マイナビではキャリア教育や就活の講師などを務める羽田啓一郎さんをゲストにお招きし、「どうなる25年卒?! 就活準備スタート講座~インターンシップが変わる! 就活スケジュール・情報収集のコツを徹底解説~」と題したオンライン講座を実施。
インターン応募者だけが受けられる早期選考などについて語っていただいた前編に続き、後編となる今回は、インターン選考の種類や就活の心得などについてご説明いただきました!
講師プロフィール:羽田啓一郎
マイナビで大手企業の新卒採用営業で色々やった後新規事業を色々立ち上げました。2020年3月起業し、Strobolightsを設立。学生のキャリア支援と企業の支援の両方やってます。立命館大学産業社会学部客員教授※Twitterプロフィールより
学歴フィルターはないが、有名大学だと通りやすい。なぜなら……
インターン選考の種類は大きく分けて3つです。
ひとつはエントリーシート、通称「ES」と呼ばれるものですね。自己PRや学生時代に力を入れたこと、インターンに参加したい理由などをパソコンで書きます。
もうひとつがSPIなどの適正テスト。すべての会社ではありませんが、人気企業では行われる傾向にあります。
そして面接です。インターンの選考ではそこまで多いわけではありませんが、人気企業で参加人数の少ない場合などはあったりします。
また、学歴フィルターについてですが、学校名だけで判断する企業はまずないと思ってください。つまり、「この大学なら絶対に内定を出す」、または「絶対に内定を出さない」といったことはありません。ただ、有名大学の学生は過去に努力をしていることが多いのは事実です。
そして悲しいかな、書類選考は有名大学の学生が通過しやすい傾向にあるのも本当です。それは学校名で判断しているのではなく、論理的な思考力やアウトプット力、適性検査で如実な差が出るからです。
学歴フィルターを気にする学生は適性検査の勉強もしないし、文章の練習もしないケースが多く、それだとどうしても落とされてしまいます。どうか学歴フィルターなど気にしないでください。
実際に僕の周りでも、有名大学じゃなくても大手企業に受かる学生は数多くいます。でも、こういう学生たちはすべからく努力しています。
インターンシップの選考は公式試合ではなく練習試合だ!
インターンシップの選考は、練習試合だと思ってください。まずは練習試合に向けて練習して、仮にそこで負けたとしても、公式試合で勝つこともあります。インターンシップの選考を見過ごす学生は練習試合に出ず、いきなり公式試合に臨むようなものなので、まずはインターンシップの選考に挑戦してほしいと思います。
もしそこで落ちても、先着順で参加できるプログラムがあるので、そちらで10〜15社くらい参加してもらえればいいと思います。
ちなみに、選考対策の本質は「自己分析」だと思ってください。テクニックのある人が受かるわけではありません。自己分析についてはまた別の機会で、詳しくお話したいと思います。
就活で結果が出る学生は、日頃からアウトプットする習慣がある人と、企業選考を受けてうまくいかない部分を軌道修正していく人の2パターンに分かれます。
日常的に自分を表現したり、自分を内省したり、知らない人と喋る機会の多い学生は、あまり就活対策をしなくても夏のインターンシップで受かる可能性があります。でも、残念ながら多くの学生はこれに該当しません。
だからこそ、企業選考でちゃんと練習試合をして、負けたら負けたなりに反省して、修正していく。これを繰り返した結果、インターンシップの選考には落ちたけど、最終的に入りたい企業の内定が取れたという事例がいくらでもあります。
皆さん、就職活動を長引かせたくないと考えていると思いますが、就活が長引く人の共通点は能力や意欲の問題ではなく、就活を先延ばしにする人です。
就活対策の講座は出るのに、選考は怖いから辞めておこうとする学生はたくさんいます。就活本番で苦労しないためにも、ぜひ練習試合だと思ってインターンシップに応募してみてください。
「インターンシップの日程が被ったらどうすればいいのか」と聞かれることもありますが、それは受かってから考えましょう。無断欠席さえしなければまったく問題ありません。そもそも、そう簡単には受からないので、受かってから考えるようにしましょう。
大学3年生は今から何かに取り組めば就活本番に間に合う!
