新しい職場での「残業の有無を気にする(とても+少し)」という人は82.3%。理由を聞くと、「プライベートの時間が減ってしまうから」(77.4%)がダントツに多く、次いで「決められた時間以上に働きたくないから」(39.1%)、「残業規制が整っているかで健全さがわかるから」(24.3%)、「残業手当が欲しいから」(24.0%)が上位に。
実際の残業時間については、「多い」が25.9%、「少ない」が44.3%、「どちらでもない」が29.8%となり、「残業がない」もしくは「少ない」分、自由な時間を「趣味」(66.0%)や「睡眠・休息」(61.2%)、「家族や恋人と過ごす」(42.0%)など、プライベート重視で活用しているZ世代が多かったほか、「自主学習」や「スクール」「副業」など、様々な用途で有効活用していることがわかった。
次に、残業の削減対策として会社でどのような取り組みがされているかを尋ねたところ、「実労働時間の把握」(40.8%)、「休日労働した場合の代休の付与」(31.5%)、「ノー残業デー、プレミアムフライデー等の導入」(21.9%)が上位に。
一方、早く帰宅できるように自身で実践していることは、「仕事の優先順位をつける」(55.3%)が最も多く、次いで「スケジュール管理を徹底する」(33.6%)、「できない仕事は断る」(21.4%)と続いた。
残業規則に対する考えについて聞いたところ、「そう思う」と回答した割合が多かったのは、「仕事とプライベートのメリハリがつく」(66.1%)、「時間管理の意識が高まる」(62.8%)、「家族や友人が安心する」(60.3%)、「周りに遠慮せず帰れる風土になる」(58.7%)、「コスト意識が醸成される」(54.4%)など。
一方、「そう思わない」の回答の割合が多かったのは、「残業しないとやる気がないように思われそう」(59.5%)、「企業としての競争力が損なわれる」(59.3%)、「社員の成長スピードが落ちる」(54.9%)、「規制されると残業しづらくなる」(49.6%)、「人にものを頼みづらくなる」(47.7%)で、Z世代はプライベートを重視しているのと同時に、残業規制は「個人の成長に寄与するもの」とポジティブにとらえていることが分かる結果となった。
最後に、古いと思う「仕事に関する価値観」をたずねたところ、「上司より先に帰ってはいけないという暗黙のルール」(82.8%)、「新人は誰よりも早く来て、誰よりも遅く帰る」(79.9%)、「残業時間は長い人ほど頑張っている」(71.7%)が上位に。
そのほか、「仕事のためなら残業も、土日出勤もいとわない」(69.8%)、「大事なプレゼンの前は朝まで徹夜する」(69.6%)、「プライベートが充実している人は仕事をさぼっている」(69.3%)、「フレックス制でも朝10時以降に出社する人は怠惰だ」(66.7%)、「プライベートより仕事が重要」(62.5%)、「長時間(1時間以上)の会議や打ち合せは、やって当然」(60.5%)、「会社のために全力で働く」(49.7%)といった価値観に対しても、Z世代の多くが“古い”と感じていることがわかった。