なでしこジャパンを長年牽引し、ドイツ・イギリスと世界に活躍のフィールドを広げる岩渕真奈選手。今年1月にはアーセナル・ウィメンFCからトッテナム・ホットスパーFCウィメンへの期限付き移籍が話題になったことも記憶に新しい。
今回、岩渕選手に海外と日本でのカルチャーギャップや、3月に選出されたVisaのアスリート支援プログラム「Team Visa」について話を伺った。(※取材は2023年6月12日に実施)
海外生活で感じた日本のカルチャーとのギャップ
――今年1月には、イングランド・ロンドンを本拠地とするアーセナル・ウィメンFCから、同じくロンドンを本拠地とするトッテナム・ホットスパーウィメンへ期限付きで移籍して話題になりました。大きな変化のあったシーズンかと思います。
チームが変わるにあたって、面識のない選手たちとチームメイトになるので、最初は多少緊張もしましたし、馴染むのにもちょっと時間はかかりました。でもどちらもロンドンが拠点のチームなので、引っ越しする必要もなく、とてもスムーズに移籍できましたね。特に大きく何かが変わったとは感じていません。
――2013年から2017年までドイツ、2020年からイングランドと海外を拠点に活動されています。海外と日本の生活で、ギャップを感じたことはありますか?
やっぱり日本は便利だなっていうのはすごく強く感じています。場所にもよりますが、海外に住んでいるとコンビニのようなものがなかったり、ドイツでは日曜日はスーパーマーケットも閉まっていたりするので、日本での生活に慣れている身としては、不便だと感じることはありました。
――逆に、日本にはない海外の魅力は?
ドイツやイギリスでは、日曜日に家族やパートナーとゆっくり過ごす文化があります。私は地元が東京ですし、これまで日曜日を家族と一緒にリラックスして過ごすようなことがあまりなかったのですが、家族を大切にする海外の文化はとても素敵だなと感じています。
あとは若い頃から海外に遠征することが多かったので、海外の街並みや景色について何かを感じることは少なかったんです。でも最近はヨーロッパのカルチャーや教会などを見て綺麗だなって感じられるようにもなりましたね。
――現在(6月12日時点)一時帰国中ですが、何か印象的な思い出や日本滞在中にしておきたいことなどはありますか?
まだ帰国して一週間くらいしか経っていないのですが、改めて日本は便利ですし、いろんなところが綺麗だと感じています。日本滞在中は、とにかく美味しいものをたくさん食べたいですね(笑)。寿司や焼肉など、向こうであまり食べられないものはちゃんと食べておきたいなと思います。
Team Visaアスリートに選出、女子サッカーを日本や世界に広げたい
――6月13日には女子W杯の日本女子代表メンバーが発表されました。今のなでしこジャパンにはどのような強みがあると感じていますか?
若い選手が多く、あまり経験値は高くないチームかもしれませんが、そのぶんフレッシュで勢いのあるチームになると考えています。
――岩渕選手は、今年3月にVisaのアスリート支援プログラム「Team Visaアスリート」の一員に選出されました。同プログラムは経歴や選手としての実績、地域活動、また"平等、アクセス、インクルージョン"というVisaのコアバリューにふさわしいかを基準に選ばれます。今後どのような活動をされていきますか?
Team Visaアスリートの一員として、今後の女子サッカーの発展に向けて力を尽くせるというのはとても魅力的なことですね。
Team Visaアスリートには世界で活躍している選手が多く所属しているので、そういう選手たちと一緒に女子サッカーを日本や世界に広げながら、未来を担う子どもたちに良い影響を与えられるよう頑張っていきたいです。