最後に、就活の心得についてお話ししたいと思います。
学生は社会や企業ビジネスについてほとんどまったく知らない状態です。ビジネス感覚を身に付けるためには、ビジネス系のニュースサイトのSNSアカウントなどをフォローするといいと思います。
おすすめは『東洋経済オンライン』『ダイヤモンド・オンライン』『NewsPicks』など。このあたりのWEBメディアのツイッターアカウントをフォローして、気になる業界や企業の話題が出たら見に行くというのを習慣化しましょう。
また、ビジネスドキュメンタリー番組の『カンブリア宮殿』『ガイアの夜明け』などを観ることもおすすめです。これらは普通に面白いので、ぜひチェックしてみてください。TVerでも視聴できます。
また、マイナビWebEXPOなど、WEBの合同説明会はめちゃくちゃコスパがいいので積極的に参加しましょう。いろんな会社の話を一気に聞いて、短期集中的に学ぶことができます。
ただし、合説は広くて浅い話しかしないので、志望会社の話だと、知っている話になってしまう場合も少なくありません。逆に、知らない会社の話をサクッと理解するうえではとてもコスパもタイパもいいので、ぜひ参加してみてください。
就活は大学受験と違って答えや正解がないので、「これをやればいい」、「これはやっちゃダメ」ということがありません。基本は人と人のコミュニケーションなので、その大前提は忘れないようにしてください。
人にされて嫌なことは企業も嫌ですし、逆に人にされて嬉しいことは、企業も嬉しいので、そこを間違えないようにしましょう。
結局、就活は今までの人生の凝縮です。学部3年生は学生生活がちょうど半分終わったところですから、今から何かに取り組めば、就活本番でちゃんと何かを語れるようになります。
逆に今後、何に対しても一所懸命にならないまま時が過ぎると、本当に就活本番でアピールすることが何もない状態になってしまいます。アルバイトやサークルなど、何でもいいから夢中になって取り組めることを探してほしいと思います。
まずは自己分析の第一歩ということで、自分の人生をお風呂の中で振り返ったりしてみてください。SPIの過去問をやるのもいいかなと思います。
「資格でインターンシップ選考も通りやすくなる?」学生からの質問コーナー!
続いて、学生さんからの質問に答えていきましょう。
――社会人とのつながりはどう作ればいいんですか?
大学のキャリアセンターにOB・OGリストが置いてある大学もあるので、まずはキャリアセンターを訪ねてみてください。
――資格でインターンシップ選考も通りやすくなる?
その会社の仕事に必要な資格なら加点評価くらいはされるかな、と思います。例えば、TOEICが900点だとしても、まったく英語を使わない会社であれば「うちで英語は使わないよ」と言われて終わり。でも、グローバルで日常的にコミュニケーションを取る企業、外国籍の方が多く働く会社であればTOEICで900点を取ったことも活きると思われます。
――早期選考を受けるには、インターンシップ中に人事の印象に残る必要はありますか?
インターンシップに参加すれば早期選考に呼ばれることが多いので、そこはあまり意識しなくていいと思います。期間中に「俺を見て! 俺を見て!」と立ち振る舞う必要はありません。
――インターンシップの時点で髪は黒くしていったほうがいいですか?
どっちでもいいです。事前に企業説明会で社員たちの姿を見てみてください。みんなが黒髪でピシッとスーツを着ているようなら髪を黒くしていったほうがいいと思います。ただ、最近ではカジュアルな会社も増えてきましたし、会社によりますね。
就活って嫌だな、怖いなとネガティブになる人も少なくありませんが、やることをやっておけば大丈夫。やることをやっている学生は、結果的に納得した就活ができます。でも、就活を先延ばしにする学生は苦労するので、まずはやることをやりましょう!
本記事は就職サイト『マイナビ就職』で公開された映像コンテンツ、『マイナビTV編集部 就活準備講座』を転載しています